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『列車に乗った男』 (2002/フランス、ドイツ、イギリス、スイス)

   ↑  2014/11/03 (月)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ




列車に乗った男 [DVD]


●原題:L' HOMME DU TRAIN / THE MAN ON THE TRAIN(英題)
●監督:パトリス・ルコント
●出演:ジャン・ロシュフォール、ジョニー・アリディ、ジャン=フランソワ・ステヴナン 他
●何の変化もない毎日を送る孤独なフランス語教師のマネスキエはある日、列車に乗ってふらりとやってきた訳ありの男ミランと偶然街で出会った。まったく異なる人生を歩んできた二人は、お互いに興味を抱き、お互いの人生に惹かれ、様々な事柄を語り合った。詩について、音楽について、人生について、女について、そしてもし生まれ変わったら今度はどんな人生を送りたいかといった事柄を・・・。短くはなかった人生を振り返り、叶わなかったお互いの人生を歩みたいと再度願った時、二人にとって忘れ得ぬ運命の日が訪れようとしていた。2003年LA批評家協会賞「外国映画賞」受賞作品。



※この記事は、2008年以前のレビュー記事より映画を再見→再投稿したものです。

冷たく澄んだ空気を吸い込んだ時のように、頭の芯がジーンと痺れましたねぇ・・・
空気がシーンと冷えてくる秋の夜長にピッタリの重量感、とでも言うのでしょうか。ガッツリ元気な時にバリバリ映画を観よう!という気分の時よりも、染み込むようにしてこの物語に浸ることができました。



実を言うと、私はこれまでに観たルコント監督作品の、あの独特で濃密な愛の世界観にやや苦手意識を持っていました。が、今回この『列車に乗った男』で描かれる世間から切り離された世界で孤独に生きる男二人の偶然に生まれた出会いと彼らが辿る運命、生き様に、すっかり心奪われてしまいました。最後まで落ち着いた緊張感を持続させたまま、変に力むことなく何が起ころうとも静かに描ききったところにとても好感を覚えました。





室内履きを履いて部屋で寛ぐといった「日常」を持ったことのないワケありの男と、「日常」は余りあるほど繰り返せど「情熱」のまま生きることへの憧れを持つ実直な男との、重なり合う数日間の物語。


一見対照的とも思えるこの二人。概して「対照的」というのは「真逆」のような印象を受けるものですが、同一の元の形から対になる方向へと向かったベクトルのようなもの。人生に対して感じ取るものは、二人ともまったく同じなのも納得のいくことかもしれません。

列車に乗ってやって来た男と、列車に乗って旅立つ男。実人生で叶わぬ思いを抱いた男たちへの優しい視線を感じるラストに、静かに胸打たれました。

観るたびに、心響くセリフに気づかされ、映像や構成に新たな発見が生まれます。2006年の初見以来、忘れられないお気に入りの一本です。


■この記事に関連する映画制作国、地域 : フランス映画 

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  2014/11/03 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit