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『ヤング@ハート』 (2007/イギリス)

   ↑  2010/02/09 (火)  カテゴリー: ドキュメンタリー、アニメ





ヤング@ハート [ アイリーン・ホール ]


●原題:YOUNG@HEART
●監督:スティーヴン・ウォーカー
●出演:お茶目な花形スター アイリーン・ホール(92歳)、6度のガン治療に耐えた超人ジョー・べノア(83歳)、歌詞を忘れるレニー・フォンティン(86歳)、音痴な歌好き スタン・ゴールドマン(76歳)、重病から奇跡の復活 ボブ・サルヴィーニ(76歳)、孫が23人曾曾おばあちゃん ドーラ・B・パーカー(83歳)、皆を愛する厳しい指導者 ボブ・シルマン(54歳)・・・他、歌を愛するコーラス隊の皆様(平均年齢80歳!)



私にとって、観るべきタンミングで出会えた奇跡の作品となりました。恥ずかしいですが、もう泣きに泣いてしまった・・・!くよくよ悩んでいたことが砂粒より小さな事にしか思えなくなるほど圧倒的な感動に胸がいっぱいになってしまいました。

ヤング@ハート・コーラスは、人口3万人に満たない田舎町、米国マサチューセッツ州、ノーサンプトンで1982年に結成された実在のグループ。この映画は、彼らのステージまでの6週間をおったドキュメンタリー作品です。映画の途中途中に挟まれるPVが格好いいのですが、「ステイン・アライブ」がスゴイ。今までは、手をぐるぐる回して若いあんちゃんたちがカッコつけて踊っているイメージしかなかったのに、このメンバーが歌うと一気に迫力が増すのです。「それでも俺は生きていく」って。生きていくという言葉の重みを、ビージーズのこの歌に感じる日がくるとは思いもしませんでした。あぁ、なんてことだ!



ご高齢のおじいちゃまおばあちゃまが、リズムや歌詞に悪戦苦闘しながらロック(やソウルやパンクやR&B)を歌う姿はユーモラスであり、温かな笑いを誘うため鑑賞前はその愉快さをただ期待していた私でした。しかし、蓋を開けてみれば、そこには、人生のエッセンスがギュッと詰まっている宝箱だったのです。

病や死が身近にあるコーラス隊の人々の言葉やその佇まいからは、彼らが何かを躊躇したり恐れたり拒んだりするような印象は、少なくともこの映画の中では微塵も感じられませんでした。もちろん、仲間を「死」という形で失うという寂しさや病気を患う身体で思うように歌えなくなるという、若輩者の私からしたらそれだけでヘコタレてしまいそうな「現実」はあるものの、そんな思いすら丸ごと受け入れて「みんなと一緒に歌いたい!」という、ただひたすらに前向きなパワーで人生のラストスパートを輝かせているのです。

声量も音程もリズム感も決して満足ではないけれど、オリジナルを打ち負かす「高齢者パワー」にはまったく脱帽です。「フィックス・ユー」なんて、コールドプレイは80歳向けに書いた曲ではないでしょうに、これほどまで人生への愛情や重みを訴えかける仕上がりになるなんて、きっと誰も想像できなかったことでしょう。思いが込められた歌声は圧巻。胸が熱くなりました。


そう、選曲が本当に素晴らしい!
曲を選び、皆をまとめるボブ・シルマン氏の厳しくも情熱的で温かな指導力は、このコーラス隊の起爆剤のようでもありました。ボブが提案するパンクな曲を、耳栓をしながらも受け入れて練習するおばあちゃんたち!齢80ほどにしてまだまだ新しい世界に飛び込んで楽しむことのできる、この粋な好奇心と遊び心。本当に本当に素敵です。




この映画を観て私が涙したのは、たぶん、彼らの堂々とした「生きざま」に比べて自分の腑甲斐なさをまざまざと感じたのと・・・何か尊いものに触れた時のような、安らかさを感じたからなのだと思います。


ステージで真っ白なシャツに身を包んで元気に歌うコーラス隊のおじいちゃんおばあちゃんたちは、本物の天使のようでした。刑務所での発表会の歌声は、受刑者は勿論のこと刑務官たちの心までもを癒し、元気づけていました。ステージを見に来るお客さんたちも皆「元気をもらえた!」と笑顔いっぱい。「ヤング@ハート」のメンバーは、もしかしたら私たちに生きる道を照らしてくれる天使なんじゃないかと・・・ふと思ってしまいました。

神様に呼ばれて天国へと旅立ったメンバーたちは、きっと空の上から、きっと虹の上から、思う存分自慢の歌声を空いっぱいに響かせているような気がします。大好きなコーラス隊のみんなの笑顔を見守りながら。
あぁ~、こんなに素敵な映画に出会えて本当に良かった!まだまだ諦めちゃいけないなぁ!

