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『魂のジュリエッタ』 (1964/イタリア)

   ↑  2013/10/21 (月)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ


魂のジュリエッタ [DVD]




●原題:GIULIETTA DEGLI SPIRITI
●脚本、監督:フェデリコ・フェリーニ
●出演:ジュリエッタ・マシーナ、サンドラ・ミーロ、マリオ・ピスー、シルヴァ・コシナ、ヴァレンティナ・コルテーゼ、カテリーナ・ボラット、フレデリック・レデブール 他
●映画プロデューサーの夫と、裕福だが慎ましく暮らしている平凡な主婦ジュリエッタ。結婚生活もうまく行っていると思っていた15年目の記念日。酔って帰宅した夫はそれをすっかり忘れたフリをして、大勢の仲間を連れてくる。客の中には霊媒師や占い女がいて、彼女に不吉な予言をする。案の定、就寝中に夫が別の女の名を呼んだ。ジュリエッタは夫が浮気していると思うと気が気でない。やがてジュリエッタの憂鬱が始まり、それは幻想と現実、過去とが錯綜する世界へと変じていく・・・。



NHKのハイビジョンシネマで初めて観たのですが、いやもう冗談じゃなくて腰を抜かしそうになりました。一瞬3Dで飛び出してくるのか!?かと思うほど、鮮烈過ぎる原色が目にしみます。一歩間違えれば「奥さん、ちょっとお疲れじゃないですか?」と言いたくなるようなストーリーにもかかわらず、そこはこの脳天を直撃するフェリーニ・マジックが、観る者をシュールで幻想的な世界へと誘ってくれます。


小柄で子供のような顔をしているのに、時々目が光るようにオンナの本性が浮かび上がるマシーナ・・・・そのアンバランスな感じが、奇抜で抽象的でグロテスクな洪水の中で彼女の存在感をクッキリと浮かび上がらせていたことに感動。『8 1/2』の女性版と言われているように、この映画はジュリエッタ個人(或いはフェリーニ&マシーナの夫婦関係)の精神世界を巡る極私的な旅。

『魂のジュリエッタ』のような映画について、私の陳腐な言葉なんかで改めて語るのは何とも野暮な行為ですが・・・それでも一言残しておきたい!幼少期に演じた"殉教する聖女"と自分を重ね合わせ、"火炙り"からも連想されるように深層心理でカトリックという宗教の枠や「こうあるべき」と自身をがんじがらめにしてきた社会的常識からはみ出ることを恐れながらも、その呪縛から解放されようとしていく終盤は特にパワフルで、一瞬たりとも目が離せなかった。「火刑台とバイバイしような!」というおじいちゃん、あなたがこの映画の要です。





  カビリアの夜[DVD]

ジンジャーとフレッド [DVD]


『魂のジュリエッタ』は『カリビアの夜』から8年ぶりにマシーナがフェリーニ作品に復帰したことが話題にもなりましたが、二人の関係は途中別居期間を挟むなどそう容易いものではありませんでした。それでも、1985年に再び『ジンジャーとフレッド』で彼女を再登場させ、1992年度のアカデミー賞「名誉賞」受賞の際には "I cannot name everyone, only one name, of an actress who is also my wife. Thank you, dearest Giulietta. And please stop crying." マシーナへの感謝の言葉を溢れんばかりに述べ、二人の姿は多くの映画ファンたちの涙を誘いました。


プレゼンターは、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ!惜しみない敬意と拍手がおくられる中、年を重ねた彼らに表彰されるフェリーニとマシーナの姿は、今見ても胸がいっぱいになります。

しかしこの約半年後、イタリア映画界を代表する"映像の魔術師"フェデリコ・フェリーニは、遂にこの世に別れを告げることになります。イタリアは彼の葬儀を国葬として執り行ない、ニーノ・ロータの曲で葬送が行われました。そしてその5か月後、マシーナもこの世を去ることに。フェリーニが息を引き取った1993年10月31日は、二人の結婚50周年を祝うはずだった金婚式翌日のことだったといいます。マシーナは、笑顔で映る夫フェデリコの写真と一輪の赤いバラを手に、アカデミー賞の夜に身に着けていたスパンコールのイブニングドレス姿で埋葬されました。そして夫フェリーニと共に、生後まもなく亡くなってしまった我が子と3人で、フェリーニの故郷リミニにある美しいお墓で眠っているのです。


Storie d'Amore del Novecento - Giulietta Masina e Federico Fellini
マシーナとフェリーニの間には様々なことが起こっていたはずなのだけれど、彼女はこう答えていました。「その後は、いつも私のところに戻ってくるのよ」と。躰もお尻も巨大でグラマラスな美女に目がなかったフェリーニ監督は、入院中も美人の担当看護師さんを自慢したくて友人に電話をかけていたほど(笑)!でも、生涯のパートナーは、小柄で可愛らしく知的なジュリエッタ・マシーナでした。少数派だとは思うけれど、私はこの映画が好きなんです。解き放たれたような笑顔を見せる"ジュリエッタ"のアップで締めくくられるこの映画は、やっぱりマシーナのために作られたような気がするからです。

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ま、でもこんな映画の企画も進められているようなんですけどね、巨匠!(笑)
 美人女優アビー・コーニッシュ、フェデリコ・フェリーニの恋人役に
『Fellini Black And White(原題)』は、1957年、フェデリコ・フェリーニがアカデミー賞授賞式のためロサンゼルスを訪れた際、恋に落ちてしまったエピソードを描くもので、アビー・コーニッシュはその恋の相手のベティーという名の獣医を演じる。フェリーニはその年、映画『カビリアの夜』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞している。
[シネマトゥデイ映画ニュース]2012年9月12日
美人女優アビー・コーニッシュが、映画『フェリーニ・ブラック・アンド・ホワイト』でイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニの恋人役に決定したとDeadline.comが報じた。





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  2013/10/21 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

Comment


わたしも以前BS2で観て、わからないながらも鮮烈な印象を受けた作品です。

>層心理でカトリックという宗教の枠や「こうあるべき」と自身をがんじがらめにしてきた社会的常識からはみ出ることを恐れながらも、その呪縛から解放されようとしていく

なるほど、こういう作品だったんですね~。
やはり宗教が絡んでくると、作品の根底に流れているものが読み取れなくて、ついていけなくなってしまうことが多いです。

マシーナとフェリーニの実生活の事も全く知らなかったので、興味深く読ませて頂きました。
フェリーニさんも困った旦那さんですね~(笑)

宵乃 |  2013/10/22 (火) 10:51 [ 編集 ] No.187


はなまるこより

宵乃さん、おはようございます。コメントありがとうございました!

いやー、本当に鮮烈も鮮烈、目が痛くなるほどでしたi-237
当時のフィルムでも色鮮やかに映っていたわけですが、もしフェリーニ監督が現代のこのハイビジョン高画質の色合いを目にしたら・・・やはりビックリしたかもしれませんね(笑)3Dにも挑戦していたかも・・・i-228

>やはり宗教が絡んでくると、作品の根底に流れているものが読み取れなくて、ついていけなくなってしまうことが多いです。
仰る通り、本当にそう思います。まったく同感です。
宗教観が違うと、人生観や物事に対する見方がこうも違ってくるのか~と。
それに海外のドラマや映画を観ていていつも思うのですが、俳優や監督自身、あるいは物語のテーマとして、宗教がもとで悩む人が多すぎです。
”教え”に対して疑問を持ってしまった時からずっと疎外感や違和感などで悩んだり、例えば自分が同性愛者だとわかった時から神に見捨てられたと苦しんだり、自分は原罪をおって報いを受けているんだとか・・・・・。救いや癒しのためにある宗教が、どうしてこれほどまでに人を苦しめてしまうのでしょうかねぇ。八百万の神の国に生きる人間としては、ぽけ~とそんなことを思ってしまいます^^;

それと、映画監督などを旦那さんにもつと、タイヘンですね(笑)。あとから"よそで恋に落ちていた"なんて映画を作られてしまったりするなんて、ちょっと待ってくれぇぇぇ!って思っていることでしょう(笑)

宵乃さんへ★ |  2013/10/23 (水) 08:44 [ 編集 ] No.188

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