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突然ですが「第68回(1995年度)アカデミー賞授賞式」を振り返ってみた!

   ↑  2011/12/31 (土)  カテゴリー: 映画いろいろ・・・
私はアカデミー賞授賞式を見るのが大好きで、毎年1月くらいからもう一人ソワソワしているような人間です。そこで今年最後の記事は、以前から書こう書こう!と思っていた「1996年(1995年度)アカデミー賞授賞式」を、2011年の年越しも押し迫った今、ヤッツケでupしようと思います(笑)。

1996年・・・感覚的にはほんの少し前、と思っていましたが、受賞作品やハリウッドスターたちの姿を改めて見直してみると完全に一昔前です。こうやって歳をとっていくのですねぇ・・・・






この年の司会者はウーピー・ゴールドバーグ。

今と違ってオープニングは、とにかく司会者が喋りまくる形式でした。現在の圧倒的なVFXを駆使した大掛かりな映像集とは全く違っていたのですねぇ。ウーピーは勿論ですが、計8回も司会を務めているビリー・クリスタルやスタンダップ・コメディアンとして鍛えられた機知に富んだお喋りが楽しかったボブ・ホープなど、芸達者な人たちがアカデミー賞を盛り上げていた良き時代。温か味があってちょっと懐かしく思いました。

場内のアチコチには、ハリウッドスターの笑顔笑顔。これを見るのが楽しみなんですよねー。

左:いつの間にか破局したミラ・ソルビーノ&タラちゃん
中:婚約解消する少し前のグウィネス&ブラピ
右:まだ結婚ホヤホヤだった頃のニコラス・ケイジとパトリシア・アークエット



左:今でも仲良しゴールディ・ホーン&カート・ラッセル
中:いつ見ても知的なおじさま、エド・ハリス
右:実はIQが高いシャロン・ストーン。笑いが止まりません。






【助演男優賞】

 (左列上段から。■が受賞)
 □『ロブ・ロイ/ロマンに生きた男』 ティム・ロス
 ■『ユージュアル・サスペクツ』 ケヴィン・スペイシー
 □『ベイブ』 ジェームズ・クロムウェル
 □『アポロ13』 エド・ハリス
 □『12モンキーズ』 ブラッド・ピット

 (プレゼンターはダイアン・ウィースト)


まずは「助演男優賞」。
ノミネートされている作品は、やっぱり今見てもナルホドなぁと思うものばかり。『ロブ・ロイ』以外は、当時映画館で観た覚えがあります。懐かしいなぁ。ブラピも『12モンキーズ』でお尻出したりして、イケメンやめるのを頑張ってましたね!



受賞したのは当時一番の注目株だったケヴィン・スペイシー。
彼は役者になるまで、かなりヤンチャ人生を歩んでおり手が付けられない"不良少年"だった人ですが、苦労をかけてしまったお母様に何度も何度も感謝を述べていました。とても誠実な挨拶がシンプルで好感度大!





【助演女優賞】

 (左列上段から。■が受賞)
 □『ニクソン』 ジョーン・アレン
 □『アポロ13』 キャスリーン・クインラン
 ■『誘惑のアフロディーテ』 ミラ・ソルヴィノ
 □『ジョージア』 メア・ウィニンガム
 □『いつか晴れた日に』 ケイト・ウィンスレット

 (プレゼンターはマーティン・ランドー)


この中では圧倒的に地味な存在の『ジョージア』のメア・ウェニンガム・・・正直、美人ではないですし地味になりがちな存在ですが、ドラマで時々見かけるたびにちょっと嬉しくなります。まだまだ頑張ってほしいなぁ!



