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【アメリカ映画】を、今日はがんばってまとめて3本

   ↑  2017/07/09 (日)  カテゴリー: コメディ
「ハクソー・リッジ」公式サイト
手や足や頭がバンバン吹っ飛んで、腸はぐちゃぐちゃでカメラに血飛沫は飛んできて、ドンドンバンバン1時間近い戦場の中に容赦なく放り込んでくるメルギブの戦争(というか宗教)映画『ハクソー・リッジ』、先週・先々週と合わせて2回も観てきました。


いやー、2回目にもなりますと映像的な刺激よりも"ドラマ"として落ち着いて観ることができました。色々と考えることもできましたねー。



というより、なんで2回も観ることになったかと言えばですよ。

実は【映画観賞券】が2枚当たったので、一枚は映画好きの親にあげよう!と思っていたのですが「わざわざ映画館に行ってまで血圧が上がるような思いはしたくないし」とアッサリ却下。えー、でもだからと言って私は昔から「映画は(頑ななまでに)一人で観る派」なので誰かと一緒に観るのはイヤなのです。

じゃあこの一枚は誰かにあげるしかないんだけど・・・・いや映画好きの友人なんて周りに一人もいないわ、「え、これどうする」→「2回観るでしょ」と。

感想、また少しずつ書いていこうと思います。








『摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に』 (1986/アメリカ)



●原題:THE SECRET OF MY SUCCESS
●監督:ハーバート・ロス
●出演:マイケル・J・フォックス、ヘレン・スレイター、リチャード・ジョーダン、マーガレット・ホイットン 他
●カンサスからニューヨークへ、就職にやってきた青年。だがどこの会社も未経験者を雇おうとはしない。そこで、遠い親戚が社長をしている大会社に"メール・ボーイ"として潜り込む。彼は大企業特有の連絡の悪さに目を付け、こっそりと自分の部屋を確保。重役のフリをするが・・・。




1980年代の映画には『ワーキング・ガール』とか『大逆転』系の「リッチって最高!」「目指せ!最上階の部屋」「お金持ち万歳!」なんていう映画がけっこうありましたね。お金を持っている=幸せ、みたいな非常に分かりやすい夢とか欲が表れていて、今思うとめちゃくちゃピュアに思います。

田舎の青年がビジネス界でのし上がっていくサクセス・ストーリーをマイケル・J・フォックスお得意のドタバタで楽しく描いたものですが、「金儲けが人生の幸せ」という拝金主義の大学生を『ファミリー・タイズ』で演じたマイケルが懐かしく重なって楽しく観られました。で、なぜかこの作品、"観ていたつもり"になっていたんですよね。どうしてかな?と思っていたら、あの有名なエレベーターの中での早着替え&裸ネクタイのシーンって、この映画だったのか!とちょっと感動(そこかい)。






『ターミネーター:新起動/ジェニシス』 (2015/アメリカ)





●原題:TERMINATOR: GENISYS
●監督:アラン・テイラー
●出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイソン・クラーク、エミリア・クラーク、ジェイ・コートニー、イ・ビョンホン、J・K・シモンズ 他
●2029年、ロサンゼルスでは人類抵抗軍が人工知能による機械軍との戦いに終止符を打とうとしていた。1997年、機械軍による核ミサイルで30億人もの命が奪われた“審判の日”以来の悲願がかなうときが目前に迫る。一方機械軍は、抵抗軍のリーダーであり、驚異的な力を持つ予言者ことジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)を生んだ母サラ・コナーを亡き者にすべく、1984年にターミネーターを送り込み・・・。




いや~、実にいいものを見せていただきました。あれもこれも繋がって、もう懐かしすぎます。「ターミネーター」シリーズといえば、3&4は映画館で一度ずつ観たきりですが、1&2に関しては「日曜洋画劇場」やら「金曜ロードショー」など子どもの頃からTVで何度も何度も目にしてきた作品ですので、やっぱり思い入れもあって感想も甘々です(笑)。

素っ裸のシュワちゃん登場シーンとか、あぁコレやっぱり映画館で観たかったですよ。トシをとったT-800シュワちゃんのぎこちない笑顔とか。私にとっては正統派ともいえるターミネーターの世界観に入れただけでもう十分でした。お金をた~っぷりかけた贅沢な娯楽作品とはこのことですね。






『キアヌ』 (2016/アメリカ)





●原題:KEANU
●監督:ピーター・アテンチオ
●出演:キーガン=マイケル・キー、ジョーダン・ピール、メソッド・マン、ティファニー・ハディッシュ 他
●声の出演:キアヌ・リーヴス
●クラレンスとレルは、都会に暮らす全然イケてない従兄弟どうし。ある日、レルの可愛がっていた子猫のキアヌが誘拐されてしまう。愛猫を取り返そうと、真面目な2人がなんと冷酷な殺し屋に成りすまし、街のギャング一味に潜入するハメになるのだったが・・・。




殺し屋に間違えられたオッサン二人組が、ハッタリをかましながら子猫のキアヌちゃん奪還を目指す!というコメディ映画なんですが、主演のコメディアン「キー&ピール」の2人組が得意としているという"人種差別ネタ"が、「映画でよく見るアフリカ系アメリカ人のあるある」として散りばめられていて素直に笑えました。

"所謂アフリカ系"に見せるために、「Fワード」をやたらに入れて喋ってみたり「ヘイ、メーン!」みたいな発音でキメてるつもりになってみたり(笑)。ワイルドに見せるためにシャツのボタンを外して、ズボンを腰パン風にしてみたり(絶対違うんだけど笑)。「ジョージ・マイケルって最高じゃん!!」のところは、笑いポイントなんでしょうけれど、彼のいなくなった世界を思うとちょっとここ泣けます。

以前マシ・オカさんが「ギフテッドとしてTIMEの表紙を飾ったことがあるんですよね」という話題になった時に「アジア系が足りないっていうから連れてこさせられたんだよ」って自身で笑いをとっていましたが、人種問題を扱ったネタって当の本人がその社会をよく知っているからこそ出来ることですね。客観視できるからこそ、の笑いなんだろうな。




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  2017/07/09 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

縦列駐車とシチューと 『しあわせへのまわり道』 (2014/アメリカ)

   ↑  2016/07/12 (火)  カテゴリー: コメディ






しあわせへのまわり道 [Blu-ray]


●原題:LEARNING TO DRIVE
●監督:イザベル・コイシェ
●出演:パトリシア・クラークソン、ベン・キングズレー、ジェイク・ウェバー、グレイス・ガマー、サリタ・チョウドリー 他
●マンハッタンに暮らす売れっ子書評家ウェンディ。順風満帆な人生を歩んでいた彼女だったが、ある日突然、21年連れ添った夫との結婚生活が破綻してしまう。すると、これまで夫に運転を任せきりで免許も持っていないウェンディは、離れて暮らす娘に会いに行くこともできないことに気づく。そこで、タクシー運転手をしながら副業で自動車教習の教官もしているインド人ダルワーンの個人レッスンを受けることに。夫への怒りと離婚のショックでなかなか運転に集中できないウェンディだったが・・・。





全力で逃げ出したくなるようなベタベタな邦題がつけられていますが、車の運転だけでなく人生も学んだというアラフィフ女性のお話ということで、髪を乾かしながらチラチラと観始めたはずが、いつの間にか体育座りになって見入ってしまった・・・・



アメリカ映画やドラマを観ていて薄々気が付いていたこと・・・そう、それは、米国で自動車運転免許を取るために"教習所"に通うシーンって見たことがない!

運転免許の取得方法や運転規則などは州によって多少異なるそうですが「筆記」→「仮免」取得の後は、路上で誰かと一緒に練習したり自動車学校のインストラクターにレッスンをお願いしたりして、最終テストには自分で車を用意して臨むんだそう。


そうか、アメリカって教習所内の練習ってないのね・・・・いきなり"路上"で走るだなんて、私なら確実に気絶している・・・・・・


いや、でも、本当に(笑)。



渋々車に乗り込んだ主人公が初めて運転席に座り、インド人インストラクターに言われるがまま「まずはシートベルト」「はい安全確認して」「左ウィンカー出して」(→ワイパー動く)、「ハンドルを左いっぱいにきって」「ギアを"D"に」「じゃアクセル踏んで」と言われ、生まれて初めて車を自分で動かすシーン。「・・・動いたわ」

で、いきなりブレーキ踏んで"I think I don't like this."って言っちゃうんです。だって怖いんですよ、自分が車を動かしたということが。そりゃもう解りすぎて、私も一緒に気が遠くなりましたもん。自分のことじゃないのにね(笑)。







離婚をきっかけに車の運転教習を受けるハメになった中年女性が、偶然出会ったインド人の教官(原作はフィリピン人インストラクター)との交流を通じて自らの人生を見つめ直していく姿を描いた、ちょっとビターなコメディドラマ。

