お散歩シネマ 映画の世界へ出かけよう!!映画の数だけ、もっと世界は面白くなる! 

このページの記事目次 ( ← 2013年07月 → )

「君はともだち」"You've Got a Friend in Me"

   ↑  2013/07/28 (日)  カテゴリー: 映画いろいろ・・・
今日は、我が家のこどもにとって初めてのキャンプの日。そして、生まれて初めて家族と離れてお泊りをする日。・・・ということは、私も初めて子どもと離れて過ごす日。

いつもキーキー言ってばかりの毎日だったので、お友達や先生方と一緒に元気に出かけて行った子どもを見送った後「さーてと。ゆっくりコーヒーでも飲んで映画でも観ようかなぁ~♪」なんて思っていましたが、実際静かになってみると一体何をしていいのやらわからなくなり、結局いつも通り過ごしてしまいました。何をやっているんだワタシは。一人でいる時間の過ごし方を忘れてしまったのかなぁ。



それで、今日出かける前に子どもがyoutubeで見ていた「You've Got a Friend in Me」の検索の中で気になる動画があったのでちょっと見てみました。



この動画、どうやらセントルイス大学(Saint Louis University)のア・カペラグループの仲間が友人の「ピーターさん」に向けて歌っているものらしい。私は「ピーターさん」じゃないけれど、この照れくさそうな仲間たちの温かな歌声にちょっと感動してしまって「こんな友人たちがいるピーターさんとは誰ぞや?」と探すことに。今夜くらいしか出来ないことだ。


いやー、しかしインターネットとは本当にすごいもので、今の今まで「ピーターさん」には縁もゆかりもなかった遠い国日本に住む私ですが、本当に彼を探し出してしまいました。

この動画がUPされた背景には、ア・カペラグループの主軸でもあった「ピーターさん」が脊髄損傷を負うほどの車の事故に遭い、医療記事となるほどの大掛かりな処置が行われ闘病中だったという辛い事実がありました。そして、そんな彼を励ますために仲間たちがこの「You've Got a Friend in Me」を贈ったんですね。「きみはともだち」は日本語でのタイトルですが、「You've Got a Friend in Me」つまり「君にはぼくがついているよ」「ぼくという味方がいるんだよ」という気持ちが(この動画からは特に)ジーンと伝わってきて、これまでにも増して素敵な英語表現だなぁと思いました。


ほんと、この動画からの話題とはなんの縁もない当ブログですが、我が子の愛する映画『TOY STORY』の主題歌「You've Got a Friend in Me」繋がりで、ここ日本からもリハビリに励むPeter Vishneskiさんのことを応援していたいと思います。これからも彼の仲間と歌声が、どうかピーターさんを支えてくれますように。



■この記事に関連する映画制作国、地域 : アメリカ映画 

FC2共有テーマ : 個人的な映画の感想 (ジャンル : 映画

  2013/07/28 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

【ニコラス・ケイジ映画】をまとめて2本~『ブレイクアウト』『ゲットバック』

   ↑  2013/07/20 (土)  カテゴリー: サスペンス、ミステリー
いつか書こう書こう!とは思っていたんですけどね、最近のニコちゃんの出演作、だんだん区別つかなくなってきて本気で困っています。

ペギー・スーの結婚

ワイルド・アット・ハート

ザ・ロック

フェイス/オフ



むかーしのニコちゃんは良かった。
『ペギー・スーの結婚』『赤ちゃん泥棒』『月の輝く夜に』『ワイルド・アット・ハート』など、ちょっとパッパラパー気味の顔で、気のいいお兄ちゃん役を立っているだけでも可笑しいというスゴクいい存在感で演じていたし、90年代後半からの『ザ・ロック』『コン・エアー』『フェイス/オフ』『スネーク・アイズ』なんかでは、見た目危ない感じの必死さを売りにガンガン楽しませてくれました。今も時々ではありますが『魔法使いの弟子』とか『キックアス』『ゴーストライダー』『ナショナル・トレジャー』なんかで笑わせてくれますが。


『NEXT -ネクスト-』 (2007/アメリカ)     最近観たアメリカ映画をまとめて3本 『崖っぷちの男』『ハングリ-・ラビット』『アベンジャーズ』
それなのに・・・・当ブログでは時々書いているのですが『NEXT -ネクスト-』(2007年)『ハングリー・ラビット』(2011年)など、近年いわゆる【ケイジもの】が顕著に続きまくるようになり一体どれがどのケイジものなのやら本当に分からなくなってしまった。毎回同じパターン、同じ設定の映画ばかりで、もう飽きた・・・

でもここでアッサリお別れするのは悲しいので、愛を込めて【ケイジもの準新作】2作品の感想を残しておくことにします。最新作は、ジョン・キューザックやヴァネッサ・ハジェンズと共演する実話ベースの殺人鬼スリラー『The Frozen Ground』とのこと。期待してますから!





『ブレイクアウト』 (2011/アメリカ)



ブレイクアウト【Blu-ray】 [ ニコラス・ケイジ ]


●原題:TRESPASS
●監督:ジョエル・シューマカー
●出演:ニコラス・ケイジ、ニコール・キッドマン、ベン・メンデルソーン、カム・ジガンデイ、リアナ・リベラト、ジョルダーナ・スパイロ、ダッシュ・ミホク 他
●美しい妻と反抗期の娘と豪邸に暮らすダイヤモンド・ディーラーのカイル。ある日、武装した強盗一味が家に押し入ってくる。そして「妻を助けたければ金庫を開けろ」とカイルに迫る。しかし、そんな絶体絶命の状況にもかかわらず、なぜか解錠することを頑なに拒み続けるカイルだったが・・・。監督は「フォーン・ブース」「オペラ座の怪人」のジョエル・シューマカー。ニコラス・ケイジとニコール・キッドマンというオスカー俳優初共演によるサスペンス・アクション。




【ケイジもの映画】とは、嫁やパートナーは超美人、「美人嫁のため~」とか「愛する我が子のため~」と犯罪に巻き込まれるニコちゃんが髪を振り乱して必死に走りまくるというもの。

そして今回の【美人妻】は、なんとハリウッド最高レベルのニコール・キッドマン。しかもニコちゃんに心底ベタぼれ風で、これなら彼も大満足!!という、たったそれだけを見せつけられたような映画でした。だってなんのヒネリもないじゃないか。


なので、(一応)物語は二転三転するものの、最後の方はもうどっちだっていいや状態。
強盗団も間抜けだし、意外性もなく、展開は地味で緊迫感にも欠けるし。それに気づいたからなのか、ニコちゃんも夫役ではなく強盗役の方をやりたがっていたそうで。アメリカ本国でもかなり不評だったようですが、日本でよく劇場公開になったものだなぁ。ケイジ×キッドマン×ジョエル・シューマカーという話題性のみでしょうか。





『ゲットバック』 (2012/アメリカ)


ゲットバック【Blu-ray】 [ ニコラス・ケイジ ]



●原題:STOLEN
●監督:サイモン・ウェスト
●出演:ニコラス・ケイジ、ジョシュ・ルーカス、マリン・アッカーマン、サミ・ゲイル、ダニー・ヒューストン、M・C・ゲイニー、マーク・ヴァレー、エドリック・ブラウン、バリー・シャバカ・ヘンリー 他
●「コン・エアー」の主演ニコラス・ケイジとサイモン・ウェスト監督が再びタッグを組み、銀行強盗の男が誘拐された娘を奪還するために戦う姿を描いたサスペンスアクション。銀行強盗の罪で服役していたウィルは、出所した足で娘アリソンに会いにいくが、父親が許せないアリソンはウィルの前から立ち去ってしまう。しかし、その直後、ウィルの電話に「娘を誘拐した」という脅迫が入り、ウィルが8年前の犯行時に失った10億円を引き渡すよう要求してくる。ウィルは犯人を追いながら身代金のために再び銀行強盗を計画し、仲間の裏切りや警察の追跡にあいながらも、娘を救うため奔走するが・・・。



こちらはロン毛振り乱して走り回った懐かしき『コンエアー』のサイモン・ウエスト監督。


今回も愛するこどものために「ぬいぐるみ」抱えてます。本当にもう「ぬいぐる」みはいいんです。首をかしげて怪しげに突っ立つのも、もういいです。それ全部『コンエアー』で観ましたってば。全体的にセルフパロディというか、完全にギャグとしか思えない詰めの甘すぎるサスペンス映画でした。



しかしまぁ、毎回監督は違うのに、どうしていつも同じような映画に見えてしまうんだろうか。「成長が見られない」と言うならまだいい方で、最近は特に走る時の手の振り、脚の運びが遅すぎるのがメチャクチャ気になるんです。アクション映画なのに、ニコちゃん明らかに50m12秒で走る女子のよう。スピード感がなくなっているのは哀しい。






で、最新作「ザ・フローズン・グラウンド(原題)」ですが・・・
猟奇的殺人犯マイク・フレミングを演じるのがジョン・キューザックの方で、ニコラス・ケイジは彼を追う州警察の警官だとか。変質ド変態役ならニコちゃんの方がよかったのに!!

