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『心のともしび』 (1954/アメリカ)

   ↑  2010/10/20 (水)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ



【映画パンフレト】心のともしび
●原題:MAGNIFICENT OBSESSION
●監督:ダグラス・サーク
●出演:ロック・ハドソン、ジェーン・ワイマン、バーバラ・ラッシュ、オットー・クルーガー、アグネス・ムーアヘッド 他
●競争用のボートを転覆させ、近くに住む医師の救命器のおかげで一命をとりとめた裕福な道楽息子のボブ・メリック。だが、救命器を彼に貸したため、そのとき発作を起こした医師は帰らぬ人となってしまう。ボブはそれを知って医師の妻ヘレンに金を渡すが、彼女はそれを受けとらない。良心の呵責を覚えたボブはヘレンに付きまとい、それがもとで彼女は事故のため失明してしまうのだった。



古き良き時代の、美しい部分に触れたような心安らかな思いを抱かせてくれる映画・・・ダグラス・サーク監督作品に初めて出会った時の感想がこれでした。

怒りや憎しみの感情というのは誰でも簡単に発しやすいものですが、それを持続させるには意外なほどマイナスの労力がかかり、それによって疲れ苦しんでいくのは結局自分自身だったりします。事態が複雑になればなるほど、多くの人間を巻き込んでいくことになりますし、物事をシンプルに見つめる判断力というのもいつの間にか自分で遠ざけてしまうのかもしれません。ですから、実は許すという行為は他人に向けたものではなく、自分自身を救い護る手段の1つなのだろうと今の私は思っています。ま、「憎み怨んでいくのがワタクシの生きがいなんです!!」という人には何も言えませんけれど(笑)。

しかしながら。
人は"暗黒面"に堕ちやすい弱い生き物であり、かく言う私も地獄の底まで突き落として八つ裂きにでもしてやりたいほど許せないでいる人間がいることはいるので(笑)、その人間だけに対しては「許す」などというカード自体、今のところ持ち合わせていなかったりします。スミマセン


そのせいなのか、この映画の、特にロック・ハドソン演じるボブ・メリックの独り善がりから起こした偽善行為が本人をも苦しめ、そしてそこから更正していこうとする姿などは、かなりメロドラマチックで現実味が薄いようなものに見えるのですが・・・。それでも、"許そう"とする側と"許されよう"とする側が共に苦難を克服しようと努める姿勢(しかも、それが愛情へと変わっていく!)というのには、やはり善が成し遂げる力強さに人間はもともと弱いのか、こんな私でも素直に惹きつけられるものがありました。



ジェーン・ワイマンの人間味あふれる温かで真っ直ぐなキャラクターは、時に清らかな聖女のようであり、またプレイボーイで無責任男だったロック・ハドソンが償いのために生きていこうとする姿など、この映画の底辺に流れているテーマ ―人間の持つ罪悪感、献身、自己犠牲、贖いなど― が、私にはとても道徳的で宗教的に映ったのです。それで少し調べてみたところ、原作部分で大きく関与している小説の作者というのは、有名なベストセラー作家であり、彼の父親も、そして彼自身も牧師であるLloyd Cassel Douglas(ロイド・C・ダグラス)という人物でした。そうか、牧師さまでありましたか、なるほど納得の内容です。




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ゴダール、ファスビンダー、カウリスマキほか錚々たる映画監督たちから絶大なリスペクトを受けるメロドラマの巨匠、ダグラス・サーク監督による傑作3タイトル『僕の彼女はどこ?』『心のともしび』『天の許し給うものすべて』を収録。

心のともしび@映画生活




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