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『ある結婚の風景』 (1974/スウェーデン)

   ↑  2010/09/12 (日)  カテゴリー: シリアス、社会派
いやぁー、映画レビューがバンバン詰まっております。怠けなければよかった・・・。8月分をたたっと書いていきます。追いつくかな。
まずは、夏バテで映画を観る気力がなくなった時の(得意の)逃げの一手=「ドラマ鑑賞」を盛大に行っておりました。『BONES』と『Dr.HOUSE』。それとイングマール・ベルイマン監督の『ある結婚の風景』。







ある結婚の風景【Blu-ray】 [ リヴ・ウルマン ]


●原題:Scener ur ett äktenskap / SCENES FROM A MARRIAGE
●監督:イングマール・ベルイマン
●出演:リヴ・ウルマン、エルランド・ヨセフソン、ビビ・アンデショーン、ヤン・マルムショ 他
●当初スウェーデン国営放送のもとで各50分6エピソード全5時間のTVシリーズとして企画・製作されたもの。幸福な結婚生活を続けていたヨハンとマリアンヌは、地元新聞社からの取材に応え、模範的夫婦について語る。しかし、それが活字になってみると、まるで空虚でつまらぬモノに感じられ、それ以来、二人の間にはすきま風が吹き、論争の嵐が起こるのだが・・・。(allcinemaより一部抜粋)


かなり壮絶な夫婦の危機を描いておきながら、最後に「それでは○△の風景を見ながらスタッフの紹介です」なんてポーイ!と物語を放ってしまうところが可笑しい。「覗き見してたでしょ」といきなり突き放されたようでドッキリしてしまうエンドロール。私のお気に入りとなりました。




【第1話、第2話】

人間、言葉に出して話さなければ理解し合うことは難しくなるが、逆に話しすぎても余計溝が深くなってただただ混迷していくことにもなる。相手を理解したくて話しているのではなく、自分の孤独を埋めたくて言葉を放っていると、それは何も生み出さないどころか、かえって相手を翻弄してその関係を破綻させることになったりする。

「わかってもらいたい」「わかってもらえるんじゃないか」という期待は、相手に押しつけるものではない。放った言葉は戻ってはこない。自分以外の人間との溝を知ること。言葉を過信してもいけないし、疎かにしてもいけない。夫と話し合いたがる妻マリアンヌに対して思ったこと。




【第3話、第4話】

第三話で夫が浮気をし、すがる妻を振り払って出ていくが、続く第四話では愛人と半年で別れた夫が、今度は妻に離婚を突き付けられるという展開に。・・・こんな風に書くとなんだかドロドロの昼ドラみたい!

「孤独」が「依存」生み、それが「所有欲」や「嫉妬」をはらんで「自由」へと手を伸ばそうとする。第四話は、これらの感情が行ったり来たり。マリアンヌの少女時代からの写真とともに読み上げられる切ない本音が印象的だった。・・・にも関わらず、ちょっと退屈で思わず眠ってしまったヨハン(夫)と一緒に私もやっぱり寝てしまいました。。。。




【第5話、第6話(最終話)】

離婚に向けて生き生きとしてきたマリアンと、人生の足場を失った夫が実に対照的。しかし、ただではすまさないのがベルイマン監督。行き来する感情の増幅が振り切れそうになるその瞬間、マリアンが叫んだ後の二人の本音剥き出し&地獄の如き怒涛の応酬が恐ろしすぎる。体当たりの愛憎劇、よくもここまで踏み込んでいったものだ。ここまでやると清々しささえ感じてしまう自分がコワイ。

そして最終話。第一話からインタビュアーやら友人やら外野の人々が色々と出ていたのに、夫婦関係が悪化していくほど、まるでギューっとフォーカスを絞るように閉塞感で息詰まる二人だけの世界が描かれてきたけれど、最終話では急に解き放たれたように母親、友人、愛人と出てくる(撮影も屋外だし)。それは、本当に二人が互いの呪縛から解放された証。ここまで言い合って、やっと対等に優しさを与え合えるようになるなんて・・・。あぁ、人間死ぬ気で向き合えば怖いものナシですね。




人間の欲望や弱さ、身勝手さ、薄情さなんかをここまで不躾にぶつけ合える相手がいるということは、実はものすごく幸福な二人だったのではないかとも思えますが・・・。この壮絶なる愛憎の関係は、この後2003年にベルイマン監督により制作された続編のスウェーデン映画『サラバンド』に引き継がれていくのです。息苦しいまでのこの濃密さに、きっと目が離せなくなります・・・・

  『サラバンド』 (2003/スウェーデン)
『サラバンド』レビューはコチラから


ある結婚の風景@映画生活




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  2010/09/12 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

Comment


どっと疲れる作品でした(笑)

この作品は凄かったですね~。
まさに壮絶という夫婦の瞬間まで描いていて、目が離せないんだけども、その分消耗が激しいというか。

>言葉を過信してもいけないし、疎かにしてもいけない。

ホント、言葉っていつも使っているのに難しいですよね。
相手がわかってくれるという期待は、夫婦のように近くなればなるほど大きくなってしまって困ります。
同じ国の言葉を使っていてこれなんだから、外国語ではもっとすれ違ってしまうのか?と思いきや、逆に言葉だけで伝えようとはしなくなって気持ちが伝わったり…。不思議なものです。

「サラバンド」も重苦しかった覚えがあります。またコメントにうかがいますね~。

宵乃 |  2013/07/16 (火) 16:07 [ 編集 ] No.135


はなまるこより

宵乃さん、こんばんはi-179いつも素敵なコメントをありがとうございますi-178

このドラマ、NHKのBSで観たのはもう3年前になるのですが、そう簡単に忘れられる内容じゃありませんね!本当に本当に、宵乃さんの仰る通りどっと疲れる作品すぎてi-201夫婦の息詰まる精神的バトルが壮絶でした。

この頃確か、ベルイマン監督作品を幾つか放映していたような覚えがあって・・・『野いちご』『夏の夜は三たび微笑む』での意外な"観易さ"に気をよくした私は(←今思えばトリックだった!!(笑)、その後『サラバンド』『秋のソナタ』という地獄のような映画をやっとの思いで観ることになっていましたi-229 観ているだけなのに息も絶え絶えになる映画なんて、珍しいですよね(笑)ほんと、北欧映画にはいつもコテンパンにやられている私ですi-282

ことばって頼りすぎるとダメになりますが、宵乃さんが書かれているように、完全に頼りにならない外国語の方が、本来人間が持つ"伝えるパワー"がフルに発揮される気がしますよね。「伝えきれない」「伝わらないかもしれない」という思いと、聞き手側も本気になって聴き取ろうとする、そういったお互いの必死な前提があるからかもしれませんね!

宵乃さんへ★ |  2013/07/16 (火) 23:10 [ 編集 ] No.136

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