この映画を観ていると、マンハッタンって、タクシーや地下鉄・バスなどが充実しているので、日常生活を送る上ではさほど車での移動って重要ではないのだろうなと思いました。

でもその"日常"をある日突然失ってしまった時、やっぱり困ってしまう。自分でやらなくちゃいけない!ということに気が付いて。


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正直に言うとね、この主人公ウェンディという女性にはあまり共感はできなかったんです。


夫の心が自分から離れていった理由がまったく理解できず、傷つけられた自分のことだけが可哀想で「私の何が悪かったの?」「どこがいけないの!?」と罵るだけ。苦虫を噛み潰したような表情で「夫は戻って来るわ」と過信できるほどのプライドの高さ。

しかも、路上教習中「考え事をしていた」とかで事故に遭いそうになること数回。

ちょっとね、ワタクシこの辺りでキレそうになりました。だってこれダメでしょ絶対!インド人インストラクター、ダルワーンの言葉じゃないですけれど「人生で何が起こっていようと、それを路上に持ちこんではダメだ」でしょう。






でも(だからこそ、かな?)、縦列駐車がうまくいかないウェンディに対して、ダルワーンがそれを"シチューの味付け"に例えてヒントを与えてくれた時。初めてウェンディが車の中で微笑んだシーンがとても印象的でした。


本当にさり気ないシークエンスなんだけれど、たぶんウェンディはこの時に自分の中で"カチ"っと当てはまる何かを見つけたんだろうなと思うんです。"言葉"を愛していたウェンディだからこそ、ダルワーンの言葉はちゃんと心に届いていたんでしょうね。


2人を取り巻く状況はそれぞれに切実ではあるものの、でもそれをことさらドラマチックにはせず、サラリと抑制を利かせて描いているところが好きでした。



そして、それは終幕にも・・・・



“Seatbelt first”
いつのときも繰り返し繰り返し耳にしていたダルワーンの言葉が、隣席から聞こえてくるようなラストシーン。車を運転する人なら、誰もが持っている瞬間なのかな。

ウェンディは一度"日常"を失って、そしてその失意の中から得た"日常"から再び離れることに。でも今度は、次の新しい一歩のために。

原作、監督、編集者が女性という作品ならではの繊細さと優しさがある一方で、どこかリアルなドライ感さえも感じさせる甘くはない物語。観終わった後は、これからやってくる夏の風を感じられるドライブに行きたくなるかも!




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因みに・・・
2002年7月22日にアメリカ「ザ・ニューヨーカー」誌に載せられたキャサ・ポリットのエッセイ『Learning to Drive ~A year of unexpected lessons.』が、この映画の原作となっています。

Learning to Drive ~A year of unexpected lessons. By Katha Pollitt【The New Yorker】

キャサが長年のパートナーと別れてから免許を取得するために車の運転を習ったこと、それが離別の痛手から回復する助けになったことなどの実体験が、軽妙なユーモアを交えて綴られています。因みに原作では"ビーフシチュー"が"味付け"になっています。


・・・ま、右左折のハンドル捌きで精いっぱいだった私からすると「全体をよく見て、予測して、観察が大事!それは人生と同じ!」とか言われても、ほほーぅそんな余裕なかったわい!とか思ってしまうんですけどね(笑)。



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最後に・・・
ベン・キングズレーの【エスニック・ルーツ】は、どの出演作でも最大限に活かされているのがわかりますね。彼のその幅の広い演技力には毎回脱帽です。


今回のインド人は勿論、アラブ人やフランス人、ロシア人や謎の外国人と何でもOK!キングズレーが登場すると画が引き締まります。今作は共演のパトリシア・クラークソンとの相乗効果で、品の良いオトナの映画に仕上がっていたと思います。



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  2016/07/12 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』 (2014/アメリカ)

   ↑  2016/01/19 (火)  カテゴリー: コメディ





シェフ 三ツ星フードトラック始めました


●原題:CHEF
●監督:ジョン・ファヴロー
●出演:ジョン・ファヴロー、ソフィア・ベルガラ、ジョン・レグイザモ、スカーレット・ヨハンソン、オリヴァー・プラット、ボビー・カナヴェイル、エムジェイ・アンソニー、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニー・Jr 他
●LA。一流レストランのシェフ、カールは大物料理評論家ラムジーの来店を受け、自分らしい料理で勝負に出たいと望むが、店のオーナーに命じられていつものメニューを提供。だがラムジーに酷評された上、彼にキレる様子の動画がSNSで拡散し、解雇される。故郷マイアミでカールはキューバサンドイッチの魅力を知り、フードトラックで売ることを決心。元妻との間の幼い息子パーシーらとトラックで移動販売をしながらLAに向かう。




次々と手際よく料理の下ごしらえをして、市場へ買い物に出て新鮮な食材を選び、スパイシーな燻製ソーセージ"アンドゥイユ"入りのサンドを子どもと一緒にバクバク食べる・・・・!


こーんな美味しそうなオープニングで見ないワケにはいかないでしょう!
昨年観た映画のレビューがまだまだ何本も残っているのですが、今年はこの映画でスタートすることに決めました。

だってね、主人公のシェフ カールは、一人息子のために完璧な【グリルチーズ・サンドイッチ】を作る人なんですよ。


バターをたーっぷり塗ったパンを熱々のオイルがひいてある鉄板の上で綺麗にトーストして、その上にチェダーやフォンティーナ、ゴーダなど3種類くらいのスライスチーズをのせ、こんがりキツネ色になったら2枚を重ねてぴったりサンド。で、再び外側にバターを塗って、チーズが中からジュワーっと溶け出してきたら出来上がり!・・・お、お腹すいた。

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』は、すごい量のチーズだとかベーコン、卵などがジュージュー焼ける良い音が立つ映画なので、ダイエット中の方とかGI値を気にしている人、空腹に耐えられない人などは絶対見ない方が身のためだと思います。







この映画は何がスゴイかっていうとね、悪い人が全然出てこないんです。

フードトラックという新事業を始めるにあたっても、資金繰りの心配なんて全然ない。主人公の周囲は気が良くて協力的で、忠誠心があって素敵な仲間たちばかり。ドン底に落ちたのもSNSのせいにはしているけれど、それだってビッグチャンスになるのが今の世の中。ストーリーは超王道ド真ん中です。

ま、ちょっと気が立っている時なら「人生こんな甘かないわ!ウガー!」と上出来人生に文句の一つでも言いたくなるものですが、今の私は違う。ちょうど"菩薩の心"に達したところなので「いいじゃないいいじゃない。こんな美味しくて幸せな人生もありじゃな~い」なんて軽くかわしてしまった。


だって元嫁は別れても主人公のことをすごく心配している超美人のキャリアウーマンで、しかもリッチ。恋人はやたらセクシーで、主人公の作る料理にメロメロ。皆、このおじさんに胃袋を掴まれたんですよ、きっと。


熱々のオリーブオイル&ニンニクでたっぷり香り付けをして、岩塩、赤唐辛子、黒こしょう、刻み立てのパセリ、レモンとパルメザンチーズを加えた「Spaghetti Aglio E Olio」。そう、ペペロンチーノですね。

↑これをただ食べるだけのために美脚も露わで妖艶なスカヨハのシークエンスが用意されているくらいですからね、もうなによ、メタボの主人公モテモテですやん。






ま、それもそのはずで、この映画の主演・脚本・監督・製作を務めたのは「アイアンマン」シリーズのジョン・ファヴロー。
主人公のモデルは、「アイアンマン」シリーズが大ヒットしたため、映画評論家やマスコミから流行監督の地位に甘んじているとレッテルを貼られたファヴロー自身かもしれない。本作は「アイアンマン」シリーズよりずっと少ない製作費だが、おいしい料理を作れると主張したいシェフにファブローの想い・本音が込められた。
シェフ 三ツ星フードトラック始めました【wowowシネマ】番組紹介/解説より



"膨満感"だと?"客に媚びる"だと?俺は誰にも媚びない!何様だ?ただ食って、悪口を吐き散らす。こっちは必死でやってんだ。スタッフ全員だ!傷つくよ。あんな記事、誰でも傷つく!店が潰れたらどうする気だ!何が評論家だ!