助演女優賞は、オバカな役でウッディ・アレン作品に出演したミラが獲得。
ミラはハーバードを優秀な成績で卒業していてフランス語・中国語もOKという完璧な才色兼備さんなのですが、なぜか映画からはあまり伝わってこないのが残念(笑)。この後、女優としては大物!というところまでは来ていないのもザンネンですが、現在は3児の母とのこと。美しさは相変わらずで何とも羨ましい限り。





【栄誉賞(特別賞)】

映画史上初の全編CGの長編アニメーション作品である『トイ・ストーリー』が世に出たのもこの年でした。

これは、映画史に新たなページを書き加えることとなった画期的な出来事でもあり「コンピューターを駆使してのキャラクター作りに4年もかかりました」と挨拶したラセッター監督の言葉が表す通り、当時は大変な作業だったと思います(そしてこの4年後には、またまた映画史上初となる"全工程にデジタル技術を用いた"『トイストーリー2』が出来上がるわけです。時代が進むのは本当にハヤイ!)。100年の映画史の中の画期的な業績が讃えられ、この年はラセッター監督に「栄誉賞」が授与されました。


ウッディとバズの合成アニメーションの挨拶を挟み、その後はランディ・ニューマン&ライル・ラベットによる主題歌「You've Got a Friend in Me」も披露。因みのこの年の「作曲賞」「歌曲賞」は、ともに『ポカホンタス』がオスカーを獲っています。





【スペシャル・ゲスト】

落馬事故によって映画界から遠ざかっていたハリウッドスターのクリストファー・リーヴ。
脊髄損傷のため首から下が麻痺状態であった彼ですが、事故以来初めて公共の場に登場したことで話題となった年でもありました。かつての凛々しく美しく堂々とした「スーパーマン」の登場は、会場中から沸き起こるスタンディングオベーションによって力強く温かく迎えられました。



喝采の嵐の後、車椅子姿で「皆さん知らないでしょう。・・・僕は去年9月にNYを出発して、今朝やっと(ロサンゼルスに)到着したんですよ」と言って笑いをとるリーヴ。ユーモアのある楽しい人柄は変わりません。

「興行成績よりも社会問題を重視した勇気ある作品をご覧いただきましょう」
『ボーイズ’ン・ザ・フッド』『フィラデルフィア』『テルマ&ルイーズ』『冷血』『夜の大捜査線』『帰郷』『怒りの葡萄』『ノーマ・レイ』『シルクウッド』『プラトーン』『シンドラーのリスト』の映像とともに、社会派といわれる映画作品を紹介しました。
「ハリウッドはもっと行動すべきです。挑戦しましょう。社会問題に取り組むことに」

今でも私の心には、力強くて優しさとユーモアに満ちていたクリストファ・リーヴの堂々とした姿がクッキリと浮かびます。それは「スーパーマン」だった頃だけの彼ではなく、後に妻のディナさんとともに「クリストファー・アンド・ディナ・リーヴ麻痺資源センター」を開設し、身体の麻痺に苦しむ人たちに、より独立して生きることを教えることに専念し情熱を傾け、亡くなるまで車椅子で映画出演にも果敢に挑戦した、彼の懸命な生き方が忘れられないからです。『ある日どこかで』 (1980/アメリカ)のように、リーヴが亡くなった後に他界された奥様と一緒に美しい世界にいてくれたらいいなと思います。





【主演女優賞】

 (左列上段から。■が受賞)
 □『マディソン郡の橋』 メリル・ストリープ
 □『いつか晴れた日に』 エマ・トンプソン
 ■『デッドマン・ウォーキング』 スーザン・サランドン
 □『リービング・ラスベガス』 エリザベス・シュー
 □『カジノ』 シャロン・ストーン



「主演女優賞」のプレゼンターは、前年『フォレスト・ガンプ/一期一会』で主演男優賞を獲得したトム・ハンクス。


オスカーは『デッドマン・ウォーキング』のスーザン・サランドンへ。
場内は総立ち。スタッフの名前を挙げて感謝する彼女は「ショーン・ペン、あなたの知性と勇気とユーモアと・・・髪型に感謝!!」とスピーチして笑わせてくれました(ちなみに、賞レースに批判的態度のショーン・ペンは欠席←第76回アカデミー賞授賞式(2004年)に出席した時はニコニコだった笑

そして、ツルピカで笑う作者であり監督で演出家のティム・ロビンス。結婚はしていないものの長く夫婦同然であったロビンスへ「このオスカーはあなたのものでもあり、私のものでもあり、一緒に住んでいてよかったわ!」。これで第76回アカデミー賞(2004年)では、立場を逆に『ミスティック・リバー』で助演男優賞を獲ることになるロビンスがサランドンへ感謝の言葉を述べるわけですから・・・ハリウッド最強の演技派カップルでしたねぇ。この二人のパートナー解消(2009年頃)は、個人的にとてもザンネンでした。





【主演男優賞】


 (左列上段から。■が受賞)
 □『デッドマン・ウォーキング』 ショーン・ペン
 □『イル・ポスティーノ』 マッシモ・トロイージ
 ■『リービング・ラスベガス』 ニコラス・ケイジ
 □『陽のあたる教室』 リチャード・ドレイファス
 □『ニクソン』 アンソニー・ホプキンス


プレゼンターは、前年に『ブルースカイ』で主演女優賞を獲ったジェシカ・ラング。


この年の授賞式で、何と言っても私が一番面白かったのはこの賞でした。
受賞したのはニコラス・ケイジなんですけれど誰も立ち上がらないんですよ!サランドンの時は、スタンディングオベーションも凄かったのに。最も盛り上がる「主演男優賞」なのに(笑)!しかも『リービング・ラスベガス』で共演したエリザベス・シューが、一人頑張って周囲に促しているのに、ほぼ誰ものってこないのがキツイ・・・・

ただ、シューの後ろの席だったケビン・スペイシーが、周りを気にしながらお付き合いで立ったり座ったりしていました。こんなスペイシーの意外な"素の姿"を目の当たりにして、この人本当にいい人だなぁと心から思いました。

会場のこんなサムイ状態には、さぞやケイジも凹むだろうと思いましたが、いやぁ彼は強かった!「Oh,ボーイ!Oh,ボーイ!アイアム・・・アイアム・・・」なんて言いながら、事前に用意していた紙を読みながら物凄く嬉しそうにスピーチするケイジ。パパはやったぞ!とかガッツポーズもしちゃって、全く会場の雰囲気を読んでいないところがすごかったです。こんな明らかに祝福されていない状態って「主演男優賞」にしてはかなり稀だと思うのですが、どうなんでしょう・・・・





【作品賞】

で、ここではプレゼンターのシドニー・ポワチエが出てきただけで場内総立ち。ま、格が違うと言えば確かにそうなんですが・・・尊敬の念とか、人徳とか、まぁこれだけハッキリ表れる会場の雰囲気を見るのも、アカデミー賞の面白いところであります。

この年は、メル・ギブソンが制作・監督・主演を務めた『ブレイブハート』が作品賞を受賞。この作品は他にも「監督賞」「撮影賞」「音響効果編集賞」「メイクアップ賞」と計5部門に輝きました。メルギブ、この頃は良きパパとか家族愛が似合う素敵なヒーローだったのに、今では怒涛のスキャンダル続きでハリウッドからも見放されそうで大変なことになっておりますねぇ・・・・。またかつての栄光を取り戻してほしいところです!!





というわけで。
第68回(1996年)のアカデミー賞授賞式の放映時間は「3時間35分」でした。

そして、私の今年の映画日記ブログの更新もこれでお終い。
本当に毎回、大変なことがあった中でも好きなことだけを書き綴ってきた一年でした。こんなところまで読んでくださった方(そうです、そこの貴方様です!!)本当に感謝しております。
今年一年、大変お世話になりました。どこかでこれを読んでくださっている皆様に、きっときっと良い一年がぐるーんとやって来ますように。そっとお祈りしています。
今年も本当にありがとうございました。

それでは、皆様、どうぞ良いお年を!


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  2011/12/31 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『ワールド・オブ・ライズ』 (2008/アメリカ)

   ↑  2011/12/21 (水)  カテゴリー: シリアス、社会派




ワールド・オブ・ライズ 特別版 [ レオナルド・ディカプリオ ]


●原題:BODY OF LIES
●監督:リドリー・スコット
●出演:レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング、ゴルシフテ・ファラハニ、オスカー・アイザック、サイモン・マクバーニー 他
●死と隣り合わせの危険な任務に身を削るCIAの工作員フェリス。彼の上司ホフマンは、もっぱらアメリカの本部や自宅など平和で安全な場所から指示を送るベテラン局員。生き方も考え方も全く異なる彼らは「ある国際的テロ組織のリーダーを捕獲する」という重要任務にあたっていたが、反りの合わない2人はフェリスがイラクで接触した情報提供者をめぐる意見でも対立する。フェリスは、強引かつ非情なホフマンに不満を募らせながらも任務を遂行していくのだったが・・・。




邦題『ワールド・オブ・ライズ』の原作は、ワシントン・ポストの副編集長でありコムラムニスト、そして小説家でもあるデヴィッド・イグネイシャス(David Ignatius)の「Body of Lies」。これは、姿の見えない組織のカリスマ的リーダーを引きずり出すために嘘で塗り固められた死体(ボディ・オブ・ライズ)を敵に送り込むことという原題の意味に繋がっています。


【CD】Body of Lies by David Ignatius

中東問題やCIAの活動について詳しい彼の小説はその専門知識の高さとリアリズムが高く評価されており、更に徹底的に細部にまで拘りを持つリドリー・スコット監督による映画化となっただけあって、CIA内部の諜報活動およびそのシステム的な部分は勿論なのだとは思いますが、「ハリウッド映画」といえども所々に簡単なアラビア語やコーランの引用も入れるなどイスラム圏の生活感までもを丁寧に描いている点に、実はとても感心させれました。


例えばディカプリオちゃんが潜伏生活で着込んでいるセーターの柄は明らかに地元コーディネイトのものだし、ブルーグリーンの瞳が美しいディカプリオちゃんの目をブラウンに変えてムスリムっぽさを演出していたり、ヨルダン地元の女性が(なんとビックリ)チャイ屋さんでお茶を飲む時の周囲の男性たちの強い視線だとか、異性との握手を拒む表情やそれを見つめる周囲の人々の目のショットをうまく挟んでみせるなど、『イラク-狼の谷-』など反米中東映画に見慣れていた私でもほぼ違和感なく受け入れることが出来ました。

石油利権を巡って中東を舞台にCIAや大企業が絡む映画ではジョージ・クルーニ主演の『シリアナ』もありましたが、いずれにしても【アメリカが中東で行っていることは何なのか?】という強いテーマは共通するものがあります。

冷戦後のCIAが予算を失い弱体化とともに官僚化し、911が引き起こされた土壌はどのように出来上がっていったのか?という自国批判まで。






ラッセル・クロウ演じる上司の名字が「ホフマン(Ed Hoffman)」なのは(ドイツ系かもしれませんが)【ユダヤ系】を暗示させていてちょっと面白いなとも感じました。因みにディカプリオ演じるフェリスが恋に落ちる女性の名前「アイシャ」は、スンナ派では一番と言ってもいいくらいポピュラーで人気のある名前なので、これも分かり易くていいなと。

映画的には・・・
フェリス中心の目線で進むので、彼が信用し疑う者を同じ角度で追うことになるストーリーは一見退屈です。日本では「アクション・サスペンス超大作!!」とドーンと宣伝していましたが、テーマがテーマだけに娯楽映画にしては地味ですし、社会派にしては楽観的部分があるのも否めません。

が、ホフマンの子どもたちが、彼に世話をしてもらっていても冷めた顔をしているところなど、細かいけれど巧いなと思いました。子どもって"ながら"作業されているのは分かりますもんね(笑)。一見お世話上手の器用さがありながら非情・冷酷さを併せ持つホフマンの姿は「自分を"アメリカ"気取りするな」と言ったフェリスの言葉に被るものがあります。





原作者イグナシアスの主要テーマに沿い、アメリカの政治的欺瞞と不信を描いた『ワールド・オブ・ライズ』はエンターテイメント作品として地味ながらも細部に拘って仕上がっていましたし、中でも最終的にフェリスが下した決断は、最も対米・中東感情に配慮したラストだったと思います。

それにしてもディカプリオちゃんは、環境問題や政治問題にも積極的に取り組む仕事熱心ないいこに育ったなー。それが嬉しい映画でした。


Body of Lies author discusses Leonardo DiCaprio


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  2011/12/21 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『荒野の七人』 (1960/アメリカ) ~メイキング・オブ「荒野の七人」

   ↑  2011/12/16 (金)  カテゴリー: アクション、パニック




荒野の七人 アルティメット・エディション スタジオ・クラシック・シリーズ DVD全2枚セット【楽ギフ_包装選択】



●原題:THE MAGNIFICENT SEVEN
●監督:ジョン・スタージェス
●出演:ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ヴォーン、ホルスト・ブッフホルツ、ブラッド・デクスター、イーライ・ウォラック 他
●黒澤明監督の名作『七人の侍』を、西部劇の巨匠ジョン・スタージェス監督が舞台をメキシコに置き換えてリメイクしたウェスタン大作の傑作。毎年、野盗に襲われるメキシコの寒村イストラカン。そこで村の長老は銃を購入して戦うことを決意するが、出会ったガンマンのクリスの助言により助っ人を雇うことに。わずかな報酬にすぎなかったが、農民達の熱意に打たれて7人のガンマンが集まってくる・・・!!




【The Magnificent Seven - Elmer Bernstein Theme Song】
何はともあれ、やっぱりこの曲。

エルマー・バーンスタインのこのメインテーマはとても不思議で、まるで荒野を馬が駆け抜けるようなスピード感溢れるイメージなのですが、実はこのテーマ曲がかかる時の映像はどちらかというとノンビリムード。それなのにこの爽快感にはワクワクと心躍るものがあります。
・・・映画とは全く関係ない話ですが、私が自転車に乗る時のメインテーマでもあり、我が家のチビッコがトイレに行く時に口ずさみながら歩いていくテーマ曲でもあります。この軽快感がいいのだろうか・・・(笑)

原作である黒澤映画の重々しさなど一切なく、ドライでシンプルな西部劇。
アメリカでの公開時は不調ですぐに打ち切りになったのですがヨーロッパで大ヒットし、再びアメリカに上陸して注目を浴びたという面白い経緯もあります。制作に関しては脚本、役者などでゴタゴタもあったものの、映画の内容と同じように当時のハリウッドシステムに属さない各分野のプロが集められて出来上がったというユニークな作品となりました。

映画本編はもちろん面白いのですが、今日は【アルティメット・エディション】のDVDに収録されているメイキングからの感想を主に書いてみたいと思います。ジェームズ・コバーン、イーライ・ウォラック、ウォルター・ミリッシュ(制作総指揮)、ロバート・レリア(助監督)による音声解説や、"Guns For Hire - The Making of The Magnificent Seven" というドキュメンタリーなどが盛り沢山に収録されていて、何度も繰り返して観ているような『THE MAGNIFICENT SEVEN』ファンには堪らないセットです。




当時、ブリンナーは既にスターとしての地位を確立しており、しかも才能豊かで何をやらせても完璧にこなしたといいます。「現場でも(『王様と私』そのままのように)シャムの王様みたいに威厳ある態度で振る舞っていたよね(プププ!!)」とDVDの解説でも皆に思い出し笑いされていますが、映画での衣装だけでなく、普段からも黒ばかりを着ていたそうです。彼の佇まいは、見るからにバチバチッ!と音が聞こえてきそうなほどの威厳が感じられます。

そうそう。解説では「帽子を一度もとっていないんじゃないかな」と言われていましたが、実は『荒野の七人』のなかでブリンナーは一度だけ帽子をとっているんです。私も今回観直してみるまで、この映画ではブリンナーは常に帽子を被りっぱなしだと思い込んでいたくらいですが、ホルストが村の娘を見つけて馬に乗せて連れてくるシーン。ここで僅かな時間ですが、帽子をとって作業している彼を確認することができました。ちょっとした再発見です。



とにかくこの「大スターのユル様」が中心となって撮影は進んでいくのですが、そんなブリンナーの過去のインタビュー映像を見てビックリしたことが・・・。今や伝説の大スターとなっているスティーヴ・マックィーンやジェームス・コバーン、チャールズブロンソンまでもが、当時の彼にとってはみーんな「ヤング・アンノウン・キッズ」だったんですね。「うーんマンダム」のあのブロンソンが、あのオジサマが!【キッズ】と言われていたなんて(笑)。誰でも昔はみんな若かったってコトですねぇ・・・・



そして『荒野の七人』で避けては通れないこの話。よく言われるのは、主演のユル・ブリンナーとスティーヴ・マックィーンの対立


この二人の"対立"は、この映画を観ていて本当に一番面白いかもしれません。
マックィーンは何をするにしても何気ない演技でチョロチョロ動いているのがわかります(笑)。ヒラヒラと帽子を振っては被ったり脱いだり、或いは弾をシャカシャカ振ってみたりと、生真面目そうでちょっとスカした風のブリンナーの後ろで一人コミカルな演技をして懸命に目立とう!!としている姿を見ることが出来ます(但しブリンナーから「二度と勝手な事をやるな!」と叱られてからは、やらなかったそうです笑)。『タワーリング・インフェルノ』で共演のポール・ニューマンと同じ量のセリフを要求した、と言われるマックィーンの負けん気の強さやエネルギッシュさは、この頃から筋金入りだったのでしょうね。

しかも実は、マックィーンはホルスト・ブッフホルツが演じた「チコ」の役をやりたかったようなんですね(分かる気がする・・・)。なので、マックィーンのメラメラと燃える対抗心は、まだ若かったホルストにまで及ぶのでありました。「俺の方がうまく演れる!」とか、ホルストが川辺で闘牛の真似をするシーンをラッシュで見て「あいつはこの映画を乗っ取る気なんだー!」とか。「マックィーンの対抗心はすごかった、でも結局は彼の一人芝居。なんたってユルが王様なんだから」と、冷静に低音で語るジェームズ・コバーンの解説には笑いました。

そういった事態が頻繁に起こる中、それでも監督はこのような対立を止めなかったと言います。それどころかうまく煽って、多様な性格や個性を混ぜ合わせる事で競争心をかき立て、そこから連帯感を育てていったといいます。血気盛んな若者たちが「我こそは!!」と前に出てくるこの映画は、『大脱走』でもそうですが、切磋琢磨しつつ互いに友情を育む役者たちをうまく捌いていく才能のあったスタージェス監督あってこそ、見事に完成した作品だったのかもしれません。



このメイキングでは、他にも『荒野の七人』での興味深い裏話が沢山語られています。


例えば、今作の"隠し玉"であるドイツ人俳優のホルスト・ブッフホルツ(『ライフ・イズ・ビューティフル』のトボケたお医者さんですよ)や、映画史に残る「メキシコ系悪役」がガッチリ定着しているイーライ・ウォラック(本当はポーランド系ユダヤ人!)、そして七人衆のリーダーであるブリンナーもアジアの血が入ったロシア系だったりするという・・・西部劇なのに、なぜかエキゾチックな俳優たちが配役されているという意外性。考えてみればユニークな話です。企画、制作、公開当時としてはかなりチャレンジングな映画として存在していたため、まさかこの作品がこれほど世に残るような「名作」と言われるまでになるとは、監督を始め誰一人として想像もしていなかったようです。

そういう肩の力が抜けた感じも、結果としては良かったのかもしれません。
イーライ・ウォラックなど「いつも手元を見ながらの銃を仕舞うのは、盗賊のボスとしてはちょっと・・・」と監督にダメ出しをされていたのですが、本人はあまり気にしていなかった様子(でも今見ると銃の扱いがテキトー過ぎて、まるで子どものお遊戯会を見ているようですごく可笑しいです笑)。コバーンは「寡黙な役なので、セリフが11しかなかった!・・・でもどうしてもやりたい役だったから、家でもナイフ投げの練習をした」とか、「ブロンソンは、競争心の激しい共演者の中でも誰とでも仲良くできる奴だった。でも3人以上になると無口になっていたな」などなど、当時の貴重な舞台裏の様子が幾つも幾つも出てくるのです。



このメイキング制作当時、メインの役者の中で他界していたのはブリンナーとマックィーンだけでしたが、2011年現在で存命なのはクールで陰のあるガンマン、リーを演じたロバート・ヴォーン(79歳)と盗賊のボス、カルヴェラを演じたイーライ・ウォラック(95歳)のみとなりました。後に、様々な形で互いに共演することがあった彼らですが、いつまでも楽しめる映画を残していってくれたことに感謝するばかりです。


・・・そしてこれ。マックィーンがブリンナーに怒られちゃったのかな?と想像を膨らませてくれるようなテンションの低い1ショットなのですが(笑)、こんな風にしていつまでもこの映画は色々な意味で楽しませてくれます。文句なしの輝かしい娯楽映画――これが私にとっての『荒野の七人』なのです。

荒野の七人@映画生活




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  2011/12/16 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『トイ・ストーリー3』より ~ジプシー・キングス「You've Got A Friend In Me' 」

   ↑  2011/12/12 (月)  カテゴリー: 映画いろいろ・・・
Disney/Pixarによる「トイ・ストーリー」シリーズは、普段は我が家のチビッコが好んで観る映画なのですが、今日は大人のためのトイ・ストーリーを!

『トイ・ストーリー3』(2010/アメリカ)ではバズがスペイン語モードになってしまうこともあり、あのジプシー・キングスが歌う「You've Got A Friend In Me」のスペイン語バージョン「Hay un amigo en mi」が収録されています。ジプシー・キングスのあの"渋カッコ良い"歌声は、最終シリーズでちょっと寂しくなりそうだったエンディングを華々しく飾ってくれました。

今日ご紹介する動画は、アメリカの「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」という人気番組(日本で言うならウッチャンナンチャンの社交ダンス部のようなもの)で披露されたGipsy Kingsの演奏による「You've Got A Friend In Me」の熱~いステージです。



・・・す、素敵すぎる!!
毎日寒い日々が続きますが、これを見て今週も元気に参りましょう!





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  2011/12/12 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

最近観た【アメリカ映画】をまとめて三本 ~『スカイライン-征服-』『シャーロック・ホームズ』『脳内ニューヨーク』

   ↑  2011/12/09 (金)  カテゴリー: サスペンス、ミステリー
少し前からケーブルTVに加入した我が家では、来年開けくらいまでですが「映画専門チャンネル」などが自由に観られるようになりました。そのため、有難いことに今まで以上にレンタルも含めて映画を観る機会が増えてしまい「映画日記」と言いながらもまったくレビューが追い付かない状態に・・・。そこで勝手にまとめて3本パパッと簡単な映画感想memoとして残しておくことにします。今日は【アメリカ映画】3本立てです。



『スカイライン-征服-』(2010/アメリカ)





★【送料無料】 BD/洋画/スカイライン-征服-(Blu-ray)/SHBR-38


●原題:SKYLINE
●監督:コリン・ストラウス、グレッグ・ストラウス
●出演:エリック・バルフォー、スコッティー・トンプソン、ブリタニー・ダニエル、デヴィッド・ザヤス、ドナルド・フェイソン 他
●ある日L.A.上空にいくつもの巨大な飛行物体が飛来。そこから発せられた青い光が人類を次々と吸い上げ、巨大飛行物体からは大量の巨大生物が放たれる。為す術なく逃げまどう人類は・・・。「デイ・アフター・トゥモロー」「2012」「アバター」など錚々たる作品の驚愕の映像を手掛けたVFXチーム:Hydraulx(ハイドラックス)が、最新の映像技術とリアリティで描くSFパニック・アクション。


私はいつもこの手の映画を観て思うのですが、飛行体が吹っ飛んであれだけ建物の瓦礫や破片なんかが降ってきたら、怪獣にやられる~!!というよりもブロックなんかに当たって痛い目に合う確率の方が高いんじゃないかと・・・・その辺は言いっこナシですね。吸い込まれた後にも話が続いていて、アレには本当に参ってしまった。そうか「食当たり」だったんだ(笑)!!しかも、新種人間が怪獣の被り物をブッ壊しているみたいで、せっかくの山場で笑いそうになってしまった。続編出たら観るしかないかも・・・(笑)

スカイライン-征服-@映画生活





『シャーロック・ホームズ』(2009/アメリカ)



【Blu-ray Disc ブルーレイ】シャーロック・ホームズロバート・ダウニーJr./ジュード・ロウ [CWBAY-26281]


●原題:SHERLOCK HOLMES
●監督:ガイ・リッチー
●出演: ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス、マーク・ストロング、ケリー・ライリー、エディ・マーサン 他
●19世紀末のロンドンで若い女性が不気味な手口で殺される事件が発生。ロンドン警視庁が解決の糸口さえ掴めない中、ホームズはたちまち犯人を突き止める・・・。有名な私立探偵シャーロック・ホームズを、ワイルドな武闘派として描いたミステリー・アドベンチャー。


ホームズだし、ガイ・リッチーだし、ジュード・ロウだし・・・私はずっとイギリス映画だと思い込んでいた・・・。ロバート・ダウニーJr.は、私生活が波乱万丈だったけれど、資質も才能も豊かな俳優さんで、コメディもアクションも音楽もこなすことが出来る"ベース"の確かさがあります。表情や動きがクラシカルな俳優と似たところがあって、役者としての動きが美しい。それをブツ切りにした映像は勿体ないなぁと思います。ガイ・リッチー、映像に頼り過ぎなところが、最近ますます露呈してきた気が。パワフルなアイディアで凄く面白い(しかも配役も良い!!)のに、内容はあまり残らずザンネン。

シャーロック・ホームズ@映画生活





『脳内ニューヨーク』(2008/アメリカ)


脳内ニューヨーク [ フィリップ・シーモア・ホフマン ]


●原題:SYNECDOCHE, NEW YORK
●制作、監督、脚本:チャーリー・カウフマン
●出演: フィリップ・シーモア・ホフマン、サマンサ・モートン、ミシェル・ウィリアムズ、キャサリン・キーナー、エミリー・ワトソン、ダイアン・ウィースト、ジェニファー・ジェイソン・リー
●妻と娘に去られ行き詰まった劇作家のケイデンは、舞い込んだ賞金をすべて注ぎ込み、脳内に描く理想のN.Y.を現実のN.Y.の中に作るという一世一代のプロジェクトを実行するのだったが・・・。『マルコヴィッチの穴』の脚本家、チャーリー・カウフマンの初監督作。


最高に陰気で悲劇的でシュール。黒板を爪でキーキー引っ掻き続けているような、真剣に観れば観るほど吐き気をもよおすほど病的で居心地の悪い不快感もあり。ただ、出てくるわ出てくるわ状態の俳優陣がスゴイ。いくら自分を客観視しても見えてこないものがあり、思い通りの人生にはならないものだけれど・・・どこかリアルで笑ってしまうそれらカオスの中、出演者の表情や一挙一動を見守るしかなくて、結局最後まで釘付けになってしまった。諦めや温かさすら感じるこの作品を映像化しようと思ったこと、企画が通ったこと、あちこちで受賞して評価されていること・・・・ハリウッドという世界のスケールや奥深さをただただ感じます。今更言うことでもないが、チャーリー・カウフマンという人は本当に予測不可能で型破りな世界観を生み出すなぁ。

脳内ニューヨーク@映画生活





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  2011/12/09 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit