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『レディL』 (1965/イギリス)

   ↑  2010/05/22 (土)  カテゴリー: コメディ
  
●原題:LADY L
●監督:ピーター・ユスティノフ
●出演:ソフィア・ローレン、ポール・ニューマン、デヴィッド・ニーヴン、フィリップ・ノワレ、ミシェル・ピッコリ 他
●80歳の誕生祝いにロンドンから帰ったレディ・レンディルは、彼女の自伝を書きたいと申し出るパーシー卿に対して、これまで誰にも打ち明けたことのない驚くべき自分の秘密を打ち明ける。実はレディLは、理想の男性を夢見た若かりし頃、パリの娼館の洗濯女だったというのだ。そしてそこで出会ったアナーキストのアルマンと恋に落ちたことで、彼女の人生は急展開していくことに・・・!ロマン・ギャリーの原作を『トプカピ』(1964/アメリカ)でアカデミー助演男優賞をとったピーター・ユスチノフが脚色・監督。



「ソフィア・ローレンのコメディ映画」ということだけで、予備知識もなくいきなり鑑賞。
すると・・・えーっ!ソフィア・ローレンとポール・ニューマン!? 驚いてしまいました。


映画ではそれぞれ見慣れている二人が、こうして同じ画面の中で恋人同士を演じているなんて本当に新鮮!子供にとって夢の共演だった『忍者ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ』(1984/日本)を観た時の、あの飛び上がりたいほどの嬉しい気分を思い出しました。


あぁ、しかも、ローレンのもう一人の相手役に紳士のデヴィッド・ニーヴンとは!んもぅ素敵すぎる!夢の共演にうっとり~ですよ。煌びやかなセットや衣装もいっぱい、ユスティノフおじさんのユーモアも楽しいスターもいっぱい、そして本物の群集シーンなどで豪華な映画気分を盛り立ててくれます。

が、しかし。
けっこうな勢いで話がデタラメであり、あまり内容に突っ込んではいけない微妙な作品になっていることは否めませんでした。話の中核であるところのソフィア・ローレンの女心の細やかな描写がイマイチなのがマイナス要因の決定打でしょう。貧乏短気のアナーキスト、アルマン(P・ニューマン)に惚れ続けているという設定がどうにも弱いですし、また、どこまでも彼女を守り全てを与えてくれる大富豪レンディル(D・ニーヴン)に心を開いているようで動かない"女心"もあやふやで、結果的に人物設定的には全く入り込めない物語になってしまいましたねぇ。まぁしかしながら、その可愛らしいデタラメな雰囲気は十分楽しめますので、細かな(?)部分は言いっこナシということにしちゃいましょう!!




そういえば、鑑賞中「ハリウッド映画の『グレートレース』なんかと感じが似ているなー」なんて思っていたら、両作品とも同じ1965年の製作映画でした。あちらもナタリー・ウッド、トニー・カーティス、ジャック・レモン、ピーター・フォークというスター揃い踏みの豪華時代物コメディ。のほほん、とした雰囲気がとても似ています。

・・・考えてみると、この1965年というのは世界史でよく出てきた年号なのですが、アメリカは北ベトナムに対して北爆を開始、国内ではマルコムXが暗殺されるなどアフリカ系アメリカ人の解放運動も激化、中国は文化大革命へと動き出し、世界各国ではベトナム反戦運動が拡大し始めるという激動の時代でしたね。多くの人の目に遠い世界の現実問題を映すきっかけとなる映画がある一方で、現実味のない夢のような物語を人々が映画に求め、また必要とするのはどの時代でも同様なのでしょう。そしてまた、それこそが映画が作られ続ける理由の一つなのかもしれませんね。


レディ L@映画生活





【memo】
気になって1965年製作映画を調べてみたら、ちょっと面白かったです。
やっぱり似たような豪華絢爛映画『素晴らしきヒコーキ野郎』。さらに以前このブログでもupした『スペース・モンスター/宇宙怪獣の恐怖』に、なんとあの名作『死霊の盆踊り』も(笑)!! さぁ、時代は一体何を求めていたのでしょうねぇ。




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  2010/05/22 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』 (1991/アメリカ)

   ↑  2010/05/12 (水)  カテゴリー: アクション、パニック



ハーレーダビッドソン&マルボロマン [ ミッキー・ローク ]


●原題:HARLEY DAVIDSON AND THE MARLBORO MAN
●監督:サイモン・ウィンサー
●出演:ミッキー・ローク、ドン・ジョンソン、トム・サイズモア、ダニエル・ボールドウィン他
●バイク乗りのハーレーダビッドソンとマルボロマンは自分たちの育ての親が経営する酒場の危機を知り、仲間とともに現金輸送車を襲撃して大金を得ようとする。しかし、このことで彼らは思わぬ事件へと巻き込まれていくことに・・・!



いやぁ、私なんでこの映画のDVDを持っているんだろう!?と、小一時間本気で頭を抱えて悩みました。この頃のミッキー・ロークはピカピカでツヤツヤのセクシー&タフガイでしたが、ファンではなかったし・・・ドン・ジョンソンは確かにナッシュ時代は楽しくドラマを観ていましたが、それでもここまでの購入意欲はなかったしなぁ・・・コレ、私のDVDなのかな(笑)?





しかし、なんともまぁ、バイク好きな方には堪らないシーンが満載なのかもしれませんが、私にとっては1990年代ってこんなにこっぱずかしいものだったのか~!と、そのダサ格好良さに赤面してしまうのでした。

ミッキー・ロークが照れ隠しのように鼻を「クスン」と鳴らして喋ったり唇の端を片方ニッと上げて笑う仕草や、やる気がないような軽口たたきながらのアクションシーンなんかは、これってちょうど同時期に『ダイ・ハード』シリーズで人気が出だしたブルース・ウィリスとあまりに似すぎていて、どっちが演じていても気がつかないんじゃないかって思うほどソックリでした。こんなスタイルが当時はカッコよかったんだろうか・・・うーん、忘れてしまった。

銃とかバイクに詳しい人には「おぉ!」なんて唸れる映画なのかもしれませんねぇ。主演二人が格好つければつけるほど、観ているこちらは恥ずかしくなるので、そんな彼らの決め台詞に身を捩りながら鑑賞するのが正しい観方かもしれません。



で、私にとっての見所は、やはりボールドウィン兄弟の次男坊、ダニエル・ボールドウィン扮する敵役でした!

『マトリックス』の先取り偽物みたいな揃いの黒ロングコートで、「俺たちクールだぜ」的にいちいち並んで歩くわかりやすさにも赤面。しかもダニエルさんは、何せとにかく太すぎるのです。主演二人をしつこく追い続ける不気味な不死身(っぽい)役なのに、体が重すぎる!だから、最後に撃たれてバッタリ倒れた後も、良く見れば大きな太鼓腹がヘコヘコ動いているじゃありませんか。そのヘコヘコを見て「こ、これって死んでいないっていう伏線なんじゃ・・・!?」なんてムダに緊張させられて損をしましたよ。死ぬシーンくらい、お腹引っ込めて息を止めて~。




そう、それと当時、映画の「会社の会議シーン」なんかにはよく日系企業の名前や姿を見かけたものです。しかしながら、きっとこれからのハリウッド映画に出てくる商談相手役なんかは、中国系企業に取って代わっていくんだろうなぁ・・・・なんてことを思いながら観ていました。日本企業が出てくるところなんかには、やはり時代を感じさせるものがありますね。

・・・とまぁ、こんなことを思いながらやっとのことで観終えましたが、結局なぜ私がこのDVDを購入していたのかだけは思い出せませんでした。これ、どこに置こうかな(笑)。

ハーレーダビッドソン&マルボロマン@映画生活




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  2010/05/12 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『死刑台のメロディ』 (1971/イタリア・フランス)

   ↑  2010/05/08 (土)  カテゴリー: シリアス、社会派




死刑台のメロディ [DVD]


●原題:SACCO E VANZETTI / SACCO AND VONZETTI(英題)
●監督:ジュリアーノ・モンタルド
●出演:ジャン・マリア、ヴォロンテリカルド・クッチョーラ、ミロ・オーシャ、シリル・キューザック、ロザンナ・フラテッロ 他
●「アメリカ史における汚点的冤罪事件」として語られる「サッコ=ヴァンゼッティ事件」を描いた社会派ドラマ。1920年のアメリカ マサチューセッツ。イタリア移民のサッコとバンゼッティは、ある日、製靴工場が襲撃された強盗殺人事件の容疑者として逮捕される。まったく身に覚えのない二人は無罪を主張するが、裁判は偏見と敵意に満ち、無実を示す証拠も次々と却下されていくのだった・・・。



先日、1930年代のアメリカ シカゴを舞台にイタリアンマフィアとの戦いを描いた『アンタッチャブル』の記事をupしましたが、ロバート・デ・ニーロが演じたアル・カポネ(実在した人物:1899年-1947年)はナポリからの移民でした。そして「イタリア系マフィア」と聞いて真っ先に思い出す映画『ゴッドファーザー』シリーズのヴィトー・コルレオーネ(フィクション:1892年-1955年)はシチリア移民でした。

まさにこの2人が生きた20世紀初頭前後の時代というのは、イタリア南部の貧しい人々が新しい生活を夢見て大挙してアメリカへ押し寄せていた時期です。が、彼らの生活はアメリカ移住後も困難なものだったといいます。英語をうまく話せない人々は肉体労働など社会の低層で働くしかなく、そのため働き口を世話してもらったり生活や仕事など(たとえそれが不法であったとしても)生きる手段を守ってもらうために、同郷であるマフィアの力がそこにうまく組み込まれていったのです。それは、時に結束として或いは搾取というスタイルになったとしても、アメリカの裏社会でイタリア系マフィアが勢力を拡大していく大きな構造となっていきました。





さて、前置きが長くなりましたが、映画『アンタッチャブル』の「イタリア系」と「エンニオ・モリコーネ」に関連して、私はこの映画を思い出しました。1920年アメリカで生活するイタリア系移民がある日突然無実の罪で投獄され、死刑を宣告された「サッコ=ヴァンゼッティ事件」に基づいた社会派ドラマです。作中時代当時、アメリカでは共産主義者への赤狩りや、アナーキストたちを排除しようとする保守的な世論が高まり始め、1919年の禁酒法や移民の数を制限する移民法が1924年に成立するなど、アメリカ出生主義やWASPなどアングロサクソン系中心の徹底的なナショナリズムの風が吹き荒れた時期でした。そんな中で投獄されたこの二人は、この時代の格好の餌食にされたとも言えるのです。

初めてこの映画を見た時は、その重厚感に押され、口を聞くことが出来ないくらいグッタリした覚えがあります。その時の緊張感や、あまりにも静かなラストの衝撃を、私は決して忘れることができませんでした。そしてその後、私は2004年のエンニオ・モリコーネ初来日コンサートで「The ballade of Sacco and Vanzetti」を耳にすることになったのですが、その時の衝撃、体中に走った戦慄は・・・本当に言葉では表し難いものでした。今でも曲を聴くと鳥肌が立つ思いです。



演奏中、気がつくと私はいつの間にか流していた涙を拭うことも出来ないほど体の震えが止まらず、ただその慟哭しそうになる体を必死におさえていました。それは決して「感動」などという生温かなものではなく恐怖にも近いような、凍りつくほどの体験でした。音楽を聴いてここまで戦慄を覚えたのは、生まれて初めてです。それはたぶん、映画で見た疑似体験の記憶と、目の前で歌い上げられた臨場感がシンクロして、不条理な差別で事実を覆い隠されたまま亡くなっていったサッコとヴァンゼッティの恐怖や絶望感が、そして最後まで人間としての尊厳を決して忘れたくないと語った彼らの静かな叫びが映画の迫力を思い出させ、あまりに残酷な荘厳さがダイレクトに私を揺さぶったのだと思っています。"邦題"の意味を、そこで私は体感したのでした。


【DVD】アリーナ・コンチェルト/エンニオ・モリコーネ [WPBR-90292] エンニオ・モリコーネ


●生誕75周年を迎えたエンニオ・モリコーネの音楽世界を堪能できるコンサート映像。イタリアのヴェローナ公演の模様を収録。
●収録曲:ニュー・シネマ・パラダイス/ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/海の上のピアニスト/続・夕陽のガンマン/ウエスタン/夕陽のギャングたち/続・夕陽のガンマン(エクスタシー・オブ・ゴールド)/ジ・エンド・オブ・ア・ミステリー/アルジェの戦い/死刑台のメロディ/殺人捜査/供述によるとペレイラは…/労働階級は天国に入る/カジュアリティーズ/ケマダの戦い/タタール人の砂漠/リチャード3世/タタール人の砂漠/ミッション


エンニオ・モリコーネは、私が映画を想うのと同じくらいに重要な位置を占めるマエストロです。時に映画の細かな内容は思い出せなくとも、氏の映画音楽だけは鮮明にはっきりと心に響くことがあります。高齢でもあるため、もう再来日は望めないかもしれませんが、私は2004年6月のあの日のコンサートを決して忘れることはありません。私の中で「映画」が目の前に現れ、それに“直に”触れることができた奇跡のような時間を、映画とともにある限り、私は忘れることはないのです。




【追記 2010年5月10日】
ロッカリアさん発信の【ラジオ・ヒッチコック】さんでも 「で、やっぱり休日はサントラなんですよ。」の記事で『死刑台のメロディ』が出ています。EP盤ジャケットが見られます!


死刑台のメロディ@映画生活



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