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『ポルノグラフィックな関係』 (1999/ベルギー、フランス、ルクセンブルグ、スイス)

   ↑  2016/02/19 (金)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ





ポルノグラフィックな関係 [DVD]


●原題:UNE LIAISON PORNOGRAPHIQUE
●監督:フレデリック・フォンテーヌ
●出演:ナタリー・バイ、セルジ・ロペス、ポール・パヴェル、ジャック・ヴィアラ 他
●男と女は、互いの性的ファンタジーを分かち合おうと決めた。女は、パートナー募集の広告にこたえてやって来た男とホテルで一夜を共にして以来、毎週木曜に同じ部屋で二人は身体を重ねる。プライベートなことは聞かないことが暗黙の了解だったが、関係を続けていくうちに二人は・・・。



久々に【オトナ】な映画を。
2008年以前に観た作品なのでレビューをカットしていたのですが、今回再アップのために再見してみました。

前回観た時も「この映画、好きだな」と思っていたのですが、あれから私も年齢を重ねたからなのかな、さらに味わい深く感じました。出会いから別れまで、しっとりとした大人の恋の切なさが残る物語です。タイトルはやたら刺激的ですけどね。





私たちはプライベートには干渉しない、バックグラウンドも語らないと言いながらも、関係を続ける2人の間には微妙な感情が生まれてしまうんですね。不意を衝かれたように、予期せぬところで湧き上がる感情。


そりゃそうでしょう、ただの会話にしろフィジカルな関係にしろ、それは相手の反応があってこそのやり取りですからね。互いの感情に影響を及ぼし合うことは避けられないのでしょう。

"彼女"が泣いたのは、身体だけだと思っていた行為の中に愛情を見つけてしまったから。"彼"が涙を流したのは、そんな彼女の告白に心が満ちて自分の居場所を感じたから。

結局2人はすれ違っていくのだけれど、でも、分をわきまえた「大人」というのは、ヒリヒリとした愛を抱えていてもそれを相手に押しつけたり、相手のせいにしたりはしないものですね。「私たちは終わったのよ」「もう終わったんだ」とそれぞれ口にするのですが、それは身体いっぱいに相手を求め、心から愛した結果。そして、悲しみも孤独もすべて自分の中で引き受けて、その痛みすら糧にしてしまう。・・・こういう恋愛観、好きだなぁ。





恋愛における一瞬の輝きを、一生続くかのように描くことをしないこの映画は正直です。
そのラスト5分が私を惹きつけて止みません。人生を自分の足で踏み分けて歩いてきた大人の愛を見せつけてくれるからです。


“私が『ポルノグラフィックな関係』で演じた役は「Elle(=彼女)」という名前です。それ以上のことを私は知りませんでした…。家族構成や、職業、社会的地位、名前もわかりませんでした。でも、ダイアローグとそれぞれの場面のもつ力のおかげで、私は私が演じてきた女性の中でも、彼女が最も気に入っていて、最もよく知っている女性だと感じています。本当のところ、私に与えられた最も美しい役なのです。” 
ナタリー・バイ
アンスティチュ・フランセ東京 ナタリー・バイ特集『ポルノグラフィックな関係』

ナタリー・バイの2パターンあるメイクやファッションも、女性の"本質"が垣間見えてハッとさせられます。上質な大人の恋愛映画。おすすめです。


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  2016/02/19 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『その男 ヴァン・ダム』 (2008/ベルギー、ルクセンブルク、フランス)

   ↑  2012/07/14 (土)  カテゴリー: アクション、パニック





★【送料無料】 DVD/洋画/その男ヴァン・ダム スペシャル・エディション


●原題:JCVD
●監督: マブルク・エル・メクリ
●出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、フランソワ・ダミアン、ジヌディーヌ・スアレム、カリム・ベルカドラ、ジャン=フランソワ・ウォルフ、アンヌ・パウリスヴィック、サスキア・フランダース、ディーン・グレゴリー 他
●90年代を席巻したハリウッドが誇る最強のアクション・スター、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、48歳。ジョン・ウーをハリウッドに招き、アクション映画の革命を起こした男。しかし、21世紀、そのスタイルは既に時代遅れ、ビデオストレート作品が続いてギャラは急降下。復活を期した作品は主演をセガールに奪われ、最愛の娘にも嫌われ、銀行口座は底をつく、挙句の果てに、たまたま立ち寄った地元の郵便局で強盗犯に誤認されてしまい・・・。



【DVD】ユニバーサル・ソルジャー 【DVD】ユニバーサル・ソルジャー ザ・リターン
その昔、試写会へよく行っていた時のこと。
新作映画の試写会というのは配給会社も話題作りに必死なので色々と趣向を凝らした上映会が多くて楽しいものですが、『ユニバーサル・ソルジャー ザ・リターン』の時はちょっと雰囲気が違いました。"特別上映"ということでナント元祖『ユニバーサル・ソルジャー』も当時上映されたのですが・・・・これはもう明らかに「2」だけでは間が持たないと判断されてしまったのがアリアリと伝わってくるような盛り下がり具合・・・。無言で次々と会場をあとにする人々の、あの妙に静か過ぎる雰囲気を今でもハッキリ覚えています。あんな悲しい試写会は、そうあることじゃありませんので。



そんな悲しいヴァン・ダム様ですが、私この『その男 ヴァン・ダム』すごーく好きでした。たぶんナンダカンダで3回は観ているはず!体力的にいっぱいいっぱいそうなヴァンダム父ちゃんが「頑張ってるな!」という長回しワンショットのオープニングにまず惹き込まれます。でもこのシーン、やっぱり一番最後に撮影されたものだそうです。ヴァンダム様にとっては結構ムチャアクションの連続ですから、ケガされたら他のシーン撮影に響きますもんね。映画の内容と被るようで、それを思って観るとちょっと物悲しい気分にもなりますね・・・


映画に登場してくるファンの言う言葉がいちいち合っていて、悲しいかな笑えてしまう。「アクション俳優」として旬を過ぎ、私生活もいっぱいいっぱい。でもファンには愛される不器用すぎるヴァンダム像に泣かされる。"ヴァン・ダム好き"でなくても、"映画好き"なら思わず心から応援したくなってしまいそうな俳優の姿がここにあります(ま、あくまでイメージ)。

時系列を入れ替えてみたり、ヴァンダムの心象風景や派手な銃撃戦を入れたり。また、郵便局やそこに集まる野次馬群衆シーンは、まるでシドニー・ルメット監督の75年作品『狼たちの午後』を観ているかのよう(主犯役のヘアスタイルもそのまんま!)。96分でよくまとめてあるなぁ。毎度感心してしまいます。


哀愁、不運、虚構と現実、ヴァンダム自身の本音や叫びを見ているような演技は、捨て身や自虐ネタなんていう言葉を通り越して"ドキュメンタリーなのか?"と思ってしまうほど。あの6分間の独白シーンはヴァンダム自身の完全アドリブで、監督以外の誰にも知られることも見られることもなく撮影したのだそう。映画という虚構に現実が入り込んだこの奇跡的な数分が、この映画を血の通った、シッカリと心のこもった作品に仕上げたのだと思う。そして、画面がふっと消えるあのラストの表情・・・こんなにも哀愁を帯びた燻し銀の演技、なかなか観られるものじゃないと思います。この映画、やっぱり私のお気に入りの作品です。

その男 ヴァン・ダム@映画生活




・・・というわけで。

話は自然に『エクスペンダブルズ2』になるわけです。あれだけ「メジャー映画に出たい!!」と叫んでたヴァン・ダム様でしたからね!!!
『エクスペンダブルズ2』公式サイト
「冷酷非情、残忍無比にして頭脳明晰、最強の戦闘能力も有する犯罪武装集団のリーダー。エクスペンダブルズ結成以来最大最悪の敵」という、かなりビッグな役をゲットしたヴァンダム様(右から三番目)。2012年10月公開ということで、久々に劇場公開のスクリーンでヴァンダム様を見られるチャンスかも!!こういう「お祭り映画」は、やっぱり映画館でドカンドカン観てみたいなぁ~。なんてったって「1」の方はDVD観ながらウトウトしちゃったので(笑)。



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  2012/07/14 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『やわらかい手』 (2007年/ベルギー、ルクセンブルク、イギリス、ドイツ、フランス)

   ↑  2011/06/11 (土)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ


【送料無料】やわらかい手 スペシャル・エディション/マリアンヌ・フェイスフル[DVD]


●原題:IRINA PALM
●監督:サム・ガルバルスキ
●出演:マリアンヌ・フェイスフル、ミキ・マノイロヴィッチ、ケヴィン・ビショップ、シヴォーン・ヒューレット、ドルカ・グリルシュ、ジェニー・アガター、コーリー・バーク 他
●ロンドン郊外で平凡な人生を送ってきた主婦マギーは、最愛の孫の手術費用の工面に奔走していた。ローンも借りられず、仕事も見つからない。絶望の中ふらふらと迷い込んだのは歓楽街のソーホー地区。偶然目にした「接客係募集・高給」の貼り紙に思わず飛びついて面接に行ったものの、なんとそこは性風俗店だった。驚きあわてて逃げ出すマギー。だが、残された道はない。覚悟を決めたマギーは「手」を使う仕事を始めることになるのだが・・・。



手というのは、その人自身をよく表すものかもしれません。
ゴツゴツとした働き者の手、手指に構っていられなくてパサパサした味気ない手、仕事で使う薬品にまけてしまった手、料理や水仕事を避けた生活をしている手、美容や化粧品は気にかけても年齢は誤魔化せない手。


映画の冒頭でマギーの息子やそのお嫁さんと上手くいっていない様子がアリアリと伝わってくるものの、それを耐えて難病に苦しむ孫のために懸命に尽くす姿などはまるで一昔前の日本女性のようでもあり、そんな彼女の生き方に切ない思いがしました。だからこそ、夫を亡くした後も慎ましく暮らしてきたマギーが「やわらかい手」をしていたのは、きっと彼女が自分自身にも周囲の人にも、丁寧に丁寧に生きてきたからなんだろうなぁ・・・。

セクシュアリティから最も遠い存在のような"おばあちゃん"の手が「ゴッドハンド」に変身して、性風俗店のナンバー1の売れっ子になってしまう・・・・こんなプロットだけを見ると、一歩間違えればどぎついブラックジョークか滑稽な(あるいは悲愴な)話になりそうなものですが、それが一人の女性の「心の旅」を映し出す、しっとりと優しく温かなヒューマンドラマに仕上がっているところが何とも言えず味わい深いのです。


「仕事場」に、家から持ってきた小さな額縁の絵を飾って少しでも和んでみたり、お弁当と水筒を持ってくる堅実なマギー。泣かせるやら笑っていいのやら・・・懸命に「仕事」をこなす彼女の誠実な人となりに惹かれるところでもあります。



そして、息子夫婦や孫に対する献身的、自己犠牲的ともいえる決死の思いで始めたマギーのこの「仕事」は、だんだんと彼女の「手」の人気が高まるに連れて彼女自身にも少しずつ新たな変化をもたらし始めるのです。


ひとつは、この店の店長ミキとの淡い心の通い合い。
ミキは東欧からの移民でもあり、忍び寄る老いや孤独の影を持つ二人は次第に距離を縮めていきます。はじめは孫息子の手術資金を工面ができたら仕事をやめる約束でしたが、ゆっくりと、ゆっくりとしたマギーの歩調のように、仕事の内容とは対照的に互いを思いやるようなプラトニックな(・・・まぁ"お試し"はあるんですが 笑)関係へと・・・。この映画の内容にして、ハートフルなラブロマンスとは・・・素敵です!

そして、もう一つは周囲の不躾な詮索にめげることのないマギーの姿勢。
噂もすぐ広まるような小さなコミュニティで、自分たちの価値観と合わない人間を徹底的に攻撃して排除しようとする女性たちを相手に、堂々と振舞うラストの彼女の姿には胸のすく思いがします。あらゆることを内に秘め、じっと耐えて生きてきたマギーが切る啖呵は、何よりも真実味がある強烈なパンチなのですから。そして、この開き直ったオンナの強さは、息子のお嫁さんにもきちんと通じるもの。つまり、この映画で最も甲斐性がなくて情けないマギーの息子が、一番悲惨な思いをするのです。良い映画だなぁ(笑)。まぁ、男の人にとってはやはり"衝撃の体験"ですもんね。




で、おばあちゃん、おばあちゃんと書いてしまいましたが、おばあちゃんだって若い頃はこんなに美しかったわけで。ミック・ジャガーの恋人として世の男性たちを魅了し、アラン・ドロンの『あの胸にもういちど』では儚げでセクシーなバイカーを演じて人々の目を釘付けにし、ヤク中・アル中・自殺未遂と波乱万丈の人生を送ったおばあちゃんは、あのマリアンヌ・フェイスフルだったわけで。

この映画が、どこか心の深いところにある女性の繊細な思いを映し出すことに成功しているのならば、それはきっと、彼女がこれまで背負ってきた人生の重みや痛み、或いは失ったものまでもを表現してくれているからかもしれません。マリアンヌ・フェイスフルだったからこそ完結できた映画なのかもしれません。すごいことですね。