予告編を見る限り「ニコちゃんが新境地を開いた!!」とは言えないですね。あまり変わり映えのない役どころですし。せっかく良い存在感を持っているのだから、その味をうまく活かした作品に出てくれるのを今後もずっと待ち続けたいと思います。
ニコちゃん、ホントおねがいよー



■この記事に関連する映画制作国、地域 : アメリカ映画 

FC2共有テーマ : 俳優・男優 (ジャンル : 映画

  2013/07/20 | Comment (4) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『昨日・今日・明日』 (1963/イタリア、フランス)

   ↑  2013/07/09 (火)  カテゴリー: コメディ

昨日・今日・明日 HDニューマスター版 / 洋画


●原題:IERI, OGGI, DOMANI / YESTERDAY, TODAY AND TOMORROW(英題)
●監督:ヴィットリオ・デ・シーカ 
●出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、ジョヴァンニ・ルドルフィ 他
●S・ローレンとM・マストロヤンニ共演の3話からなるオムニバス。妊娠していれば逮捕を免れると知った女性が、 夫を頑張らせるが・・・(第1話「アデリーナ」)。上流階級の人妻と、青年との浮気の行方は・・・(第2話「アンナ」)。若い神学生が惚れたのは隣りに住む気ままな高級娼婦だった・・・(第3話「マーラ」)。



※この記事は、2008年以前のレビュー記事より映画を再見→再投稿したものです
Amazonの購入履歴でみると、この映画を初めて観たのは2003年のことだったようです。イタリアへ行く前のことだったんだ!それからも何度かこの映画を目にする機会があったけれど、再度IMAGICA BS放映のものを見直す機会があったので、削除してあった2007年時のレビューに追記という形で復活投稿。

3話からなるオムニバス形式ですが、いずれも都市部でのエピソードなのにイタリア映画お得意の"艶笑喜劇"という大らかで牧歌的なエロティシズムを端々に感じさせてくれる、イタリアの町や人々の表情が好きな映画です。


tapelinepink.jpg
第一話 ナポリ:「アデリーナ」

『昨日・今日・明日』という映画の中で一番驚いたのが、実はこの「アデリーナ」という一編、本当にナポリであった実話をもとにしたエピソードだったということ。逮捕を免れるために知恵を絞った結果が"とにかく妊娠し続ける!"という、正に体を張った女性の逞しさでもありましたが、そこには常に乳児を抱えた子沢山な上、痩せ衰えていくご主人の悲哀も(笑)。下町に暮らすナポリ女たちのパワフルさと、互いに協力し合う人々の情の篤さを感じさせてくれる楽しい一編です。お尻丸出しでベッドに転がる赤ちゃんたちも可愛らしい!

脚本を担当したのは、フェデリコ・フェリーニ、オーソン・ウェルズ、ダリオ・フォなどが師として仰いだというイタリア演劇界の巨匠エドゥアルド・デ・フィリッポ(Eduardo De Filippo)。ナポリが誇る劇作家であり俳優、さらには演出家、映画監督、詩人や政治家など様々な顔を持つ彼は、『昨日・今日・明日』と同様に、デ・シーカ監督とマストロヤンニ&ローレンで作られ同じくナポリを舞台とした人情喜劇『あゝ結婚』の原作者なのでもあります。
※日本語で彼のことをもっと知る上で、【エドゥアルド in Japanプロジェクト】というサイトがとっても面白かったです!



tapelinepink.jpg
第二話 ミラノ:「アンナ」

ほのぼのとした軽やかなユーモアのある前後2作品に比べて、ミラノ中心部をそのまま撮影し、ブルジョア社会やセレブリティを皮肉っている辛口な一編がこの「アンナ」。

それもそのはず!過去にデ・シーカ監督と共に『子供たちは見ている』や『自転車泥棒』といった作品を世に送り出してきたイタリアン・ネオリアリズモの騎手チェーザレ・ザヴァッティーニ(Cesare Zavattini)が脚本を担当しているのですから。また、代表作「無関心な人々」「倦怠」等で人間の孤独と疎外を写実的な心理描写で描いてきたアルベルト・モラヴィア(Alberto Moravia)の「TROPPO RICCA」という小説がもととなっています。デ・シーカの映画監督としての原点―"現実を描写する"という手法を用いて社会批判的な視点が貫かれているこの作風は、『昨日・今日・明日』というオムニバス作品の中では異質(で不人気)ながらも、ちょっと面白いなぁと思います。

自分以外のものには興味もないのに「自分は孤独だ」と愛について御託を並べ、お金や宝石に埋もれた生活に嫌気がさしたと言う彼女の空虚な存在感。自分の高級車が事故に遭った途端、貧乏マストロヤンニをさっさと捨てて我が儘で高飛車な本性を剥き出しに。ソフィア・ローレンのオンナとしての奔放さが出色。ミラネーゼ風アクセントも高飛車感があってドキリ。生真面目なオジサンを演じる時のマストロヤンニは、それが彼の素顔に一番近い気がして私は大好きです。



tapelinepink.jpg
第三話 ローマ:「マーラ」

『昨日・今日・明日』というイタリア映画では、ナポリ、ミラノ、ローマという主要三都市が舞台となっていますが、もう一つ忘れてはならない存在が、この「マーラ」で出てくるマストロヤンニ演じる"ボローニャの人(Bolognese)"です。

もともとイタリアは長年にわたって栄えてきた都市国家を束ねた共和制の国ですから、今でも各地域における"国民性"や郷土愛が非常に強いのです。そのためこの「マーラ」というエピソードでは、ヨーロッパ最古の歴史を誇る学問の都であり、美食の街であり、働き者と言われる北部人ボロネーゼをマストロヤンニが面白可笑しく演じています。あ、因みに二話「アンナ」の舞台であるミラノ人のイメージは、センスが良くて裕福で鼻持ちならない人、といったものが一般的かと。ミラネーゼの皆さんスミマセン!でもアンナのイメージそのままですね(笑)。

また数々の映画でカップルを演じてきたローレンとマストロヤンニですが、この二人ってどんなにベタベタとキスしてもシリアスなセクシーさが感じられなくて(これは良い意味で)、互いに朗らかだったりエキセントリックだったりしながらも、激しすぎない相性の良さが抜群だったからこそ沢山の映画が作られたんだろうなぁと思いました。


1994年の米映画『プレタポルテ』でも、再び二人がこのシーンを演じてくれましたね!
お人よしで正直者のマストロヤンニと、情が深くて信心深い娼婦のローレン。いわば、お得意の分野で伸び伸びと楽しそうに演じる二人の掛け合いが見ていてとっても楽しい!マストロヤンニの「んにゃっ!!」「わぉぉぉぉぉん!!」と遠吠えした後にお預けを食らう場面は、イタリア映画史に残る名場面だと思います。



 『あゝ結婚』 (1964/イタリア)
レビューはコチラから:『あゝ結婚』 (1964/イタリア)
本作の成功に続いて、『あゝ結婚』『ひまわり』という名作を生み出したデ・シーカ監督×マストロヤンニ×ローレンという黄金トリオは、私をイタリア映画好きにしてくれた人たちでもあるのです。



■この記事に関連する映画制作国、地域 : イタリア映画 

FC2共有テーマ : ★イタリア映画★ (ジャンル : 映画

  2013/07/09 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

『インド・マレガオンのスーパーマン』 (2008/インド)

   ↑  2013/07/04 (木)  カテゴリー: ドキュメンタリー、アニメ
Supermen of Malegaon インド・マレガオンのスーパーマン【NHK 国際共同制作 発掘アジアドキュメンタリー】
●原題:Supermen of Malegaon
●監督:ファイザ・アハマッド・カーン
●出演:シャキール・バーラティー、ファローグ・ジャーファリー、アクラム・カーン、シャフィーク、ナジール・シャイク 他
●抱腹絶倒!映画作りの舞台裏。マレガオンは、インド西部のマハラシュトラ州にあるイスラム教徒が暮らす町。若者たちが、ハリウッドとボリウッドを強烈に意識しながら、人気映画「スーパーマン」のパロディ映画『Malegaon Ka Superman』を制作した。そこには、現代の世界やインド社会への痛烈な皮肉が込められている。最近、マレガオンで生み出される低予算映画は「モリウッド」映画と呼ばれ、インドで人気を博すようになってきた。十分なお金も、撮影機材も、経験もない。それでも映画を作りたい・・・。映画「スーパーマン」の制作風景の一部始終を追いながら、夢を追い、奮闘する若者たちの情熱を描く。2008年度 アジアフィルム賞 in ローマ【ベストドキュメンタリー賞】受賞作品。




インド西部のマハラシュトラ州にあるマレガオン。機織り機の音がひっきりなしに聞こえてくる織物産業中心のこの町の人々は、みんな映画が大好き。「一週間ずっと働き詰めだったんだから、週末は皆でハッピーな映画を観て楽しむんんだ!」歌と踊りと美女とスーパーヒーロー、サービス精神いっぱいの独特な世界観を持つ映画がインド人に好まれるのは、人々の生活の中で「映画」が求められているからなんだなぁ。



このドキュメンタリーでは、マレガオンという町で「スーパーマン」をパロディにした映画『Malegaon Ka Superman』が低予算で作られていく過程をユーモアたっぷりに見せてくれます。いや、制作側はみんな大真面目なんだけれど、それが可笑しく見えてしまうのですね。



スーパーマン役のシァフィークさんは主役なのに一番弱々しい上に、身体を張った過酷な撮影に臨みます。水に飛び込むシーンでは泳げないので溺れてしまって皆でスーパーマンを助けに行ったり、牛乳屋さんがスポンサーのため「牛乳ダイブ」のシーンが盛り込まれたり、空飛ぶシーン(でもメチャメチャ低空飛行)では、荷車から突き出た板にズボンのお尻に切り込みを入れて通すなど、情けない表情を存分に見せてくれます。突っ込みどころも満載です(笑)。





十分なお金も、撮影機材も、経験もない中で撮影は続き、トラブルやハプニングも続出。でも次第にまるでインドの社会を映し出す鏡のように、そこからは彼らの町での生活や人生観、宗教観、映画に対する情熱などが浮かび上がってきます。

家族を養うために「映画はあくまで趣味であるべきだ」と考えるナシール監督、イスラム教徒の多いこの町では女性の出演は難しいという現実、何をやっているのかよく分からない撮影現場で「神に従う者が、こんなものを見てはいけない」とポツリと呟くおじいさん。


たった一台しかない監督の大事なデジタルカメラが、川に落ちてしまった時のこと。撮影も遅れるし修理代もかかるしで、見ている私からしても非常に落ち込んでしまうような悲惨な状況!!としか思えませんでした。でもナシール監督はこう言うんですよね。「これも運命だ」

・・・ただ、ここで私はふと思ったのですが、この大事なデジカメが水に濡れて撮影がストップしてしまう!!という彼らにとっては一大事を、このドキュメンタリー制作側は、それこそ高価なカメラでジーッと撮影しているんですよね。これってちょっとシュールというか、ドキュメンタリーって「映す側」と「映される側」の距離感って難しそうだなーと思いました。私がドキュメンタリー撮影側だったら、かなり居づらい(笑)






監督は、インド映画の聖地ムンバイへ行きたいとは言いませんでした。ここマレガオンで映画を撮り続けたい。宗教の違いで争いが絶えない現実、機織り機を回したくても停電ばかりで思うように収入が上がらない生活、だからこそ、人々を笑顔にできるそんな映画を撮りたいのだ、と。「人生は悲しいことの繰り返し。楽しいことなんて、そんなにない。だからこそ、笑顔はかけがえのないものなんだ」


一度耳にしたら絶対忘れられなくなるようなテーマ曲の歌詞にも『Malegaon Ka Superman』への"愛"が込められています。「スーパーマン♪ 私はマレガオンのスーパーマン♪ 織機の音に乗って街中を飛び回る♪ ヒンドゥ、イスラム、シーク、キリスト、みんなが愛するスーパーマン♪」








出来上がった『Malegaon Ka Superman』のダイジェスト版を観て明るい気持ちで観終わったこのドキュメンタリーでしたが、その後の情報で、主役であるスーパーマンを演じたシァフィークさんが2011年にまだ26歳という若さで癌で亡くなられたことを知りました。
Malegaon Ka Superman Shafeeque dies of cancer at 26【Ummid.com】

シャフィークさんは映画撮影当時まさに結婚したばかりで、本当に幸せそのものでした。彼の幸福だった姿が『Malegaon Ka Superman』に焼き付けられたこと、そしてこの映画がインドのマレガオンの人々に笑顔をもたらしたこと。ナシール監督をはじめ『Malegaon Ka Superman』に携わった人々は本当に素晴らしい仕事をしたのだと思います。

どうか、いつまでもこの映画がシャフィークさんのご遺族をはじめ、マレガオンの人々の心に残りますように。



■この記事に関連する映画制作国、地域 : インド映画 

FC2共有テーマ : ドキュメンタリー映画 (ジャンル : 映画

  2013/07/04 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit