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『ラ・ジュテ』 (1962/フランス)

   ↑  2010/06/04 (金)  カテゴリー: SF、宇宙、怪獣




ラ・ジュテ -HDニューマスター版ー [ エレーヌ・シャトラン ]


●原題:LA JETEE
●監督:クリス・マルケル
●出演:エレーヌ・シャトラン、ジャック・ルドー、ダフォ・アニシ 他
●第三次世界大戦後のパリ。人類が絶滅する危機を救うため、[未来]の世界から人類を救うことができるエネルギーを持ち帰らなくてはならない。そこで、[過去]についての強烈なイメージを持つ男が選ばれた。彼は子供時代、家族で出かけたオルリー空港で見かけたある光景を未だに忘れられずにいた。見知らぬ女性が自分を見つめているというその光景は・・・。1996年の『12モンキーズ』の原案となった全編スチールカットの29分のSF映画。



「フォトロマン」という何枚かの写真をつないで構成されるSF物語(フォトストーリー)。実験的色合いが非常に強い作品だが、「時間」と「記憶」が絶妙に交錯する物語の余分なものを全て削ぎ落とした「29分」という短時間で一気に見せる、この有無を言わせぬ力強い演出力に惹き付けられた。

それに何といっても次々に切り替わっていくイマジネーション溢れる映像が、連続して流れていく動画とは異なる印象を観る側にジワリと残していく。




作者のクリス・マルケルは1921年7月29日生まれ。第二次世界大戦にレジスタンスとして参加。小説家、エッセイスト、写真家、ジャーナリストとしての顔も持つ。写真家としてのセンスは抜群だったのではないかと思うシーンをこの映画で見つけることができる。

ウィズ・ザ・ビートルズ

これは、1962年にデビューしたビートルズが63年に発表した2枚目のアルバム「With The Beatles」のジャケット。

この、人物の片側から光を当てて影を作るというこの手法は「ハーフシャドウ」と呼ばれ、当時は画期的(アイドルのポップミュージックなのにモノクロでアーティスティック)と言われていた。このあまりに有名な手法が『ラ・ジュテ』でもそのまま、まったくこのままの構図で使われていたので、正直ドキっとしてしまった。しかも未来人の描写として。


年代的に映画も1962年製作なので同時期ではある。すぐにネットで調べてみたものの、当時アルバムのジャケット撮影をしたロバート・フリーマン、アイデアを出したアストリッド・キルヒヘルとの関連性を見つけることは出来なかった。

当時画期的と言われたこの手法を『ラ・ジュテ』でも見事に取り入れた鋭敏な時代感覚。テリー・ギリアム監督をも魅了したストーリーテラーとしての才能。全く以って痺れてしまう29分だった。

ラ・ジュテ@映画生活




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