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『バックマン家の人々』 (1989/アメリカ)

   ↑  2011/03/02 (水)  カテゴリー: コメディ


BD/洋画/バックマン家の人々(Blu-ray)/GNXF-1701


●原題:PARENTHOOD
●監督:ロン・ハワード
●出演:スティーヴ・マーティン、メアリー・スティーンバージェン、ダイアン・ウィースト、リック・モラニス、トム・ハルス、マーサ・プリンプトン、キアヌ・リーヴス、ジェイソン・ロバーズ、ハーレイ・ジェーン・コザック、リーフ・フェニックス(ホアキン・フェニックス) 他
●バックマン家の4人の兄弟姉妹は、それぞれ悩みながらも子育てに奮闘中。長男ギル(ステーィブ・マーティン)は、息子を精神不安定と診断されショックな日々。バツイチの長女ヘレン(ダイアン・ウィースト)は、恋人(キアヌ・リーブス)に執心の娘と反抗的な息子(ホアキン・フェニックス)に手を焼いている。そして、次女のスーザンは、夫とともに3歳になる娘に英才教育をたたき込むことに夢中。そんな中、次男のラリー(トム・ハルス)が、幼い子供を連れて、突然帰郷するが・・・。




最近、日常のゴタゴタとか、面倒なことにかまけていたら、映画を観る目がすっかりドヨーンと曇っていることに気付きまして。むかしからの馴染みの映画を観るというのが、こんな時の私の対処法であります。それでこの『バックマン家の人々』を久々に引っ張りだしてきたのですが・・・

自分でも驚いたことが起こりました。「楽しいファミリーもの」とばかり思い込んでいたこの作品、なんと今回は思いがけず私の目から大量の水が流れてきたじゃないですか!物語の展開や結末、誰がどんな会話をするかまで全て知っているはずだったのに、今まで抱いていたイメージや感想とは全く違った気持ちが込み上げてきたんですね。思えば、以前よく観た時期は学生時代や未婚の時であり、今回は子どもが生まれてから初めて観たせいなのかもしれません。






この映画は4世代にわたる"家族もの"ということもあり、登場人物も非常に沢山出てくるのですが、ロン・ハワード監督の安定感のある演出で、それぞれの家庭・人物たちのドラマが丁寧に描き出されています。しかも、1人で映画一本主演をはれるような俳優さんばかりが(子供から大人まで)挙って出ているので、この調和のとれたアンサンブルは本当に見事なもの。

上に書いた「あらすじ」でもわかるように、この映画に出てくる誰もが、家族のことでうまくいかなかったり思い悩んだり。なかなか思うようにはいかないのです。親から見れば、子どもはいつになっても心配のかかる子どものままなんですね。ジェイソン・ロバーズ演じるバックマン家の厳しいおじいちゃんであっても、いい年をした次男坊が見え透いた嘘をつき、途方に暮れてしまうほど情けない正体を露呈しても、やっぱり自分の大切な子どもには変わりなく、どんなことになっても絶対に見放せないものなのだなぁ・・・と見ているこちらまで胸がチクンと痛みました。



何をおいても子どもを信じる気持ち。メアリー・スティーンバージェンの、家族を慈しむように見守る深く優しい眼差しに、私の中にあった子育てに対して薄ぼんやりと抱えていた不安な思いも洗い流されていくようでもありました。そう、本当に子育てって毎日が手探りです。私だって、人の親になるのは初めてなんです。

一見、頭がパッパラパーで甲斐性なしのダメ男に見えるキアヌ・リーブス(彼はこういう役が最も似合っている!)が、劇中こう言うんです「犬を飼うのに許可が要ることもある。車の運転や釣りにも必要だ。なのに父親には無免許でなれる」。また、別の場面ではジェイソン・ロバーズもこう言います「親の心配は尽きない。エンド・ゾーンはない。見事なタッチダウンを決める瞬間は決して来ない」


そうなんですね。この映画は『バックマン家の人々』という邦題ですが、原題は「Parenthood」つまり、日本語の感覚でいうなら親であること。親であることは、どういうことか。親とは何か。その覚悟は。誰もが育児本を書けるほど満点な親ではなく、誰もが子育てに絶対の自信を持っているわけでもなく、きっとどこまでいっても子どもや家族と向き合うことによって悩みは尽きないだろうと。それが昔観た時よりも、どこか胸の深いところに実感としてズッシリと、そして温かな余韻として残りました。





さて。最後にちょっとトボけていたと思っていたバックマン家のひいおばあちゃんが、ローラーコースターとメリーゴーラウンドの話をしてくれます。

「上がったり下がったりのローラーコースターは怖いけれどスリルがある。友達は嫌がってメリーゴーラウンドに乗っていたの。ただ回るだけなのにね。私はローラーコースターの方がずっと面白いわ!」

幸せなエンディングが待っているこの映画は、それがたとえ人生のほんの一時だったとしても、この大切な瞬間をしっかりと抱いて、それを忘れずにまた歩いて行こう!と、ジンワリ涙を浮かばせながらも強く思い起こさせてくれる素敵なものです。そんなわけで、私のモヤ~っとした陰鬱な気分もアッという間に吹き飛んでしまったのでした。あぁ私って単純で本当によかったなぁ。。。



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