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『インテルビスタ』 (1987/イタリア)

   ↑  2013/12/17 (火)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ

インテルビスタ [DVD]



●原題:INTERVISTA
●監督、脚本:フェデリコ・フェリーニ
●出演:フェデリコ・フェリーニ、アニタ・エクバーグ、マルチェロ・マストロヤンニ、セルジオ・ルビーニ、ララ・ウェンデル 他
●イタリアの映画撮影所チネチッタ創立50周年を記念して、フェリーニがチネチッタと映画への思いを綴った一編。夜の人気のないチネチッタ撮影所。ここでフェリーニ(本人出演)と彼のスタッフたちは、カフカの『アメリカ』に着想を得た新作の冒頭シーンを撮影しようとしている。そこへ日本のテレビ局の取材班が、撮影を見学にやって来てフェリーニにインタビューする。フェリーニは初めてチネチッタにやって来た時のことを語っていくのだった・・・・。インテルビスタ(INTERVISTA)とはイタリア語でインタビューの意味。




今年、イタリアのジュゼッペ・トルナトーレ監督が、いよいよフィルムからデジタル撮影による新作を出しました。
「デジタルには利点しかなかった!何年も熟考してきたが、ためらうことはなかった」と笑いを挟みつつも「毎日何フィートのフィルムを使ったかが進行状況の指標だったし、セットでフィルムが回る姿がないのは寂しい。でも、一つの時代が終わったんだな、と思う。
(2013年12月13日 朝日新聞「鑑定士と顔のない依頼人」トルナトーレ監督インタビューより)
とインタビュー答えていたのが印象的でした。映画の世界は撮影・編集技術等を含め、今後もますます変化していくのかもしれません。

だから、なのでしょう。むかしこの映画を見た時はそれほど感じなかったのですが、この時代に改めて振り返ってみると『インテルビスタ』はなお一層、私をノスタルジックな気分にさせてくれるのです。

イタリア映画の黄金期を築いたフェリーニ、ヴィスコンティ、デ・シーカ、ロッセリーニ、アントニオーニといった巨匠たちが数々の名作を生み出していった夢の映画都市、チネチッタ(映画:cinema+都市:città)。これがこの映画の舞台です。






騒々しくて、滑稽で、ムチャクチャなお祭り騒ぎのような映画の撮影現場。
過去と現在、現実と想像の世界が縦横無尽に交差しては消えていく摩訶不思議な世界。一体、どこまでが映画で、どこまでが撮影現場なのかわからなくなるような"夢"が"夢"を作りだしているような、次々に現れては消えていく映像に身を任せるのみ。

そう、それは年を重ねれば重ねるほど自由な筆遣いになっていったフェリーニの映画そのまま!「映画の世界」を愛してやまない人々の思いがいっぱいに伝わってくるのです。



そんな夢の世界の中にも、現実が一滴。
失礼ではありますが、まるでビア樽のようになってしまったアニタ・エクバーグにはたじろいだものです。しかも、マルチェッロ・マストロヤンニたちは再会した彼女に「君は今も美しい」「彼女はローマの戦士さ」「今も女神だ」と口ぐちに賛美するのです。・・・でも、エクバーグを下から大写しにするカットを目にしてからは、あぁ!これは豊満な大女を愛してやまなかったフェリーニ監督らしい"愛"の形なんだなぁと。

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そして、真っ白い布の向こうでまるで『甘い生活』のように踊る二人の影が、一瞬にしてあのトレヴィの泉の名シーンに変わる瞬間。モノクロの世界の中で輝くエクバーグはなんて美しいのだろう!涙ぐむエクバーグとマストロヤンニの優しい抱擁には、観るたびに胸がいっぱいになってしまいます。映画が好きでよかったな、と素直に思える一時です。







怒号も飛び交うカオス状態の撮影現場は、カット!の一声で「さぁ家に帰ろう!」「チャオ!」の挨拶であっという間の解散へ。夢から覚めるような、少し寂しい瞬間。


チネチッタ撮影所が夢そのものだった時代を、そこを最も愛したであろうフェリーニと同じ気持ちになって懐かしむ。"希望の光"を最後に見せてくれる粋なエンディング。映画好きの人間が見たら、おそらく胸がキュッとなるような、そんな愛おしい映画なのです。



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"映画というものは、枠にはまらず混沌としていて、それだけに何が飛び出してくるかわからないビックリ箱みたいなものだ。映画の中にはあらゆるものが揃っている。何でもありの小宇宙さ。刑務所を出たばかりの人みいれば、詩人もいる。「映画」という大きな鍋にはどんな材料でも入ってしまう。それが映画の持っている魔法なんだよ。"
※『不滅の名優マストロヤンニ』 マルチェロ・マストロヤンニの言葉より


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