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『オー・ブラザー!』 (2000/アメリカ)

   ↑  2009/10/14 (水)  カテゴリー: コメディ


オー・ブラザー! [DVD]


●原題:O BROTHER, WHERE ART THOU?
●監督:ジョエル・コーエン
●出演:ジョージ・クルーニー、ジョン・タートゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソン、ジョン・グッドマン、ホリー・ハンター 他
●1930年代、アメリカ南部のミシシッピー州。隠し置いた現金120万ドルがダムの底に沈む前に脱獄に成功したエヴェレット、ビート、デルマーの3人組。何とか手に入れようと3人の旅が始まるが、その道にはいくつもの困難が待ち受けていた・・・!? トール・テール(ホラ話)風味の冒険譚。脚本はもちろん、イーサン&ジョエル・コーエンが担当。



美女に誘惑されたり蛙に変わったりと、一見「なんじゃこりゃ~」と思うこれらは、古代ギリシャ神話の叙事詩『オデッセデュア』を下地にしているお話だから。冒頭、予言めいた話をするおじいさんが登場するけれど、ホメロス(と言われている作者)が盲目の詩人だった(と伝えられている)ので、ツカミはここでオッケーなのですね。うまいですねぇ・・・。

で、ここから"コーエン兄弟っぽい"仕掛けが怒涛の如く展開されていくわけです。





四つ辻で悪魔に魂を売っっちゃったお話は、伝説のブルースシンガー、ロバート・ジョンソンが、「十字路で悪魔に魂を売り渡して引き換えにテクニックを身につけた」といわれている【クロスロード伝説】がモチーフに。ビートが蛙になってしまったお話のもとは「オデュッセイア」の中のキルケーの物語(ブタに姿を変えられた部下を救出しに行く話)から。突然銀行強盗が現れました→強盗は童顔ですというシークエンスは、ベビーフェイス・ネルソン(アルカポネ・ファミリーにもいた童顔で有名だったギャング)がモトネタ。

というわけで、聖書・歴史・音楽・文学など出るわ出るわ、枚挙に暇がないほど。

こうやってあらゆるジャンル・様々なエピソードなどを、細かなピースのように散りばめて1つのロードムービーに仕上げてしまう手腕は、やっぱりちょっと感動的。散漫になるか!?イヤミになるか!? という寸前の面白みがあるんでしょうねぇ・・・・でも、うーん、やっぱり私にはイヤミな感じでした(笑)。なんだか純粋に映画を見るよりも、チラチラと「ほらどうだ!」と知識確認をされているようで。ま、それが知識層コーエンン兄弟の作品らしさなのでしょうけれどね。

宗教という道徳が日常で見え隠れする世界において、神に赦しを求めたい、或いは救い求めようとする人間の姿というのは滑稽さが滲み出るからか、映画作品の中ではコメディのジャンルとしてもよく見られます。それは、この映画においてもど真ん中の要素であり、一番のベースでもあり、インテリでユダヤ系のコーエン兄弟らしいユーモアなんですね。





人種差別が根強かった1930年代の米国南部を舞台に置き、白人脱獄囚(しかも名前がユリシーズ!)らを通して人間の滑稽さを描いた一作。コーエン組の俳優陣の中、楽しげなジョージ・クルーニー、良かったですねー。『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル 』のマイケル・バダルコのキレっぷりも見逃せません。

そう、それと忘れちゃいけません、食えないオヤジ知事を演じたチャールズ・ダーニング。今回も十分楽しませていただきましたよ。大好きです!ハッドサッカー社長♪

オー・ブラザー!@映画生活




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  2009/10/14 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit