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『スーパーヒーロー ムービー!! -最'笑'超人列伝-』 (2008/アメリカ)

   ↑  2011/07/31 (日)  カテゴリー: コメディ


スーパーヒーロー ムービー!! -最’笑’超人列伝- / 洋画


●原題:SUPERHERO MOVIE
●監督:クレイグ・メイジン
●出演:ドレイク・ベル、サラ・パクストン、クリストファー・マクドナルド、レスリー・ニールセン、パメラ・アンダーソン、ケヴィン・ハート 他
●両親を亡くし、伯父母に育てられてきた高校生のリック。隣に住むジルに想いを寄せているが、ジルには人気者の彼氏がおり、気持ちを伝える事ができずにいた。そんなある日、リックは社会見学で訪れた研究所で遺伝子操作された【スーパー・ドラゴンフライ】(トンボ)に噛まれてしまう。5日間眠り続けた後に目を覚ますと、リックは特殊な能力を身に付けた超人になっていた!『最‘狂’絶叫計画』のスタッフが贈るコメディムービー。






あらすじを見れば一目瞭然『スパイダーマン』や『X-MEN』『ファンタスティック・フォー』などのパロディ映画で、内容は勿論『ホットショット』レベルからずっと変わらないという、ここまで来るとアメリカのお家芸みたいなものでしょうかね、この「常にキワどく、オゲレツであり続けろ!」という流れは(笑)。


私は家族から時々「オススメ映画」を押し付けられるアドバイスいただくのですが、これは妹からわざわざメールをもらい、強力なプッシュのもと渋々ツ◯ヤまで借りに行った映画です。何が面白いんだこのー、小学生男子が好きそうなネタばっかりじゃないかーと思いながら観ていたのですが、途中あるシーンで思い切りツボに入ってしまいました。



↑映画のワンシーン。
主人公のリックが「スーパーヒーロー」として名を馳せていくのですが、それについて「Youtubeでトム・クルーズがコメントするシーン」というものがありました。もちろん、本物のトムクルではありません。これもパロディです。

演じているのはマイルズ・フィッシャーという役者さんです。


↑手の動き、トムスマイルが気持ち悪いくらい似ていて堪りません(笑)
因みにこの動画、アメリカであまりに話題になってこインターネット上で1,000万回以上再生されたそうです。





で、これ、モトネタを知らなくても笑えるんですが、実はこれにはちゃんとしたベースがあるんですね。数年前でしたが、どこからかリークされてしまった「サ◯エン◯ロジー」内部用のインタビュー動画がそれなんです。当時BBC NEWSサイトでも、その内容が話題になっていました。その動画がコレ↓


10分近くあるので全部見ていられるか!という方は、4:20のところから少し見るだけで笑えます。で、これを見た後、もう一度マイルズのパロディを見ると更に笑えます。バカ笑いはマイルズ・フィッシャーが大袈裟にやっていたのではなく、かなり抑え気味にやっていたことがわかります(笑)

『スーパーヒーロー ムービー!!-最'笑'超人列伝-』の中では、エンドロールの間にも未公開シーンが色々と挟まれるのですが、この「(サイ◯ントロ◯ーでハイな)トム・クルーズ パロディシーン」もドドンと大盤振る舞いされています。これはですね、もし機会がある場合は、ぜひ【日本語吹替版】でご覧になることをオススメします。「この・・・ハイネック・・・実は、首がきついんだ・・・」と日本語で言っているトムクルの物真似に腹筋崩壊です。





他のパロディシリーズはそれほど観たこともなかったのですが、トム・クルーズ ネタに加えて、お元気だった頃のレスリー・ニールセンを観ることも出来て嬉しかったです。

それにしてもトム・クルーズという大スターは、(ご本人は大真面目なんでしょうけれど)いつも話題に事欠かず、みんなを楽しませてくれる人ですねぇ。



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  2011/07/31 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『ブリット』 (1968/アメリカ)

   ↑  2011/07/29 (金)  カテゴリー: アクション、パニック




ブリット スペシャル・エディション [ スティーヴ・マックイーン ]


●原題:BULLITT
●監督:ピーター・イエーツ
●出演:スティーブ・マックィーン、ジャクリーン・ビセット、ロバート・ヴォーン、ドン・ゴードン、サイモン・オークランド、ロバート・デュヴァル、ノーマン・フェル、ジョーグ・スタンフォード・ブラウン 他
●刑事ブリットは、証言台に立つためにサンフランシスコへやって来たギャング、ジョニーの護衛を依頼されるのだが、ジョニーは何者かに射殺されてしまう。失意の中でブリットは、護衛の依頼主であるチャルマース上院議員の不審な行動に目をつけるのだった・・・。



「抑制の効いた緊張感が漂う」と表現するか「メリハリがなくて無駄が多い」と言うかは、主演のマックィーン演じるブリットを見つめる視点次第なのかもしれません。かく言う私は偏執的なまでにマックィーンを愛しているので、彼の出演作品の中でも"一挙手一投足"すべてが見逃せない大興奮の一本でもあります。


スティーヴ・マックィーンという人はとにかく骨格が美しいのです。特に、頭の形が!!

・・・・最初に申し上げておきますが、私はマックィーンの話になると頭が沸騰するくらい冷静でいられなくなるので、このレビューは異様に偏っていますことをご了承ください。。。

彼は、首の動かし方、目の伏せ方など身体の動きは勿論、その基本にある服の着こなし(パンツ丈やサイズ、全体的なシルエットなど)が完璧なのです。例えば、映画『大脱走』では彼の要望で1サイズ落としたボトムスを着用していたと言われているのですが、そういった"視覚"への強いこだわりがあったためか、『ブリット』だけに限らずスクリーンの中での彼の動きは滑らかで本当に美しいのです。おまけに、「サル顔」と呼ばれる顔立ちですが、その頭はしっかりと張り出した側頭部と形の良い後頭部にピタリと合ったブロンドのショートヘアスタイルがもう完璧であり、その小顔には青い瞳が宿っているという・・・あぁもうちょっと鼻息も段々荒くなって参りましたが(笑)本当にこの手でベタベタと触りまくってみたい衝動に駆られる骨格を持つマックィーン!この原始的な魅力、ワイルドで美しいサル顔はないんじゃないかという私見でございます。

なので、この映画を観ている時は、私は本当に舐めるようにマックイーンを見ているので、ブリットの孤独すらもセクシーで美しいものに思えてしまうのです。そして、これほど私の思考回路が止まってしまう理由がこの映画にはもう一つあるのです。





そう、それは・・・マックィーンのドライビングテクニック!

マックィーン自らチューニングしたと言われるマスタングGT390は、彼がほぼ全編運に渡って運転したとされています。そしてかの有名なカーチェイスシーンが始まるや否や、それまで聞こえていた音楽がピタリと止み、変わりに聴こえてくるのは・・・全開に吼えるエンジン音、ドリフトしてタイヤが軋みスリップしていく音が!これらに私の血がグワーっと沸き立つのです。うーん!すごい緊張感。


フォードが2008年モデルとして販売した【マスタング・ブリット】は、1968年式のマスタングからダークグリーンのボディカラーを受け継ぎ、エンジンやサスペンションをチューンアップしたスペシャルな仕様!

↑これは、北米限定で発売された6代目フォード・マスタングのブリット仕様プロモーションムービーです。好きな人には堪らないんだろうなぁ。遠い昔には、私も大黒ふ頭のドリフト族を見に行ったり、真っ赤なフェアレディZに乗せてもらったり、ハチロクに乗っている子を応援しに筑波まで行ったりもしましたが、今では「車高が低くてチャイルドシートを付けられない車なんて問題外」「子どもが寝ている時にエンジンを無駄に吹かす車には軽い殺意が芽生える」といったお母さんになりました。車と運転中のマックィーンの横顔(頭蓋骨の美しきシルエットよ~)とコーナーでのハンドル捌きを愛でるのは、映画の中だけにしましょう。




今年初めにTV放映で(唖然としながら)観た『新幹線大爆破』という高倉健さん主演の1975年の邦画があったのですが、私はこれを観ていた時に、『ブリット』でのラスト付近・・・ゲートの張り込みや空港敷地内での追走劇を思い出していました。尺は全く違うし人物像の扱い方、立場も全く異なるのですが、考えてみたら健さんとマックィーンが醸し出していた緊張感と孤独感が、夜の空港という同じシチュエーションの中で似ていたからかもしれません。


時折迷いの表情を見せるブリットは、信念に対してただ頑ななわけではない人間的な面を見せるので、女性としてはやはり目が離せなくなるのです(ジャクリーン・ビセットのように!)。そういうわけで、本当は他にも見どころは沢山あるのですが、それはそれで置いておきたくなるほど個人的にマックィーン作品の中でも偏愛している一本でもあります。


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【おまけ】
そして、我が子も実は「マックィーン大好き」になりつつあります。いや、それが同じマックィーンでもディズニー映画『カーズ』の主人公、青い瞳の【ライトニング・マックイーン】のことなんですけれど!絵本やらTシャツやら、毎日マックィーン祭り状態なんです。。。

『カーズ2』公式サイトへ
なんだかもう、最近確実に私の血を引き継いでいるような気がしてコワイ・・・・

『カーズ2』は7月30日からロードショーなのですが、同時上映があの『トイ・ストーリー』のスピンオフ短篇作「トイ・ストーリートゥーン ハワイアン・バケーション」なので、実は私もドキドキしています。でも映画館デビューにはまだ早いしなぁ・・・・私も映画館にはずっと行っていないから本当は行きたいんだよなぁ・・・・そうだ!お、お母さんが代わりに観に行ってきてあげようか?へっへっへ、と天使と悪魔が囁くような、心揺れる日々なのであります。

ブリット@映画生活



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  2011/07/29 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『チェイサー』 (1977/フランス)

   ↑  2011/07/26 (火)  カテゴリー: サスペンス、ミステリー





【送料無料】 BD/洋画/チェイサー(Blu-ray)/PBH-300139


●原題:Mort d'un pourri
 英題:DEATH OF A CORRUPT MAN / THE TWISTED DETECTIVE
●監督:ジョルジュ・ロートネル
●出演:アラン・ドロン、モーリス・ロネ、ミレーユ・ダルク、ステファーヌ・オードラン、クラウス・キンスキー、オルネラ・ムーティ 他
●親友フィリップから政財界を揺るがす黒幕の暗躍に巻き込まれたことを告白された実業家グサヴィエ。やがて親友は殺され、クサヴィエは殺人事件の容疑者にされるも親友を殺した犯人への復讐を胸に秘めながら、事件を解明する鍵となる文書の存在を武器に腐敗した政財界を揺るがしていく・・・。





この↑スタン・ゲッツのクールで渋いテナーサックスの音色が、この映画のトーンを完璧なまでに決定付けています。私は音楽にはまったく詳しくはないですし、特にジャズはプライベートで聴くこともないという人間で、しかもフランス映画は苦手なカテゴリー、おまけにアラン・ドロン作品はまだまだ未見のものが多いという、この映画を十分に評価できる知識が自分には何一つないという状態で鑑賞したのですが、これがかえって功を奏したと言いますか・・・沁み込むように映画の世界に入り込んでしまいました。だってサックスが泣いている・・・!

プロットだけみれば、これは幾度となく近年のハリウッド映画などで何度も焼き直されている【巻き込まれ型(この映画の場合は一種の飛び込み型か?)+政治サスペンス】分野なので、残念ながら公開当時ではなく今の時代感覚で観てしまうと、そのあらすじは予想通りのキャラクター登場とストーリー展開ではありました。が、それを補って余りあるほどに漂うノワール色の緊張感、ドロンのダンディズム、そして緻密で優美な音楽と映像の心地よさは、この時代のフランス映画を味わうにあたっての醍醐味なのかもしれません。美しい娘には一本たりとも指を触れず(ハリウッドなら必ずロマンスを入れそう)、友情のために腐った政治家たちを突き放しては翻弄していく、目に疲れを滲ませた表情のアラン・ドロンの美しさと女には入る隙のない世界観にはグッとくるものがあります。




また、この映画の脇を固める俳優陣もなかなか渋いのです。
フィリップの妻クリスチアーヌを演じたステファーヌ・オードランは、なんとあの『バベットの晩餐会』(1987/デンマーク)のバベット!! かのデンマーク映画の時とはまるで対極の、金と欲にまみれた寂しい中年女を演じています。女優ってすごいですね。こわいですね。

また、不安と悲しみがその輝くばかりの美しさを曇らせるフィリップの愛人ヴァレリー役のオルネラ・ムーティ。その可憐さのために、彼女が登場するとカメラが霞みがかるほど(ソフトフォーカス)でしたが、彼女の幼気な佇まいはドロンの実生活でのパートナーだったミレーユ・ダルクを霞ませるほどで、この映画の中でただ一つ、汚れのない純粋な存在感を放っていた気がします("愛人"だったという話は置いておいて・・・)。圧倒的な美しさでした。


そして、国際的コングロマリットの社長であるトムスキーを演じたクラウス・キンスキー。私は彼が出てくることを全く知らなかったため、何気なく登場してきた時はそれだけで驚愕でした。ルドガー・ハウアーの狂気にウィレム・デフォーの顔がのったような強烈な存在感のある俳優なので、"狩猟"の場面では何をしでかしてくれるのか恐ろしいほどでした。彼の登場による期待が膨らみ過ぎたためか、もっとラスボス的な役割を果たし切って欲しかったところですが・・・アラン・ドロンとの共演を観られただけでも贅沢なのかもしれませんね。



邦題は「チェイサー」ということで=追う者、追撃者という意味となるわけですが、久々になかなか奥の深い日本語タイトルだなぁと思いました。フランス語や英語タイトルでは、フランス社会を覆う汚職を暗にイメージさせるものですが、「チェイサー」というと実際追っているのはどちらなのか。何を追っているのか。思わず考えてしまいました。アラン・ドロン演じるグザブがずっと追っていたものは・・・。

フランス政財界の内幕を暴いたラフ・ヴァレのベストセラー小説がベースとなっているそうですが、微かに残る"希望"が見出されているところが粋でもあり、単に政治腐敗の構造を糾弾する作品だけに終わらなかったところがフランス映画、アラン・ドロン映画の味わいなのでしょうか。たまには70年代フランス映画の匂いに痺れてみるのもいいものですね。

チェイサー@映画生活



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  2011/07/26 | Comment (0) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

ピーター・フォークさん追悼 ~『刑事コロンボ/二枚のドガの絵』 (1971/アメリカ)

   ↑  2011/07/22 (金)  カテゴリー: 海外ドラマ
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※本日は「刑事コロンボ」から「刑事コロンボのテーマ(ヘンリー・マンシーニの『Mystery Movie Theme』)を聴きながらドウゾ!




先月のことになりますが2011年6月23日、人気ドラマ「刑事コロンボ」で愛された俳優ピーター・フォークさんがアメリカのご自宅で亡くなられました。83歳でした。

ピーター・フォークさんといえば言わずと知れたコロンボ警部の姿を思い浮かべるわけですが、私は除夜の音を聞いた年明け一番、深夜の民放で放映されていた「刑事コロンボ」(吹替えではなく字幕版だった気がする)を思い出します。つまり新年があけて、初めて見る番組が「刑事コロンボ」だったわけです。今もやっているのかなぁ・・・

【DVD】ベルリン・天使の詩 【DVD】こわれゆく女 【DVD】オープニング・ナイト
ピーター・フォーク出演作品で、このブログにレビューを書いているのは2003年の『Rain レイン』と、2007年『NEXT -ネクスト-』ですが、むかし観た作品で印象に残っているのは、『Rain』をプロデュースしたヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』とカサヴェテス作品の『こわれゆく女』『オープニング・ナイト』、それに1965年のアメリカ映画『グレートレース』と、1976年『名探偵登場』&1978年『名探偵再登場』です。どの作品においても素晴らしい監督や映画作家たちに愛されており、心に残る忘れがたい役柄を残されている人のだなぁと改めて感じました。もう一度、ゆっくり観てみようと思います。

で、私事で恐縮ですが、私の母はコロンボ警部の大ファンだったので、訃報を聞いてからは本当にしょんぼりしていました(フォークがアルツハイマーのため、コロンボを演じたことすら思い出せない状態だったという話だけでも涙ぐんでしまうほどでしたので)。いつも「一緒に観ようよ」と言われていたのに疲れているから、と断っていたことをスゴク悪かったな・・・と反省して、先日NHKで追悼再放送された4本を一緒に観ました。

そこで今日は、そのうちの一本「二枚のドガの絵」をこのブログに残しておこうと思います。




『刑事コロンボ/二枚のドガの絵』 (1971/アメリカ)


【DVD】刑事コロンボ傑作選 ホリスター将軍のコレクション/二枚のドガの絵ピーター・フォーク [GNBF-2458]


●原題:COLUMBO: SUITABLE FOR FRAMING
●監督:ハイ・アヴァーバック、脚本:ジャクソン・ギリス
●出演:ピーター・フォーク、ロス・マーティン、キム・ハンター、ロザンナ・ホフマン、ドン・アメチー 他
●高額な絵画を手にいれるため、億万長者の叔父を射殺する美術評論家。彼は、共犯の恋人まで手にかけ、全ての罪を自分の叔母になすりつけようとするが、思いがけない指紋の存在によってコロンボに事件を暴かれる・・・!


たとえば「恋におちたコロンボ」の回でのフェイ・ダナウェイや、「忘れられたスター」でのジャネット・リー(娘は『大逆転』のジェイミー・リー・カーティス)といった、いわゆる往年のスターが登場するところが「刑事コロンボ」たる魅力の一つだったりしますが、この回も同様に弁護士役にドン・アメチーが、そして犯人から濡れ衣を着せられる気の弱い叔母役としてキム・ハンターの姿を見ることができます。


アメチーについては、これまた1983年の米国コメディ映画『大逆転』や1985年度のアカデミー賞助演男優賞を受賞した『コクーン』での溌剌とした演技がすぐに思い浮かぶので、お若い頃はこれほど二枚目の俳優さんであったのか!と嬉しく思いながら見ることができました。また、キム・ハンターといえば、テネシー・ウィリアムズ原作の『欲望という名の電車』(1951年/アメリカ)と衝撃の『猿の惑星』シリーズでしょうか。・・・実は先日、ちょうど『欲望という名の列車』をDVDで観たところだったですが、この蒸し暑い日々にこれほど欲望渦巻くジリジリと重苦しい人間ドラマのレビューは書けるものかー!とスッパリ断念していただけに、ここでハンターの名を出すことができてちょっと嬉しいです。可愛らしく年齢を重ねられていた姿に安心しました。


この回の殺人事件は、ドラマ開始の数秒後にいきなり始まってスグに終わってしまいます(先日レビューを書いたヒッチコック作品の『ロープ』並み!)。コロンボシリーズの中でもかなり速い展開と言えるかもしれませんね。事件自体はアッと言う間なので、あとは犯人のアリバイ工作の描写へと移っていきますがその展開のハヤイことハヤイこと!お決まりのヨレヨレのレインコートを着たコロンボが登場してからは、あのトボけた口調で犯人をイライラさせて追い詰めていくのですが、最後のコロンボの表情がまたいいんですね。あらあら困っちゃいましたねぇ!と言うかのようなあののすっ呆けた顔を見ていると、冷徹で傲慢で欲深いアッパークラスの犯人たちを必ず捕まえてくれるコロンボがますます大好きになってしまいます。

「二枚のドガの絵」は、証拠の積み上げに関してはやや弱いこともありちょっと強引な展開とも言えなくはないのですが、ただ個人的には「新・刑事コロンボ」での「大当たりの死」の回と似たところがあってフフフ!と楽しむことができました。人間、誰にでもスキはあるものですねぇ。





新・コロンボシリーズには「かみさんよ、安らかに(原題:Rest in Peace, Mrs. Columbo)」という回がありました。なんと「うちのかみさんがね・・・」が口癖だったコロンボ警部の奥さんのお葬式のシーンから始まり、コロンボに恨みを持つ女性が彼への復讐を果たそうとする執念深いオンナの怖さが光るお話でした。ドラマでは決して姿を見せることのないコロンボの"かみさん"ですが、この回ではコロンボが奥さんに向ける愛情がますます透けて見えるような気がして私は本当に好きでした。「いやぁ、うちのかみさんがね」「かみさん、きっと喜びますよ」・・・こういう温かさが、コロンボの魅力だったのでしょうね。

それでも今日は、そんなコロンボにもお別れを言わなくてはなりません。
「コロンボ警部よ、安らかに!」

・・・でもこんなことを書いていると「実はね、これ、トリックだったんですよ」なんて、コロンボ警部がいつもの飄々とした風貌でヒョッコリ現れそうな気がして・・・泣けてきます。いつまでもその姿は、これまでと変わることなくずっとずっと人々に愛され続けることでしょう。

Rest In Peace, Mr.Columbo!
ピーター・フォークさん、本当におつかれさまでした。
どうぞ安らかに・・・・・・



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  2011/07/22 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『ロープ』 (1948/アメリカ)

   ↑  2011/07/19 (火)  カテゴリー: サスペンス、ミステリー



ロープ/ジェームズ・スチュアート[DVD]【返品種別A】


●原題:ROPE
●監督:アルフレッド・ヒッチコック
●出演:ジェームズ・スチュワート、ファーリー・グレンジャー、ジョン・ドール、セドリック・ハードウィック、コンスタンス・コリアー 他
●あるアパートの一室で、フィリップとブランドンは大学の同級生を殺害する。その後、死体を衣装箱に隠して被害者の周囲の人々を招き、パーティが催されるのだが・・・。1924年にシカゴで実際に起きた「ロープ&レオポルド事件」に基づくパトリック・ハミルトンの戯曲の映画化。ヒッチコックが映画内の時間進行と現実の時間進行をリアルタイムに進めながら描いた実験的作品。



当時では前代未聞の「1リール分(約10分)を1ショット&編集ナシ」で撮っているという、この撮影方法だけでも話題になった面白い作品です。先日BSで放映されていたのを母が観ていたのですが、私も懐かしくなって【ヒッチコック コレクションBOX】にて再見。特典映像にあるメイキングで「フィルム交換をする時には、誰かの背中を大写しにして画面を真っ暗にしたが、かえって目立ってしまった・・・」という脚本家(アーサー・ロレンツ)の正直な感想には笑ってしまいました。た、確かに・・・(笑)。

常識破りの長回し撮影のため、カメラと俳優たちの動きを書き込んだ大きな黒板の助けを借りながら、撮影が行われた。「床にまで印が書き込まれ、25番から30番までと数字を書いたカメラが10分間の撮影を終えると、次のカメラと入れ替わるという感じだった」とヒッチコックは回想する。「壁はすべてスライドして、狭いドアの間をカメラが役者を追って通れるように作ってあった」。

カメラの動きを滑らかにするため、テーブルや椅子は常に小道具係によって並べ替えられた。「最大の問題は」とファーリー・グレンジャーは言う。「座ろうとしたときに、お尻の下に椅子があると信じる他ないことだった。小道具係が間に合うことを祈るしかないんだ」
【ヒッチコック・コレクションBOX I [DVD]】(ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン(株) )解説ブックレットより一部抜粋

ヒッチコック監督は、これらの"仕掛け"に夢中だったといいますから、奇才についていくスタッフやキャストは本当に大変だったことでしょうね。ヒッチコック作品は映画自体も面白いのですが、作品の舞台裏の方がもっと興味深かったりしますね。





それと、今まで私はまったく気づいていなかったのですが、実は『ロープ』には「同性愛」というテーマがベースにある、ということでした。そうだったのか・・・・・。

しかし、当時は教会などの意見が強くて検閲も厳しかった時代だったため『ロープ』でも言葉ではほとんど表されず、また暗示もされていないとのこと(前述の脚本家ロレンツのインタビューより)。「それが君の魅力だけれど」というようなセリフがあったり青年二人で旅行する、など暗に匂わせる表現は微妙にあったりしましたが、それでも人気俳優のジェームス・スチュアートが重要な役で出ており、世間もそこまで追及したり疑るようなことはなかったようです。それに、スチュアート自身もそのような立場を意図をせずに演技したようなので、本来の性的な部分は作品からは失われているのだそうです。ただふと気が付いたのですが・・・いつもはブロンド美女を使いたがるヒッチコック作品なのにこの映画に関しては「ブロンドは美男子だけ」という点。少し暗示的で面白いなと個人的に思いました。

それにしても、まだまだ保守的な観念が強かった1940年台のアメリカにおいて、若者による無軌道な殺人、そしてホモセクシュアルなどをテーマにした映画はかなり刺激的なものだったのではないかと思われます。

裕福で知的な若者が「自分たちは優れた者であり、劣った者を殺すのは当然の権利」という理由で友人を絞殺し、衣装箱に死体を隠す。そして、その衣装箱をテーブルにして殺した友人の家族や恋人を招いたパーティを開くという・・・今観てもとても悪趣味でコワイお話ですよね。

観る側は「あの中に死体が入っているんだ」と知っているだけに、ちょっとした会話や動作からもたらされる気味の悪さやスリルが増していきます。何といっても、メイドの女性が次々とテーブルの上を片づけを始め、箱を開けようとするシーン(画像右)の恐ろしさといったらありません。それこそ、うわぁぁぁぁ!!と思わず慌てふためいてしまうほど良くできた、とんでもないシーンです。プロットが非常にシンプルなだけに「見つかるのか?逃げ切るのか?」という単純な恐怖心を煽ってくる、技巧以外においてもよくできた作品だと私は思います。




そして、この映画。予告編もとても変わっているんです。

物語の冒頭で殺される青年デイビッドが恋人と登場し、公園で語り合った後に「またね」と言って別れるシーンが・・・つまり、本編には一度も出てこない映像を使って構成されているんです。この青年に「またね」は二度とないのですが「さぁこの後は映画本編でお楽しみください!」と言わんばかりの、内容を知りたくなってしまう心をくすぐる巧い予告編です。

ヒッチコック監督は若い頃にドイツの国策映画会社UFAの撮影所でセットデザイナーをしていたことがあり、裏方の仕事に通じていたといいます。どこに何を置くのか?どんなレンズを使うべきか?映画作りの現場におけるすべてを知り尽くしていたヒッチコックが、映画作品を作り上げることがいかに楽しかったことか、この『ロープ』を観るとそれが手に取るようにわかる気がします。

ヒッチコックの作り出す恐怖のジェットコースターは、やはりいつの時代になっても何度もトライしてみたくなる魅力がありますね!

ロープ@映画生活



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  2011/07/19 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit