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【アラン・ドロン映画】を まとめて2本『地下室のメロディー』『リスボン特急』

   ↑  2013/12/12 (木)  カテゴリー: サスペンス、ミステリー
えー、時々なんですが、アラン・ドロン出演作品についてまとめてUPしたりしています。でも実はコレ、ドロン様の演じるキャラクターとタイトルがいつの間にかゴチャゴチャになっている自分のための記録だったりします(ファンの方、失礼申し上げてスミマセン・・・)。しかも今回は、なぜかいつもタイトルが反射的に浮かばない『地下室のメロディー』(死刑台のメロディ?死刑台のエレベーター?)と『リスボン特急』(バルカン超特急?シベリア超特急?あ、それは絶対違います)というヘンテコなチョイスでまとめて再見してみました。

この2作品、出演時のアラン・ドロンが28歳→37歳と約10年の差があるんですが、もともと彼が持っていた"どこか危険な匂い"に加え、渋さ、哀愁など月日を重ねた美しき男の魅力に圧倒されます。




『地下室のメロディー』 (1963/フランス)



【DVD】地下室のメロディージャン・ギャバン


●原題:LA MELODIE EN SOUS-SOL / 英題:ANY NUMBER CAN WIN
●脚本、監督:アンリ・ヴェルヌイユ
●出演:ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、ヴィヴィアーヌ・ロマンス、モーリス・ビロー、ジャン・カルメ 他
●5年の刑を終えて出所した老ギャングのシャルルは、昔の仲間マリオからカンヌのパルム・ビーチにあるカジノの賭金を狙う大仕事を持ちかけられる。刑務所で目をつけたフランシスと彼の義兄を仲間に引き入れ、周到な計画を立てて大金を強奪。完全犯罪が成功したかに思われたのだったが・・・・。



シンプルなクレジットデザインに重なる、ミシェル・マーニュによるモダンジャズ全開のオープニング。苦虫を噛み潰したような顔のジャン・ギャバンが、人に道を聞きながらのっそりのっそり歩いているだけの映像なのに本当にクール!!


LA MELODIE EN SOUS-SOL2
アラン・ドロンの、まだ洗練されていない荒削りな雰囲気や表情の作り方、あるいはカジノ侵入時などの軽々とした(しかも滑るように美しい)身のこなしなど、彼の若者らしい勢いが見られる作品です。公開当時はフランスの新旧を代表する2大名優、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの初共演ということで注目を浴びた映画でもあります(のちに『シシリアン』『暗黒街のふたり』でも共演)。


私刑警察 [DVD]


幼少期は下層労働者として貧しさの中で過ごし、フランス海軍も志したことのあるギャバンと、家庭環境に恵まれず素行不良を繰り返し、やはり海軍を志願して従軍経験の後に様々な職業を渡り歩いたドロン。彼が製作にも携わった1988年の主演映画『私刑警察』で「亡きジャン・ギャバンに捧ぐ」とクレジットしたように、幼くして父親と別れたドロンはまた、同じように苦労を重ねてきた人生の大先輩としてもギャバンをずっとリスペクトし続けたのでしょう。それが彼らの共演作品の中の二人の姿にも重なって、より一層の深みが出るのでしょうね。
Alain Delon - Actualité, vidéos et photos【MYTF1News】  Alain Delon【wikipedia.fr】


有名な『地下室のメロディ』でのラストシーン。きっと老いを実感したであろうギャバンの微動だにしない悟りきった顔と、血気盛んなドロンが見せる悔しさをジリジリと滲ませながらも自失茫然となっている表情。彼らのそんな態度の対比に、観ているこちら側も茫然!の結末を迎えます。ドロンと一緒にプールを覗き込んでいるような錯覚に陥る美しき札束の花と、皮肉にも華々しく鳴り響くメインテーマで迎える「Fin」。最後の一発で引っくり返るという見事なラスト、現代の感覚で観てもスタイリッシュな魅力に満ちていると思いませんか?お気に入りの一本です。





『リスボン特急』 (1972/フランス)



【DVD】リスボン特急 アラン・ドロン


●原題:UN FLIC / 英題:DIRTY MONEY
●監督、脚本:ジャン=ピエール・メルヴィル
●出演:アラン・ドロン、カトリーヌ・ドヌーヴ、リチャード・クレンナ、リカルド・クッチョーラ、マイケル・コンラッド、ジャン・ドザイー 他
●激しい波が打ち付ける海辺の銀行に強盗に入ったパリの暗黒街を仕切るシモンとその仲間たち。この強盗事件の捜査にあたったのがシモンの親友であり鬼刑事として有名なコールマンなのだが、実はコールマンは裏でシモンの女といい仲になっている。そんな折、ある組織がリスボン特急で麻薬を輸送するとの情報を入手したコールマンは監視体制を敷く。しかし同じ情報をつかんでいたシモンが麻薬の奪取を計画しており、親友である2人に対決の時が訪れる・・・。




フランス犯罪映画の一時代を築いたジャン=ピエール・メルヴィルの遺作。同監督の『サムライ』『仁義』へと出演したことのあるアラン・ドロンですが、この直接感情に訴えかけてくるような冷たいブルーが基調となった映像美と、ドロンの孤独を背負った冷徹な表情の組み合わせ。一度観たら決して忘れられないものです。

『リスボン特急』という映画は、この物語の要でもある"男同士の友情"すらも感じとることが難しいくらいに、まったく多くを語らない作品です。しかし、例えば冒頭のようなインパクトのある犯罪シーンや、あるいは犯罪者や被害者たちのアップの顔とアラン・ドロンのそれとを交互に映し出す印象的なカットを幾度となく挟み込むなど、技法的に観る側へ映像で強く訴えかけてくるものがあります。基本的にアラン・ドロンは抑制された演技と無表情でいるため、観る者はその表情の中へ哀しみや憐み・孤独といった感情を自由に落とし込めるところがあります。そのためなのでしょう、観終わった後には"ストーリー"というよりも、探るようにして見つめ続けたアラン・ドロン演じるコールマンの深い孤独感・寂寥感だけが、私の心には刻み込まれました。



あー、しかし。私はいつもこの映画のタイトルがすぐに浮かばない!!
原題のフリック(刑事)が表すがごとくアラン・ドロン演じる"一刑事"の"男の友情と裏切り"をテーマにした物語なのに、サスペンスアクションとしてアクセントをつけた麻薬強奪シーンのある「リスボン特急」をいきなり邦題にしてしまっているからなんですけれど。毎回「えーとあれ、なに急行だったかな、いや特急だったかな?超特急だったかな」と本気で悩んでしまうのです。ほぼリアルタイムで描いたという力の入ったシークエンスなだけに、確かにここは大きな"見せ場"ではあるのでしょうが、この映画が醸し出す【フレンチ・フィルム・ノワール】のムードの欠片さえも感じられないあまりに直接過ぎるタイトル。いつも残念に思ってしまいます。ま、ここで「じゃあタイトルは"フリック"で」と言われても今度は「どの"フリック"なのか分からん!!」とまた文句を言ってしまう私かもしれませんが(笑)。



ところでこの映画、公開当時は世界を代表する美男美女、アランドロンとカトリーヌ・ドヌーブの初共演として大きな話題となったそうですが、そりゃもうそうでしょうね!アラン・ドロンとドヌーヴ様の見目麗しき共演は、今見てもうっとり・・・。文句なく美しいのにどこか陰のある雰囲気を漂わせるこの二人が、じっと見つめ合うシーンを目にすることが出来るのなら、もうどんな展開があってもいいのです。映画を観るしあわせって、こんなところにもあるものですねぇ。しみじみ・・・・




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  2013/12/12 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

Comment


こんにちは!
実はドロン様はそんなに好きじゃなかったりするんですが(最近の彼はセクシーだと思いますが 笑)、『地下室のメロディー』は大好きです。
彼の出演作では「冒険者」とこれが一番かなぁ。

>のっそりのっそり歩いているだけの映像なのに本当にクール!!

そうそう、ギャバンが超素敵でした。冒頭が本当にオシャレで「これから映画が始まるぞ!」とワクワクしてしまいます。
奥さんとのやりとりも大好きで、私的には冒頭とラストだけでも大満足の作品です(笑)

>きっと老いを実感したであろうギャバンの微動だにしない悟りきった顔と、血気盛んなドロンが見せる悔しさをジリジリと滲ませながらも自失茫然となっている表情。

ドロン様がいてこそのラストの切れ味という感じでした。
師弟のような、父子のような関係も、見ごたえありましたね。実際にギャバンを尊敬していたという事で、息の合った演技にも納得です。

>毎回「えーとあれ、なに急行だったかな、いや特急だったかな?超特急だったかな」と本気で悩んでしまうのです。

「リスボン特急」は未見ですが、わたしも他の作品のタイトルとごっちゃになって、観たのか観てないのかわからなくなります(笑)
邦題を考える人はもっと気をつけてほしいですね~。

宵乃 |  2013/12/12 (木) 15:50 [ 編集 ] No.207


はなまるこより

宵乃さん、またまたコメントありがとうございました♪

>実はドロン様はそんなに好きじゃなかったりするんですが(最近の彼はセクシーだと思いますが 笑)、『地下室のメロディー』は大好きです。
>彼の出演作では「冒険者」とこれが一番かなぁ。

あ、私と同じですよ(笑)!私もアラン・ドロンにはあまり執着もなく、どちらかというと私は情感豊かなマルチェロ・マストロヤンニ派(派閥とかないけど笑)なんですi-178でも、時々このようにドロン様の"暗い"雰囲気がたまーに観たくなります^^;
『冒険者』!!私は一度しか観たことがないのですが、あの映画は再見できる勇気がないのですよ。。。なにかこう、あの映画を観た時の、まるで自分が体験したかのような甘酸っぱさをそのまま思い出にしておきたくて・・・。アラン・ドロン、良かったですよね。。。

『地下室のメロディー』はオープニング、カッコイイですよねー。ギャバンの奥様との会話、私は断然奥様派です(笑)!!もう、おとなしく夫婦で静かに余生を過ごせばいいのになぁ~。最後に"デカイヤマ"を当ててやろうという・・・アラン・ドロンと悪事を企む時こそ生き生きしていた老ギャングの生き様なんでしょうねぇi-229

>邦題を考える人はもっと気をつけてほしいですね~。
これはホント、いつも思いますよね!ナントカ特急とか言われると、思わずノンストップの特急電車が舞台のアクションものかとも思ってしまいます(笑)。直訳でない場合「お、これは!!」と感心してしまう邦題って、なかなかないものですねぇ。

宵乃さんへ★ |  2013/12/13 (金) 10:44 [ 編集 ] No.208

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