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『題名のない子守唄』 (2006/イタリア)

   ↑  2010/08/01 (日)  カテゴリー: シリアス、社会派



題名のない子守唄 [ クセニア・ラパポルト ]


●原題:LA SCONOSCIUTA / THE UNKNOWN WOMAN
●監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
●出演:クセニア・ラパポルト、ミケーレ・プラチド、クラウディア・ジュリーニ 他
●心に深い傷を負い、過去に囚われたままの女イレーナ。東欧の国から再び悲しい記憶にまみれたイタリアに舞い戻った彼女は、素性を隠してある裕福な家族のメイドとなる・・・。


女として。母として。壮絶すぎて泣きたくなる映画だった。

身動きの取れない状態で、まるで底なしの沼へズルズルと無力のまま引きずり込まれるような、久々に冷たい恐怖で感情を抉られるような映画だった。ただ、まるでこれまで起こったことは(観客に対して)チャラにしちゃいましょうとでも言うような、とってつけた「感動のラスト」に私は全く何の感慨も持てなかったのも事実。それほど主人公のイレーナの人生は悲惨すぎるし、それを描くトルナトーレ監督の(たとえフィクションの世界に対してでも)視点は傲慢すぎたように私には映った。モリコーネの情感溢れる音楽も、説明的に鳴り響きすぎのように思う。


産後すぐに赤ちゃんと引き離される女性の絶望。母乳が溢れるシャツを押さえて震え泣くシーン。血の気が引く思いで、私にはとても正視できなかった。尋常ではない体験。凄惨な環境。主人公イレーナが、通常の映画のヒロインが怯んだり恐怖心を露わにするようなシーンでもまったく動じないことが何故なのか、それらを通して全体像が明らかになってくるという映画的手法は間違ってはいないのだが、物語を解く"手段"として描いていることに私は嫌悪感を覚えたのだと思う。この映画も、もう二度と観ることはないと思う。老婆心ながら、妊娠中の女性も決して観ない方がいいと思う。

欧州における経済格差と移民問題は歴然たる事実だし、また代理母出産や子どもの誘拐・人身売買問題などは近代イタリアの歴史でも暗い影を落としている。だから、それらがベースとなって"物語"ができたというならとても悲しいことだと思う。映画をこんな思いで観るのは、やっぱり悲しすぎる。




・・・というわけで「どんより気分になった映画」第二弾でした。ふぅ。
私はいつも、このような映画から受けた痛みを中和するために『ラブ・アクチュアリー』をこんな後に観るんです。この映画にはいつも救われます。空港ロビーが大好きな私には、ホントに堪らない1本!やっぱり映画からは元気をもらわなくちゃ♪

実は、7月にはとても良いことがあったのでホッと一息できているところなんです。嬉しい嬉しい。今はイングマール・ベルイマン監督の『ある結婚の風景』(国営放送のテレビ映画だったもの)を観ています。これ、私にとってはコメディだなぁなんて思いながら。さて、明日はこどもとプールです!元気にいってきます!



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