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『わが心の友 愛犬デヴォン』 (2009/アメリカ)

   ↑  2012/05/03 (木)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ






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●原題:A DOG YEAR
●演出、脚本:ジョージ・ラヴォー
●出演:ジェフ・ブリッジス、ローレン・アンブローズ、ドーナル・グリーソン、エリザベス・マーヴェル、ウェルカー・ホワイト、ロイス・スミス 他
●作家ジョン・キャッツは人生に行き詰まりを感じていた。本業の小説はちっとも書けず、家族ともしっくりいかない毎日。彼が心を許せるのは愛犬スタンリーとジュリアスだけだった。そんな犬好きのジョンは、飼い主から虐待されていたボーダーコリーのデヴォンを引き取ることに。だがデヴォンは問題行動ばかりで、ジョンの言うことなどまったく聞かない。困り果てたジョンは、デヴォンのために田舎の農場を借りて引っ越すことにするのだが・・・。(NHKサイトあらすじより)




アメリカのHBO制作の僅か75分ほどのTVM。

主演はジェフ・ブリッジスというだけで何の予備知識もなく鑑賞。自分の気が張っている時はあまりソリが合わないテーマなのだけれど、今回たまたたま自分が「ダメモード」に入っていたためか、これは沁みた・・・・

「映画」としては物語に起伏もなく舌足らずな印象で、コンパクトにまとまり過ぎてしまった物足りなさは確かに感じたけれど、それ以上に人生に行き詰ってしまった人間――ジェフ・ブリッジスのうだつの上がらない風貌やその荒れた心の内側があまりに透けて見えるようで、思わずじーっと耳を傾けるようにこの物語に吸い込まれてしまいました。



他人との接触を拒絶し、言葉もほとんど発せず、ましてや人に助けを求めることもなく壁を張り巡らせ、パサパサになった感情を抱えた主人公ジョン。家族が出て行った郊外にある住宅街から田舎の農場に移ってみるも、人との接触は否応なくこちらの方が多かったり、"人里離れた家"だと思ってみたら村のどこからでも丸見えの場所だったり。人はどんなに拒もうとも、そう簡単には"人"からは切り離せられないものなのだぁと。

「・・・デヴォン」「デヴォン」と繰り返し名前だけを呼びながら、やはり何も信じることも出来ず心身ともに荒れ果てていた犬デヴォンへ1つ1つエサを与えるシーン。一人と一匹の心の距離が少しずつ近づいてく様が見て取れるようで、そのリアルな表情にちょっと泣かされてしまった。どんよりとした灰色の重たげな雲が広がる農場の空は、このシーンを嘘っぽくなく映し出していてとても印象的でした。

孤独の影を纏わせたら右に出る者はいないのでは?と思えるブリッジスから僅かにこぼれる微笑みのラスト。私も少し、救われたような気がしました。静かで優しい物語でした。


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