ヤング@ハート@映画生活




ヤング@ハートーオリジナル・サウンドトラック [ (オリジナル・サウンドトラック) ]


史上最高齢のロック・コーラス・グループの活動を捉えたドキュメンタリー映画『ヤング@ハート』のサントラ。劇中で使用された音源とライヴ録音による音源の2枚組で、歌の持つ力を再認識させてくれる感動の一枚。


↓JBやボブ・ディラン、ストーンズやソニックユースなど、ユニークな曲目↓
      タイトルとアーティスト名は、続きをどうぞ♪


[1]
1.シュド・アイ・ステイ・オア・シュド・アイ・ゴー(クラッシュ)
2.アイ・ウォナ・ビー・シデイテッド(ラモーンズ)
3.ゴールデン・イヤーズ (デヴィッド・ボウイ)
4.紫のけむり(ジミ・ヘンドリックス)
5.あなただけを (ジェファーソン・エアプレイン)
6.ロード・トゥ・ノーホエア (トーキング・ヘッズ)
7.ダンシン・イン・ザ・ダーク(ブルース・スプリングスティーン)
8.いつまでも若く(ボブ・ディラン)
9.ステイン・アライブ (ビー・ジーズ)~愛のサヴァイヴァル(グロリア・ゲイナー)
10.愛の哀しみ(プリンス)
11.シーズ・ノット・ゼア(ゾンビーズ)
12.アイ・フィール・グッド(ジェームス・ブラウン)
13.フィックス・ユー(コールドプレイ)
14.アイ・ゴット・ユー“(I FEEL GOOD)”(ジェームス・ブラウン)
15.フィックス・ユー(コールドプレイ)
16.イエス・ウィ・キャン・キャン(アラン・トゥーサン)
[2]
1.無情の世界(ローリング・ストーンズ)
2.スキッツォフレニア(ソニック・ユース)
3.ジェラス・ガイ(ジョン・レノン)
4.ルビー・チューズデイ(ローリング・ストーンズ)
5.ワン(U2)
6.プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ(パーシー・メイフィールド)~プリーズ・プリーズ・プリーズ(ジェームス・ブラウン)~ショットガン(ヴァニラ・ファッジ)
7.ドゥ・サムシング・ディファレント(ブレイブ・コンボ)
8.フェイク・プラスティック・トゥリーズ (レディオヘッド)
9.見つめていたい(ポリス)
10.ヘルプレス(ニール・ヤング)
11.ヘイ・ヤ!(アウトキャスト)
12.いつまでも若く(ボブ・ディラン)
13.ワイルド・サイドを歩け(ルー・リード)
14.イエス・ウィ・キャン・キャン(アラン・トゥーサン)
15.いつまでも若く(ボブ・ディラン)
16.ワイルド・サイドを歩け(ルー・リード)
17.イエス・ウィ・キャン・キャン(アラン・トゥーサン)



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  2010/02/09 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

Comment


記事があるのを見逃してました!

コメント頂いていたのに、気付かなくてごめんなさい。
この作品、はなまるこさんにとってベストな時期に出会えたようですね。
映画って、楽しむだけじゃなくて、多くのものを与えてくれて、生き方にも影響を与えることがあるから侮れないです!

>この映画を観て私が涙したのは、たぶん、彼らの堂々とした「生きざま」に比べて自分の腑甲斐なさをまざまざと感じたのと・・・何か尊いものに触れた時のような、安らかさを感じたからなのだと思います。

わかります。彼らに比べたら自分なんてまだまだだなぁと思い知らされると同時に、彼らが灯台の光のように、これから目指す場所を示してくれるような安心感を覚えました。
本当に天使のようですね。天国でも元気に歌っている姿が目に浮かびます♪
生きる力を分けてくれる作品でした!

宵乃 |  2013/11/29 (金) 10:29 [ 編集 ] No.199


はなまるこより

宵乃さん、いつもコメントありがとうございますi-189

>コメント頂いていたのに、気付かなくてごめんなさい。
そんなそんな!お気遣いいただいて、逆に申し訳ないですi-201ありがとうございます。

>この作品、はなまるこさんにとってベストな時期に出会えたようですね。
映画って、楽しむだけじゃなくて、多くのものを与えてくれて、生き方にも影響を与えることがあるから侮れないです!

あぁ、本当にそうだったんですよ。
まさに私の人生ピッタリの時期にこの映画を偶然目にしたこともあって
とてもとても心に染み入った思い出深い映画となりました。
多分、かなり"心の持ちよう"なんかに影響を与えてくれたと思います。

>彼らに比べたら自分なんてまだまだだなぁと思い知らされると同時に、彼らが灯台の光のように、これから目指す場所を示してくれるような安心感を覚えました。
そうでしたねぇ!
自分の小ささとか、人生いろいろ、自分なんかまだまだだな!とも思い知らされましたし、
逆に年を重ねた彼らの姿に応援されるような安心感も覚えました。
最近、年配のかたが出てくる映画や老後をテーマに扱った作品などにスゴク惹かれて、
さらにそれを見ては妙に涙もろくなっている自分がいますi-201
これも、人生の中で映画の見方に変化が出てきている、っていう証拠なんでしょうねぇi-229
宵乃さんのおかげで、この映画のことをとても懐かしく思いました。
コメントありがとうございました!

宵乃さんへ★ |  2013/12/01 (日) 10:25 [ 編集 ] No.200

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