「俺だって傷つくんだぁぁ!」と悪態ツキまくるこのシーン。どう見ても料理の話じゃなくて、ファブローの映画制作における心の叫びにしか見えないところが、ある意味この映画のハイライトかと。ビジネスなのだからヒットする作品を作らなくてはいけない、観客や世の批評も気にしなくてはいけない。でも自分のイマジネーションは大事にしたい。本当に描きたいものを作り出したい。そんな彼の思いがこの映画を作らせたんでしょうね。

甘いんですよ、確かに。
ロードムービーとしても展開は中途半端だし、ラストは帳尻合わせのように超強引なハッピーエンドだし。なんで急に「キューバサンド」なんだよ~とか、どうして最後はそうなっちゃうんだよ~とか色々意地悪を言いたくはなるのですが、ま、ここはひとつ「ご馳走様でした」の一言で片づけちゃいましょう。ファヴローの晴れ晴れとした顔、よかったですから。







ここから先は余談です。
カールの人生を変えたキューバサンドのように、私にも忘れられないメニューが1つあるんですよねぇ。


↑これ、お世辞にも全然美味しそうとは言えないでしょう(笑)。
でもね、良い思い出があるのです。

ナポリにいた時、ホームステイ先の長男君が私がホームシックにならないようにと作ってくれた梅干しをのせたお味噌の雑炊&照り焼きチキンです。それに日本酒と、付け合せにトマトのオリーブオイル焼き。



人懐っこくて陽気な典型的「ナポリ男」で、美味しいお酒と食事と大好きなマンマと当時妊娠中の超セクシーな彼女がいればもうご機嫌。夜11時くらいでもバルコニーでギターをかき鳴らしては大声で歌いまくって、バナナの皮を道路にポイー!と捨てるバカ男でしたが(笑)、人を楽しませよう、笑わせようとしてくれる心根の優しい人でした(今や二児のパパ!!)

いつの間にか醤油や味噌、日本酒や梅干し、割り箸も用意してくれていたんですね。


行き詰った仕事も婚約も全部白紙に戻して人生やり直す勢いでナポリに来た27歳の私は「日本が恋しいわ・・」とかこれっぽっちも思っちゃいなかったのですが、長男君がすごく嬉しそうに振舞ってくれたその心遣いが胸にしみてちょっと涙がね・・・。そうしたら「これじゃよけい日本を恋しがっちゃったじゃないのー」「泣いちゃったじゃないのー」「味が違うんじゃないのー」って皆でワァワァ言い合ってました。ゴメンナサイヨ~

でもね、本当に本当に、この雑炊美味しかったんですよ。マンマも、長男君の彼女も、彼女のマンマも「日本食って美味しいね!」って一緒に食べました。ずっとずっと忘れられない光景です。



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  2016/01/19 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『恋人たちの予感』 (1989/アメリカ) で、ちょっとアンケートをとってみた

   ↑  2015/11/07 (土)  カテゴリー: コメディ





●原題:WHEN HARRY MET SALLY...
●監督:ロブ・ライナー
●出演:ビリー・クリスタル、メグ・ライアン 、キャリー・フィッシャー、ブルーノ・カービイ 他
●初対面でお互いに最悪の印象を抱いたハリーとサリー。だが、その5年後と10年後にそれぞれ空港と本屋で偶然に再会し、いつしか本音を言い合える友人として付き合うように。そして、出会ってから11年の歳月を経てふたりがたどり着いた場所は・・・。「男女の間に友情は成立するか?」 いつの時代でも取り上げられる男女の永遠のテーマに迫った、コメディ満載のラブストーリー。





80年代の映画で古めなんですけれどね、大好きな作品です。
テーマは「男女間に友情は成立するか?」きっと誰でも一度は考えたことがあるんじゃないかな。



これって結論から言うと、半分【Yes】で半分【No】だと思うんですよねー。
そもそも「恋じゃないよ、"友情"だよ」といっても、相手に感心を持ったり相応の魅力を感じなければ、親しい友人として継続するお付き合いもないでしょうし、この時点で既に相手に対して好意はあるんでしょうね。"情"というくらいですもんね。



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ちょうど先月、学生時代からの音楽仲間である友人と話していて、この話題が出たんです。
それで、その場にいた恋愛現役世代である10~30代の独身男性8人(全員恋愛に関してはストレート)にアンケートをとってみました。サンプル少ないですけどね!


Q1 あなたには親しい女性の友達がいますか? 
   Yes:3人   No:2人  その他:3人
※[Yes]のうち、彼女持ちが1人。 [その他]内訳:「親しいと言えるか微妙」2人 「そもそも友達がいない」1人←オイオイ

Q2 (Q1でYesと答えた人対象に)その女性の友達に、友情以外の恋愛感情を抱いたことはありますか?
   Yes:0人   No:2人  その他:1人
※[その他]:「少し揺れたことがある」

Q3 今後、その女性の友達が恋愛の対象になることがあると思いますか?
   Yes:1人   No:2人
※[Yes]:「絶対ないとは言えない」  [No]:「自分には彼女がいるので」「女友達には彼氏がいるので」



個々に抱える恋愛事情を知っている人もいる中で、皆さんかなり素直に答えてくれました。
これだけでも、なんとなくオトコ心が透けて見えるようで興味深かったです。
【親しい女友達】というラインがちょっと微妙だったかな。2人で買い物に行ったり、ゴハン食べたり、相談にのったり・・・だけど恋愛感情はないよ、という関係。この辺りは個人の判断になるのかな。




で、上の問いについてみんなで話していて、いよいよ〆か!という時になって「ま、結局男は"あわよくば"というのがあるからなー」「うんうん」「そうかもそうかも」とまとめ始めたんですよ、やつらは!↑映画の中でもハリーが同じこと主張していた!

「あわよくば」
意味:うまくゆけば。好機に会えば。(三省堂 大辞林より)
英語:if there is a chance,   if things go well (研究社 新和英中辞典より)


まったく何だよ、チャンスって!(笑)
もちろん、私くらいの年齢になってきて長年築いてきた家族同然の親しみの感情や、何でも話せる気軽さ、或いは尊敬の念などを持っての"鉄壁の友情"もあるとは思います。ま、少なくともどちらかにストッパーがかかっていて「友情を保とう!」という気力があれば、男女間の友情というのは作れるものなんでしょう。

でも、そこから万が一何らかのスイッチが入ってバランスが崩れた時、或いはタイミングが合った時、その友情はいわゆる「恋に落ちる」状態に移行してしまうんでしょうね。たぶん、相手を「自分だけのものにしたい」と思ったらその時点でアウト!かな。








ハリーとサリーは、最初から互いに「面倒な女だな」とか「本当にイヤなヤツ!」と率直に言い合っていたんですが、よく考えてみると壁をまったく作らずに、気取らず遠慮なく話せる間柄って、どんな関係にせよ貴重なんですよね。相手の良いところもイヤなところも、興味深く受け入れられる関係。

相手がピンチになったら夜でも駆けつけたり、失恋したサリーや離婚したハリーを互いに気遣って電話でグチに付き合ったり。二人が心から相手のことを心配しているという面がよく伝わってきて、観ていてなんだか心が温かくなります。

だから、ハリーとサリーの二人がお互いを思い合って一緒に年を重ねていく姿が自然なのは、それが友情であろうと恋心であろうと、互いにきちんと向き合う勇気を持つことのできる、人生で本当に必要な存在だったからなのかも。






「1日の最後におしゃべりしたいのは君なんだ」
“And I love that you are the last person I wanna talk to before I go to sleep at night”

「男女間に友情は成立するか?」なんて、結局は愚問なんでしょうね。
恋愛感情とは別の正直な気持ちでいられる、バランスの良いちょっと素敵な関係。

だいたい、人生の中で並行して何年も一緒に過ごすことの出来る人なんて、実はほんの数人しかいないんですよね。ましてや"一生"かけて続けていける関係のある人なんて、それよりもっともっと少ない。沢山の、本当に数えきれないくらい沢山の人たちと出会っているはずなのに、そのほとんどは隕石がぶつかるような勢いで、ただ一瞬で通り過ぎていくだけ。

もしそんな関係の人がいたらそれは本当に貴重。大事にしていかなくちゃいけませんね。
年賀状の準備を始める季節だし、もう一度友達の数を数え直してみようかな!





因みに、心理学的には「愛情」は3要素で成り立っているといいます。

アメリカの心理学者 ロバート・J. スターンバーグが提唱した「愛の三角理論(triangular theory of love)」における情熱(Passion)、親密さ(Intimacy)、献身(Commitment)。

 情熱:常に相手と一緒にいたいと願う強い思い
 親密:好意や尊敬の念、相手を近くに感じる気持ち
 献身:相手との関係を長期的に維持しようという決意

この3つが揃っていれば間違いなく絆の強い「完全な愛」と言えるのですが、ライフステージによって「愛」の形も様々に変化していくもの。また、どの要素が強いかで自分のもっている「愛情」が刹那的な愛なのか、友愛的なものなのか、或いは契約だけの虚無の形なのかといった"愛情のタイプ"を理解することもできます。

もちろん、どれにも当てはまらなければそれは「無関心」ということで、つまり「愛情はない」ということです(笑)。


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  2015/11/07 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『天使の分け前』 (2012/イギリス、フランス、ベルギー、イタリア)

   ↑  2014/01/07 (火)  カテゴリー: コメディ


天使の分け前[ポール・ブラニガン]


●原題:THE ANGELS' SHARE
●監督:ケン・ローチ
●出演:ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショウ、ガリー・メイトランド、ウィリアム・ルアン、ジャスミン・リギンズ、ロジャー・アラム、シヴォーン・ライリー、チャーリー・マクリーン 他
●長引く不況で若者たちの多くが仕事にあぶれるスコットランドの中心都市グラスゴー。教育もままならない環境に育ち、親の代から続く敵対勢力との凄惨な抗争が日常と化した日々を送る青年ロビー。しかし、恋人との間にできた子どもがそろそろ出産時期を迎えることに免じ、刑務所送りの代わりに社会奉仕活動(community service)をすることになる。まともな生活を送ろうと改心した過程で親身に接してくれるハリーからウイスキーの奥深さを学び、興味を持つようになる。そして、ひょんなことから“テイスティング”の才能に目覚めるロビーだったが・・・。



明けましておめでとうございます。本年も宜しく願いいたします。
・・・で、さっそくなのですが、映画を観た後に「モヤモヤ~」っとしたものが残る作品に久々に出くわしてしまいました。あーこれが新年一本目だというのが余計にツライっす。なぜ「モヤモヤ」が発生してしまったのか。理由は以下の通り。


※この先、映画の内容について触れています。
 予告編でもわかる範囲の内容ですが、未見の方はご注意ください。
     ↓       ↓       ↓



「爽やか!」「痛快!」と宣伝されていた映画でしたが、"盗み"で人生逆転劇だなんて、うーん、これは明らかに更正の道としては間違っているでしょう。情状酌量の余地ありと何とか実刑を免れたのに、彼の行動は愛しい我が子と彼女を裏切ることにはならないのかな、と。


しかも、物語途中に挟まれる、かつて主人公ロビーから凄惨な暴力を受け、身体だけでなく人生も心もボロボロに傷付けられた被害者青年の話。私は彼や彼の家族のことを思うと、あまりに重く圧し掛かってくるものを感じて、その後の展開に心温まるどころじゃなくなってしまった・・・。『天使の分け前』という映画はアメリカの「ワシントン・ポスト」のレビューでも同じように「ロビーは応援するには難しい主役」「心から彼に成功してほしいと思えるでしょうか?」と言われています。


  ケス


レディバード、レディバード


マイ・ネーム・イズ・ジョー


SWEET SIXTEEN



かつてのケン・ローチ監督なら、過酷な環境に育ちながらも何とか這い上がろうとする登場人物に対しても、憎しみの連鎖、理不尽な暴力、荒れ果てた家庭環境、実の子を奪われて希望のない未来・・・といった絶望に近い痛みを課したはず。だから余計に、この映画の"不良青年の更生によるサクセスストーリー"に対して「希望はあるんだよ」とか「人生のやり直しはきくんだよ」とか、そういった単純な話として受け取っていいのか?とかなり戸惑ったのです。






それでモヤモヤを抱えてしまった私はローチ監督の意図が知りたくて、彼のインタビュー記事を読んでいくことにしました。そして少しずつですが『天使の分け前』という映画に対する印象も変わってきました。脚本家ポール・ラヴァティが本作のためのリサーチ過程で出会い、最終的に演技の経験がないにもかかわらず主役に抜擢されたというポール・ブラニガンの存在が大きかったように思います。ブラニガンはこの映画の主人公ロビーと同様に、何代にも続くファミリー間の武力抗争がもとで服役、頬の傷は本物、両親はヘロイン中毒という、グラスゴーにおけるリアルな負のスパイラルの中で生きてきた青年でした。

この映画のエンディングに希望を感じてくれる人がいるけれど、僕にとってはOnly hope is jobなんだ。仕事を持つことで人は自分に誇りを持つことが出来る。これだけの失業者を生み出した今の社会を見るとき、僕は、僕ら年長者の世代が、若者を裏切った気がしている。
    (中略)
ロビーは、父親になろう、親になろう、家族を養うために何か仕事を見付けようともがいている真っ只中で、だけど手始めにどうすればいいかも分からず、そのための道も全く見えていないんだ。アカデミックなプロセスがロビーを素通りしてしまったのは一目瞭然だ。なぜなら彼はついこの前までティーンエイジャーの不良で、しかもそれが当たり前の世界にずっと身を置いていたから。だとすると、どうやってこの世界から抜け出せばいい?ロビーは本気だと言っているが、もし彼のような世界に属し、そこがすべてだとしたら、足を洗うことはとても難しいんだ。
「仕事こそが希望、仕事を持つことで人は自分に誇りを持つことが出来るんだ」ケン・ローチ監督インタビュー【Web DICE】


スコッチ・ウィスキーの故郷であるにもかかわらず、低所得者層の若者は高級ウィスキーなんて飲んだこともない。まるでギャグのように登場するけれど、彼らが反逆と闘いとプライドの象徴であるキルトスカートを「穿いて行こう!」なんて発言するその無邪気さ、たとえ他人様から失敬してきたウィスキーでも、それしか恩人に渡せるものがない、思いつくのは盗みしかない、それしか出来ないという現実。こちらが勝手に期待した「人との出会い&テイスティングの技で未来を切り開くサクセス・ストーリー」は、この映画にはただのファンダジーでしかないわけです。



再度観た時には、彼らが自分たちのことですら「クズだ」「バカだ」「社会奉仕中のチンピラだ」と言うセリフにちょっと涙が滲んでしまいました。自分たちに何かが出来るとは思ってもいない、彼が酷い暴力で若者を傷つけた過去は、あのシーンだけが『天使の分け前』の中で浮くほどヘビーだけれど、実際に彼らを取り巻く悲痛な現実そのままの姿なのだと。そして人を傷つける行為だけは絶対に許されるべきではないと、ロビーにハッキリと向き合わせたものなのだと思います。




リッチな人間が多く住むコネティカットからやって来たアメリカ人が、レッドソックスの野球帽なんかを被って億単位のお金でウィスキーをポンと落札。

カネにもの言わせる奴らを痛い目にあわせてやろう!という映画ではないので、"常識的"に考えればロビーたちの行動に対して最初の「モヤモヤ」が消えることはないのだけれど。けれど、これはグラスゴーの無職で暴力に明け暮れる若者たちの話なのです。高級ウィスキーの"美味の極致"とは対極にある場所。「彼は反省も更生もしていない」「やっていることは以前と同じ」色々と言えることは幾らでもあるけれど、ロビーはこうやってしがらみから抜け出し、家族を守り、仕事を得るしかなかったのだと思う(しかない)。それを日本の生活の中から「爽やかな感動に包まれました!」「痛快な話!」「元気をもらいました!」という著名人の宣伝コメントはちょっと的外れなような気もしました。

「おそらくケン・ローチ監督の論旨は、グラスゴーの過酷な路上生活で生き残るには、中産階級のウイスキースノッブから盗むことは大したことがない、ということでしょう」という身も蓋もないイギリス「サンデータイムズ」のレビューには苦笑するしかないんですけれど、でもそれはそれで酷い現実(幸せを掴むには多少の窃盗は問題ない)を逆説的に見せつけた、新手のケン・ローチ的映画(←観終わった後にどーんと暗い気持ちになる)かもしれませんね(笑)。

本来なら映画だけから全てを感じ取れればいいのかもしれませんが、今回はモヤモヤが発生したおかげでスコットランドのグラスゴーにおける若者の失業率だとか子どもの貧困問題、世代を越えたギャング抗争などを知ることが出来たのでヨカッタと思うことにします。

参考:イギリスの社会的包摂政策:成功と失敗【季刊・社会保障研究】DavidGordon
     Glasgow East by-election: Stark social problems, poverty【World Socialist Web Site】





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ロビーたちが住むグラスゴーのカータイン(Carntyne)から、物語後半の舞台となる北ハイランドのドーノック(Dornoch)にあるバルブレア蒸留所(Balblair Distillery)。彼らにとっては大きな旅だったんだろうなぁ。



分断された格差社会から弾かれ、見放され、報われない者たちの叫びを常に代弁し続けてきたローチ監督。サッチャー元首相が亡くなった時の彼の発言を。
マーガレット・サッチャーは、現代において分断と破壊を引き起こした首相でした。大規模な失業、工場の閉鎖、破壊されていった地域社会、これらは彼女の残した遺産です。
(中略) 彼女の告別式を民営化しましょう。入札を行い一番安い見積もりでやりましょう。それこそ彼女が望んだものなのですから。
Ken Loach wants Thatcher's funeral privatised【YAHOO MOVIES】


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  2014/01/07 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit