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『ルルの冒険 ~黄金の魂~』 (2007/デンマーク、スウェーデン、ドイツ)

   ↑  2013/03/22 (金)  カテゴリー: アクション、パニック
 
●原題:De fortabte sjæles ø /英題:ISLAND OF LOST SOULS
●監督:ニコライ・アーセル
●出演:サラ・レンジベック・ガーマン、ルーカス・マンク・ビリング、ラッセ・ボルグ、ニコライ・コペルニクス、アンダース・W・ベアテルセン、ラールス・ミケルセン 他
●ルルと弟のシルベスタはとあるデンマークの田舎町に引っ越してきた。ある夜、100年以上前に死んだヘルマンの魂がこの町に現れ、突然シルベスタの体に入り込んだのだった。シルベスタが幽霊と話しているところを目撃したルルは、近所の少年オリバーとともに別人となったシルベスタを問い詰めたところ、モンク島に潜む悪魔の使者"ネクロマンサー"が復活して死者の魂を呼び出しているという。ルルは町の超常現象研究家リチャードらの力を借り、弟を救う冒険へと出発するが・・・。




これどう見ても、日本版のジャケットデザイン&タイトルがハリウッド映画『ライラの冒険 ~黄金の羅針盤~』の明らかなパクリでして、なんだかオカシイなぁ??と思っていたら、この原因、配給元のギャガ(販売当時は"G-CORE")のスタッフブログを見てわかりました。ビデオストレート業界では、この手の作品は“本物に似せる”というのが鉄則なんだそうで。"オトナの遊び心"というものらしいですのですが、思いっきり"内輪ウケ"です。

しかも、『ライラの冒険 ~黄金の羅針盤~』とこの『ルルの冒険 ~黄金の魂~』、そしてこれまた全く無関係なドイツ映画『マナツの冒険 ~黄金の石盤~』というタイトルを(勝手に邦題にして)3つ揃えて同時にレンタル開始!としたのだそう。

ライラの冒険~黄金の羅針盤~【GAGA】 ルルの冒険~黄金の魂~【GAGA】 マナツの冒険 ~黄金の石盤~【GAGA】
こういう売り出し方って、無関係な映画どうしに思わせ振りなイメージを植え付けてしまって、でも実際見たら「全然違うじゃん!!」というガッカリ感を覚えてしまうわけで。"勘違いレンタル"にしか頼れないなんて、これじゃあせっかく良く出来た元の映画の形をぶち壊しにしているとしか思えないんだけどなぁ。本国の制作スタッフやキャストに失礼だと思うんですよね。ま、私なんかがこんなところでプンスカ怒っていても仕方ないんですけどね・・・・・




だって、なかなか良かったんですよ!この映画。

北欧製のアドベンチャー・ファンタジー。孤島に捉えられた魂たちを解放するというメインストーリーに加え、何百年も密かに戦い続ける悪魔の使者ネクロマンサーと悪魔祓い結社の因縁や、両親の離婚で心を閉ざした思春期の少女の悩みなどがVFXたっぷりに綴られ、見応えあるキッズ・ムービーに仕上がっている。一方、僧侶とネクロマンサーに殺された恋人とのエピソードや全体に漂うシリアスなムードなど、大人が見ても楽しめる要素も充実。
■番組紹介/解説「ルルの冒険~黄金の魂~」【wowowオンライン】

なんと映画の35分に相当する630もの特殊効果ショットの合計は、あの『ジュラシックパーク』よりも多く北欧映画史の中で最大の特撮映画なんですよ!(De fortabte sjæles ø (2007)Trivia【IMDb】より) これらVFXの美しさはかなりナチュラルで、悪者の案山子がビョォォォン!!と飛び掛かってくるシーンとか、私、大好きでした。 しかも監督は、あのスウェーデン映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の脚本を担当したニコライ・アーセル。うーん、お子様映画なのに家族のドラマが妙にシリアスで暗いのはそのせいか!(笑)



それにね、登場時間は僅かしかないのですが、日本で公開される数少ないデンマーク映画ではよく見かけるアンダース・W・ベアテルセン(『幸せになるためのイタリア語講座』の牧師様、『ミフネ』のダメ主人公)など、ベテラン俳優が出ているところなんかも渋いです。安心して観ていられます。

オーケストラの壮大な音楽に身を委ねて、ハリー・ポッターやナルニア国物語が好きな人であればなお、子どもでなくても十分楽しめる映画だと思います。


ま、惜しむべくは、主役の女の子の演技がやや残念気味で緊張感に欠ける点かな。かなりの美少女なのに勿体ないな~。感情を押し殺し気味の思春期の女の子の役なのでまぁなんとかもった方かと思いますが、その代わり、ヘルマンの魂が入り込んだ時の弟くんの"大人演技"がなかなかで、これには感心してしまいました。ちょっとオスメント君入っていますが、弟君くん芸達者だぞ!

「対悪魔戦闘ロッジを復活させるわ!」というラストもカッコいいじゃないですか~!続編できたら私は絶対観ます。ほんと、なかなか良かったですよ、この映画。"バッタもの扱い"にされたのが本当に残念


※因みに・・・
映画の最後に出てくる小型飛行機の側面に書かれた"OY - 1138" という文字。
OYというのはデンマークの航空機に使われる"国籍記号"なんですが、"1138"はジョージ・ルーカス監督の1971年の映画 『THX-1138』へのオマージュなんだそうです(De fortabte sjæles ø (2007)Trivia【IMDb】より)。"映画愛"ですね!




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  2013/03/22 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『サラバンド』 (2003/スウェーデン)

   ↑  2011/09/16 (金)  カテゴリー: シリアス、社会派







サラバンド [DVD]


●原題:SARABAND
●監督:イングマール・ベルイマン
●出演:リヴ・ウルマン、エルランド・ヨセフソン、ボリエ・アールステット、ユーリア・ダフヴェニウス、グンネル・フレッド 他
●巨匠イングマール・ベルイマン監督が1974年に制作したTVドラマ「ある結婚の風景」の続編。弁護士のマリアンは30年以上前に別れた元夫のヨハンを訪ねる。ヨハンは田舎に隠棲していたが、彼とそりの合わない息子のヘンリックとヘンリックの娘カーリンが数ヶ月前から近くのコテージに滞在していた。二年前に妻アンナを癌でなくして以来、ヘンリックはカーリンを妻の代わりに愛情で縛り付け、彼女をチェロのソリストとして育てようとしていた。一方カーリンは、父の押し付けがましい愛情に反発しつつも音楽家として自立することや父を置き去りにしていくことへの不安を抱いていた。そんな彼らの葛藤や愛憎が、マリアンの前で繰り広げられていくのだった。

シネフィルイマジカによる公式サイトはこちらから




『ある結婚の風景』 (1974/スウェーデン)から19年。
笑顔がまったく変わらないマリアンがカメラに向かって話し掛けるプロローグ。若かりし頃の"元夫婦"の写真が山のように見え、あのドラマの紆余曲折を知っている視聴者なら思わず惹き込まれる滑り出しです。

ベルイマン作品で見かける"個人的な打ち明け話"を画面越しに語りかけてくるこの親密さは、まるで懐かしい知り合いに言葉をかけられたかのよう。マリアンは63歳。ヨハンは86歳。実際に過ぎ去ったその実物大の年月の流れが、物語の時間を自然に感じさせてくれます。



この画像、ドラマ版をご覧になった方なら何か見覚えありませんか?

『ある結婚の風景』最終話で、心を許して本音で語り合えるようになった二人の背後に掛かっていたオブジェです。実は、これとソックリの代物が『サラバンド』にも登場するのです。ヨハンの息子ヘンリックの娘(つまりヨハンの孫)カーリンとマリアンが、女同士意気投合してお酒を飲みながら語り合うシーンに、一瞬ですが見ることが出来ます。ちょっとした遊び心なのでしょうか。打ち解けあう二人の人物の後ろで、また目にすることが出来ました。





この物語は、4人の登場人物のうち"2人"による会話で進められていくシンプルな構成をとっています。が、限られた空間内で限られた人物に起こる出来事なだけに、その密度の濃さは圧迫感となり観る者までもを追い詰めていきます。

 

 
"家族"という近い間柄が、狭過ぎる人間関係の中で息苦しいほどの束縛を生み、次第に異常性を加速させていく様は下手なホラー映画よりもずっと恐ろしいものです。飛び立とうとする娘を前に絶望する父ヘンリック。彼とその父ヨハンとの壮絶な愛憎劇が重なることにより、彼の精神状態が次第に崩れ落ちていく辺りから物語の緊張感は危うさを増し、限界点を迎えます。イングマール・ベルイマンは容赦のない描写で人間の凶暴性、悪魔性をじりじりと炙り出していくのです。



そのような中、気になったのは写真でしか登場しないヘンリックの亡き妻「アンナ」の存在でした。彼女の存在感こそが『サラバンド』をベルイマン作品として非常に特徴的、象徴的なものにしていると感じるのです。

アンナは「不在」という強固な存在感によって、ある意味生き残っている家族を抜き差しならない関係に陥らせています。生前の彼女は夫の精神的支えとなり、娘を愛し、義父ヨハンとのバランスも維持してきましたが、彼女の存在が欠けることを皆が危惧したように、アンナ自身も"それ"を恐れていました。実際その通りになった時、彼らは生きているにも関わらず、死者の存在に対して癒しや救いを得ようと未だ求め続けているのです。

それはまるで、牧師の子でありながらベルイマンが生涯自問し続けた「神の不在」のように。

宗教に対してまったく拘りのない私からすれば、救いや癒し、導きとなるはずの"宗教"がどうして罪悪感に苛まされる存在となってしまうのか?どうして自分自身を苦しめるもととなってしまうのか?それはもう私には到底理解できるはずもないのですが、ベルイマンのこの苦しみは常に彼の映画に付きまとう影のようなものでした。答えはもうそこにはないのに「"不在"の存在」にすがろうとする人たちのように・・・・。






一対一の距離感しか持たない男性2人とは異なり、マリアンは神と向き合い、恐怖と孤独を抱え赦しを求めていたヨハンを救い、そして最後には自分の娘と心を触れ合わせることを果たします。

ベルイマン作品は、彼の宗教観や社会観が「芸術」として強く打ち出される強烈で独特なものが多く、生きる苦しみや信仰や神に対する畏れなど重いテーマを掲げてきたものが多くありましたが、この『サラバンド』は、それまでの(やや自伝的な)苦悩から一歩解き放たれた安堵感や赦しを最終的に見てとることが出来る作品となりました。

この映画は、日常的な「家族」「結婚」などをテーマとしたドラマ版をモチーフとし、更にこれまでの映画と共通する壮絶な人間関係の中に生まれる希望や幸福、絶望や失意といった人生観や精神論を凄味のある描写で展開していくことに変わりはありません。しかし、数々の女性遍歴を持つベルイマンの公私に渡るパートナーとして長きに渡り共に映画制作を行ってきた女優リヴ・ウルマンの言葉で始まり、彼女演じるマリアンの目を通して語られる作品であること・・・つまり、ウルマンの口から語られた物語だからこそ、この作品には意味がもたらされたのだと思うのです。

リヴ・ウルマンは『秋のソナタ』を「あれは男性の視点で描かれている作品なのよ。母親の罪の意識を男性が脚本にして映画にしたものよ」とさらりと言ってのけた女優(『想い出のイングリッド・バーグマン』より)なのです。彼女は、ベルイマン監督が作り出す作品をまるごと受け止めていました。『サラバンド』で彼女がヨハンを受け止めたことは、ベルイマン自身を抱き締めたことと同じなのでしょう。ベルイマン監督が妻イングリッドへと捧げ「遺作」として発表したこの作品には、神の沈黙がもたらす苦しみとともに、彼を安らぎへと導いているものも垣間見える気がしてなりませんでした。この作品は、ベルイマンが作るべく完成した"最終到達点"だったのでしょう。






■追記
【レビューを書けないままの映画・・・(テオ・アンゲロプロス監督)】という記事を前回書いたのですが、この映画もまた『ある結婚の風景』(TV放映版)を今年の1月に観て以来ずっと書くことができず、今回やっと言葉に出して完成したレビューとなりました。

ベルイマン [ 小松弘 ]


以前からイングマール・ベルイマン監督について知りたいと思っており、2月に上記の書籍「ベルイマン」や、『秋のソナタ』で主演したイングリッド・バーグマンの自伝などを読んだりしていたのですが、3月11日の大震災によりそんな映画寄りの気持ちも吹き飛んでしまいました。

が、少しずつですが生活にリズムが戻ってきたこと、そして、どうやら来年は記事を更新できる時間がグッと減る可能性が大きくなりそうなので、今後は出来る限りこのブログでやり残していることを片づけてしまおう!と思っています。まだまだ観たい映画、書いてみたい映画作品が数多くあって、本当に時間って足りないものだなぁとこんなところで痛感しております。まいったなー!


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  2011/09/16 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『アフター・ウェディング』 (2006/デンマーク、スウェーデン)

   ↑  2011/08/30 (火)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ



【DVD】アフター・ウェディング スペシャル・エディションマッツ・ミケルセン [KEBF-90144]



●原題:EFTER BRYLLUPPET / AFTER THE WEDDING
●監督:スザンネ・ビア
●出演:マッツ・ミケルセン、ロルフ・ラッセゴード、シセ・バベット・クヌッセン、スティーネ・フィッシャー・クリステンセン、クリスチャン・タフドルップ 他
●インドで孤児院を運営するヤコブは、財政的に厳しく破産寸前の状態で行き詰っていた。そんな時、デンマークのある会社から寄付の申し出がある。しかしそれには「ヤコブがコペンハーゲンを訪れてCEOと面会する」という条件がついていた。渋々インドからコペンハーゲンに向かったヤコブはCEOのヨルゲンと会うのだったが、彼はまだどの団体に寄付をするか決めておらず、決定は後日すると語る。戸惑うヤコブをよそにヨルゲンは「娘が週末に結婚するので、式に来るように」と半ば強引にヤコブを招待するのだった・・・。2006年度アカデミー賞「外国語映画賞」ノミネート作品。




デンマーク映画やスウェーデン映画というと、北欧の柔らかな太陽の光や若緑色の自然などと対比するように、極限状態ギリギリまで追い詰められた人間のドロドロとした本性を見せつける暗~いドラマを私は勝手にイメージしてしまいます。きっと大笑いするような楽しい映画もあるのでしょうが、なぜか日本では"内向的な"作品や、パステルカラー調の"センスのいい"作品が好んで公開されるような気がします。

デンマーク語が全くわからないので、まったく馴染みのない言語による映画作品の場合は思い切り「日本語字幕」に頼る他ないのですが、よーく聞いてみると「ヒンディー語」だと思っていたら「インド英語」だったり「ドイツ語」っぽい発音かなぁと思っていたら「スウェーデン語」まで出てくるようで、ちょっと驚かされるところもありました。






私は"あらすじ"やキャッチコピーなどを読まずに『アフター・ウェディング』というタイトルと、レビュー上記に書いた程度の知識だけで鑑賞したのですが、これは自分にとってラッキーでした。何も知らずに観ることができて、個人的には良かったと思います。

鑑賞後に分かったことなのですが、この作品は日本公開時や映画データベースのサイトなどでは、物語の核心に触れるところまで言及しているんですね。公開前から思い切り情に訴えかけるこのアピールは、この作品の醍醐味を失わせているようにも思います。核心を知った上で観るか、私のように知らずに観るかでは、映画への印象が大きく異なることでしょう。



※因みにアメリカ公開時のこのトレーラーは、"核心"には触れずに何かを暗示させるだけ、という非常に良い出来だと思いました(何故かエスニックな雰囲気を漂わせ続けているのが、米国らしい外国映画のアピールですが・・・)。


寝かしつけの時に子どもたちに「ニルスの不思議な旅」を読んで聞かせる優しい家族の姿や、幸せの絶頂ともいえる美しく愛らしい、そしてまだあどけなさの残る花嫁の姿を目にながら「結婚式の後に何かしらの人間ドラマが起こるのだろう」くらいの軽い気持ちで私は観始めたので、水面に落とされた一粒の水滴がゆらゆらと全体の表情を変えていくように、少しずつ変化していく事の成り行きをただじっと息を詰めるようにして見守っていました。純粋に主人公でもあるヤコブの目線で展開される物語を追うのであれば、"核心部分"には触れずに鑑賞できることが最良だと思います。






『アフター・ウェディング』では、何かを決めかねていたり、途方に暮れていたり、感情を抑えていたり・・・そんな登場人物たちの指先や目元を何度も何度もクローズアップで映し出します。彼らの心の揺れを覗き込んでいるような、そんな錯覚に陥るカットです。

人々の間にさざ波が立ち、酷く罵り合い、誰もが悲しみを抱え、そんな感情の混乱から登場人物たちの関係は行き詰まりを見せたとも思えた展開だったのですが・・・私はなぜか途中から、それら寂寥感の間から少しずつ温かな感情を感じていたのです。不思議な体験でした。





映画の良いところというのは、人生を客観的に見ることが出来る上、生き方や心の持ち方を見つめ直し、困難に対するヒントや安らぎを見出すことが可能な点だろうなぁと、私は常々思っています。大袈裟と思われるかもしれませんが、少なくとも私はこの映画に対してもそのように感じました。

何かを失い、傷つけ、何かに巻き込まれ、酷く打ちのめされたようで、実際は沢山のものを得ているのが人生なのかもしれない、と思ったのです。失ったものと引き換えに与えられる何か、ということではなく。「失う」こと自体に「生まれている」ものがあるということ。そして、本当はもう既に「得ている」のに、自分がただ気が付いていないだけだということ。

もちろん以前とまったく同じ時間や幸せは決して帰ってはこないし、「失った」直後には、痛みや苦しみ、悔恨の思いや悲しみなどの感情が重く圧し掛かり、そこから抜け出すこと、忘れること、立ち上がることで精一杯なはずですが・・・それでも、この映画を観ていると、そこから何かが「生まれている」のが感じられるのです。・・・私にとってこの映画は、"救い"と"覚悟"でした。

何もかも目出度い大団円を迎える類の映画ではありませんが、大胆な筋書きの中、最後の最後まで地に足のついた人間の描き方と、人間の繊細さや力強さを感じさせてくれる丁寧な描写がとても好きな作品でした。






因みに大企業のCEOヨルゲンを演じたロルフ・ラッセゴード。

・・・どこかで観たことがある!と思っていたら、昔レビューを書いた1998年のスウェーデン映画『太陽の誘い』(1998年)に主演していたRolf Lassgrdでした(日本語表記では現在「ラッセゴード」もしくは「ラッスゴル」と表記にバラツキがあり、きちんと統一されていないようです)。印象的で力強く、またとても味わい深い演技をされる俳優さんです。

この作品の監督でデンマーク出身のスザンネ・ビア(『未来を生きる君たちへ』が現在公開中)にしてもそうですが、残酷な現実を見つめ、人間への深い愛情を込めた良質の北欧映画が近年ますます注目されてきています。


【トーキョーノーザンライツフェスティバル2011】というサイトでは、今年2月に開催された「北欧映画祭」の上映作品が紹介されています。どれも北欧を代表する映画作品ばかりなのですが・・・そういえばどれも強烈なインパクトの作品ばかりだった!ということにも気付かされました(←トラウマになりそうな作品が多すぎるんですよねぇ)。うーん、これからも時間の許す限り、心して北欧映画と向き合っていきたいと思います!そのためには、相当な精神的タフさも必要となりそうですが・・・(笑)。


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  2011/08/30 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『ある結婚の風景』(TV放映版)が、待望のBlu-ray&DVD化!

   ↑  2011/02/25 (金)  カテゴリー: 映画いろいろ・・・





ある結婚の風景 オリジナル版 【HDマスター】 [Blu-ray/洋画/ドラマ/30%OFF][あす楽対応]


スウェーデン映画の巨匠イングマール・ベルイマンが制作し、当時離婚が急増した原因ともいわれる社会現象を巻き起こしたTVドラマ『ある結婚の風景』。

なんと、オリジナル版 HDマスター ブルーレイ&DVD化されるとのことです(2011年4月22日発売予定)。別に私はIVCの広報担当者ではありませんが、キネマ旬報の「2010ベストテン号」を開いた瞬間、その広告を見て驚きのあまりひぇーっと仰け反ってしまったので思わず掲載させていただきました。

というのも、ちょうど最近、同じベルイマン監督でこの『ある結婚の風景』の30年後を描いた映画『サラバンド』と、もう一つ『秋のソナタ』(ヨン様じゃないです)をやっとの思いで観終えたところだったのです。夫婦や親子などの、息が詰まるほど濃密で辛辣で正直な人間関係を「これでもか!」といわんばかりに展開するベルイマンのこの二作。怖いもの見たさで思わず観てしまったんですよねぇ・・・。こんな酸素不足の状態でクッキリ綺麗なHDマスター版なんか観た日にはもう、本当に眩暈をおこしてしまいそうです。

『サラバンド』と『秋のソナタ』のレビューは、また後ほど酸素が行き渡ってから書こうと思います。今はほんと、クラクラです~


『サラバンド』 (2003/スウェーデン)    『ある結婚の風景』 (1974/スウェーデン)
『サラバンド』レビューはコチラから  『ある結婚の風景』レビューはコチラから




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  2011/02/25 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『ある結婚の風景』 (1974/スウェーデン)

   ↑  2010/09/12 (日)  カテゴリー: シリアス、社会派
いやぁー、映画レビューがバンバン詰まっております。怠けなければよかった・・・。8月分をたたっと書いていきます。追いつくかな。
まずは、夏バテで映画を観る気力がなくなった時の(得意の)逃げの一手=「ドラマ鑑賞」を盛大に行っておりました。『BONES』と『Dr.HOUSE』。それとイングマール・ベルイマン監督の『ある結婚の風景』。







ある結婚の風景【Blu-ray】 [ リヴ・ウルマン ]


●原題:Scener ur ett äktenskap / SCENES FROM A MARRIAGE
●監督:イングマール・ベルイマン
●出演:リヴ・ウルマン、エルランド・ヨセフソン、ビビ・アンデショーン、ヤン・マルムショ 他
●当初スウェーデン国営放送のもとで各50分6エピソード全5時間のTVシリーズとして企画・製作されたもの。幸福な結婚生活を続けていたヨハンとマリアンヌは、地元新聞社からの取材に応え、模範的夫婦について語る。しかし、それが活字になってみると、まるで空虚でつまらぬモノに感じられ、それ以来、二人の間にはすきま風が吹き、論争の嵐が起こるのだが・・・。(allcinemaより一部抜粋)


かなり壮絶な夫婦の危機を描いておきながら、最後に「それでは○△の風景を見ながらスタッフの紹介です」なんてポーイ!と物語を放ってしまうところが可笑しい。「覗き見してたでしょ」といきなり突き放されたようでドッキリしてしまうエンドロール。私のお気に入りとなりました。




【第1話、第2話】

人間、言葉に出して話さなければ理解し合うことは難しくなるが、逆に話しすぎても余計溝が深くなってただただ混迷していくことにもなる。相手を理解したくて話しているのではなく、自分の孤独を埋めたくて言葉を放っていると、それは何も生み出さないどころか、かえって相手を翻弄してその関係を破綻させることになったりする。

「わかってもらいたい」「わかってもらえるんじゃないか」という期待は、相手に押しつけるものではない。放った言葉は戻ってはこない。自分以外の人間との溝を知ること。言葉を過信してもいけないし、疎かにしてもいけない。夫と話し合いたがる妻マリアンヌに対して思ったこと。




【第3話、第4話】

第三話で夫が浮気をし、すがる妻を振り払って出ていくが、続く第四話では愛人と半年で別れた夫が、今度は妻に離婚を突き付けられるという展開に。・・・こんな風に書くとなんだかドロドロの昼ドラみたい!

「孤独」が「依存」生み、それが「所有欲」や「嫉妬」をはらんで「自由」へと手を伸ばそうとする。第四話は、これらの感情が行ったり来たり。マリアンヌの少女時代からの写真とともに読み上げられる切ない本音が印象的だった。・・・にも関わらず、ちょっと退屈で思わず眠ってしまったヨハン(夫)と一緒に私もやっぱり寝てしまいました。。。。




【第5話、第6話(最終話)】

離婚に向けて生き生きとしてきたマリアンと、人生の足場を失った夫が実に対照的。しかし、ただではすまさないのがベルイマン監督。行き来する感情の増幅が振り切れそうになるその瞬間、マリアンが叫んだ後の二人の本音剥き出し&地獄の如き怒涛の応酬が恐ろしすぎる。体当たりの愛憎劇、よくもここまで踏み込んでいったものだ。ここまでやると清々しささえ感じてしまう自分がコワイ。

そして最終話。第一話からインタビュアーやら友人やら外野の人々が色々と出ていたのに、夫婦関係が悪化していくほど、まるでギューっとフォーカスを絞るように閉塞感で息詰まる二人だけの世界が描かれてきたけれど、最終話では急に解き放たれたように母親、友人、愛人と出てくる(撮影も屋外だし)。それは、本当に二人が互いの呪縛から解放された証。ここまで言い合って、やっと対等に優しさを与え合えるようになるなんて・・・。あぁ、人間死ぬ気で向き合えば怖いものナシですね。




人間の欲望や弱さ、身勝手さ、薄情さなんかをここまで不躾にぶつけ合える相手がいるということは、実はものすごく幸福な二人だったのではないかとも思えますが・・・。この壮絶なる愛憎の関係は、この後2003年にベルイマン監督により制作された続編のスウェーデン映画『サラバンド』に引き継がれていくのです。息苦しいまでのこの濃密さに、きっと目が離せなくなります・・・・

  『サラバンド』 (2003/スウェーデン)
『サラバンド』レビューはコチラから


ある結婚の風景@映画生活




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  2010/09/12 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit
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