やわらかい手@映画生活



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  2011/06/11 | Comment (1) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『トト・ザ・ヒーロー』 (1991/ベルギー、フランス、ドイツ)

   ↑  2011/04/24 (日)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ





【DVD】トト・ザ・ヒーローミシェル・ブーケ [ACBF-90855]


●原題:TOTO LE HEROS
●監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
●出演:ミシェル・ブーケ、トマ・ゴデ、クラウス・シンドラー、サンドリーヌ・ブランク、ミレーユ・ペリエ 他
●ベルギー出身の新人J・V・ドルマルが、1991年カンヌ映画祭でカメラドールを受賞し、センセーショナルなデビューを飾った初監督作品。とある老人ホームの一室。トマ老人は自分の生涯をふり返りながら“復讐“を決意する。少年時代、大好きだったパパと愛する姉アリスの悲しい死。青年時代、アリスの面影を漂わせた人妻エヴリーヌとの悲しい恋。“それもこれもみんな隣家の息子アルフレッドのせいだ“。そう思い続けて生きてきたトマ。そして彼はピストルを手に、アルフレッドの家へと向かうのだった・・・。



日本ではDVD化されていないので以前からなんとなく探していた一本なのですが、某大手レンタルショップでやっと見つけましたよ、VHSテープ。聞いてみるもんですね。
■2012年11月16日追記■
(※2012年10月26日よりDVDが発売されました。この復刻にて2012年12月7日からはTSUTAYA店頭の発掘良品コーナーにも並ぶそうです)

※以下ラストに触れています。ラストが冒頭にくる映画構成ですが、未見の方、これから鑑賞予定で詳細を好まれない方は、閲覧をお控えいただくことをおすすめします。




いろいろ映画を観続けていると、自分が感じた思いと世間との評判とがあまりに異なる時があって、ほとんどの場合「おぉ、そういう見方があったのか!」と感動したり自分の見聞の狭さを嘆いたりするものですが、今回ばかりはちょっと落ち込みました。というのも、どのレビューサイトを見て回っても「感動した」「泣いた」「こんな優しい映画はない」という絶賛の嵐だったのです。が、(・・・ここで正直に書きますが) 私はそんな甘い感情を露とも感じることが出来なかったのです。


勿論それは、この映画を大切に思っている人や、その気持ちを否定するものなんかじゃありません。私はただ、現状を否定し続け、人を羨み、妬み、憎み続けることを生きる糧にしてきた主人公トマに、どうしても心を寄せることが出来ず辛かったのです。そして、そういった彼の根幹を覆すほどの「人生の決着」を「死で完結させる」という出来事は、私にとっては冗談じゃない!という遣り切れない思いでいっぱいにさせるものでした。

それでふと思ったんですよね。

そういう「弱さ」・・・すべてを受け止められるような「優しさ」こそが、私には欠けているのではないのか、と。強さや理想論ばかりを追いかけられない人間もいることを感受できないほど、私は心根が曲がっていて、どこかで人を突っぱねているのかもしれないなぁ、あぁみんな優しいのだなぁ・・・と。まぁ、映画の登場人物に対してそうムキになることもないかな、とか。とにかく、この映画の素晴らしさというものを私が掬い取りきれなかったのは、本心から言っても残念でした。たぶん、見るべき点がきっとズレてしまったのだと思います(映画にしても現実世界にしてもそうですが、何が幸か不幸かは他人が決めることではないですしね)。

この映画で際立っているのは、女たちの方が余程強いということ。
姉のアリスは、トマへの愛の証に火を放つ。母親は、食べるために肉の血を流す。アリスの面影を残すエヴリーヌは、トマに会えずにいた後も再婚して立派に年老いている。同情すらもかなぐり捨てて言ってしまえば、自分勝手に積み上げてきた「都合」で死ぬことは決着ではないと思っているし、それが美しいとも思わない。トマの行為がもし「誰かのために死ぬ」ということを指しているのなら、死ぬ前にやるべきこと、伝えるべきことが沢山あったはずだと思ってしまうんです。たとえ、トマがアルフレッドになり替わることを切望していたのだとしても。・・・厳しい見方なんだろうな。


家族が幸せだった時代。アリスとの甘い記憶。エヴリーヌと愛し合った思い出。大切に抱いて歩いていけるチャンスは余りあるほどあったはずなのに。

私はトマに生きてほしかった。アルフレッドと語り合ってほしかった。そうすれば、もっと高く飛べたはずなのに。愛する人、愛してくれた人たちにもっと近づけたはずなのに。光が降り注ぐ美しい花々の上を憧れの飛行機で駆け抜けることは、「死」で可能になるわけじゃない。

・・・ただ一方では、そういう生き方を望んだんじゃない、そういう理想論だけじゃないとは頭ではわかってはいるつもりなのだけれど。だけれど、それでもやはり、目の前にあったはずの沢山の愛をトマに見せてあげたかったなと思う。でもそれはきっと、苦難との格闘の上、終焉の幕下で安堵の思いに横たわる人を叩き起こすような行為なんだろうな。

で、そんなことをグルグルと考えていたら、自分が「絶対に諦めるなー!」と叫んでいる松岡修造のようにも思えてきました。もちろん修造は、こんな人生は望んではいないだろうけれど、でもこの映画を観たら何を思うだろうか。私と同じように「トマ、だめだ!生きるんだ!人生はまだまだ捨てたもんじゃない!捨てちゃだめなんだ!生きるんだー!」と叫んでくれたら、私は嬉しいな。

トト・ザ・ヒーロー@映画生活




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  2011/04/24 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

ベルギー映画 『エブリバディ・フェイマス!』 が歌い上げていたもの

   ↑  2010/07/10 (土)  カテゴリー: 映画いろいろ・・・
先月のことになりますが、ベルギー下院選挙の結果が日本でも報じられていました。

ベルギーは連邦政府の下に北部フランダース地方(オランダ語圏)、南部ワロニア地方(フランス語・ドイツ語圏)、そして仏蘭二言語をとるブリュッセルと、各三地域に政府がある国家です。この地方政府は経済・雇用などを担当し、またこれとは別に教育や文化などを管轄する言語別の共同体政府も存在するという特殊な形態をとっています。



そして、過去・現在における言語的・民族的な問題に加え、昔は農村地帯であったけれども経済的に発展を遂げた豊かな北部と、昔は石炭業で潤っていたけれども産業の衰退により近年では失業率の高い南部、という経済格差が顕著になってきています。

そのため、高額な社会保障費がかかる南部を切り離して北部オランダ語圏を独立させようとしている民族主義派政党「新フラームス同盟」が、人々の声に後押しされて今回の選挙で下院第一党となった・・・というわけです。




それですぐに思い浮かんだのが、以前、何の気なしに観たコメディ映画『エブリバディ・フェイマス!』(2000/ベルギー・フランス・オランダ)でした。



工場が不況で倒産して先の見えない生活に追い込まれようとも、家族や同僚に白い目で見られようとも全くめげることもなく、一人娘マルヴァの歌手デビューを夢見るあまりとんでもない事件を巻き起こしてくれるお父ちゃん。

彼は、フラマン人であることを誇りに思い、フラマン語で歌うことに熱い情熱を持っています。なので、マルヴァちゃんが出場している「のど自慢大会(?)」で「陽気な南部人」が優勝すると非常~に不愉快極まりなくなってしまうんですね。うーん、わかりやすい!

もともと北部のフランマン人(もしくはフラマン語を話す人々)は、貧しい農村生活から脱出するために石炭業で沸く南部へと出稼ぎに出るなど、南部フランス語圏に経済的にも言語的にも圧されていた歴史があります。その反発から、フラマン人としてのアイデンティティを強調することに繋がったのかもしれません。

 貧しい生まれの男だった
 まともな道には見放され
 生きる道は決まっていた
 さえない人生を
 だが挫けることなく希望を燃やし続ける
 運命なんてほんの一部 
 自分で道を切りひらけ
 ラッキー・マヌエロ
 幸せと権利を闘い取った男

 (映画字幕 寺尾次郎訳より)

マルヴアちゃんが歌い上げる歌詞の一部ですが、これはお父ちゃんの人生とともに、フラマン人の歴史も込められているのでしょう。






この熱い魂に触れた人々は、酒場にいる同僚であろうと現場にいる警察官であろうと、拍手喝采で盛り上がり!そしてなんとビートルズを超えた大ヒット(笑)となり、ラストでは「フラマン人にとって素晴らしい一日」とニュースで読まれる日がやってくるのです。

ヨーロッパを【統合】するEU本部が置かれているブリュッセル。
その南北が今まさに【分裂】の危機を抱えているなんて、本当に皮肉なものです。
今度は南部から見たベルギー映画、観てみたいなぁ。


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  2010/07/10 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit
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