お散歩シネマ 映画の世界へ出かけよう!!映画の数だけ、もっと世界は面白くなる! 

『ベルヴィル・ランデブー』 (2002/フランス、ベルギー、カナダ) ※ネタバレにご注意を ラストシーンに触れています

   ↑  2013/09/06 (金)  カテゴリー: ドキュメンタリー、アニメ


ベルヴィル・ランデブー


●原題:LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE / 英題:THE TRIPLETS OF BELLEVILLE
●絵コンテ、監督、脚本、グラフィックデザイン:シルヴァン・ショメ
●声の出演:ジャン=クロード・ドンダ、ミシェル・ロバン、モニカ・ヴィエガ、リナ・ブードロー、マリ=ルー・ゴーティエ、ミシェル・コシュトゥー
●戦後間もないフランス。内気で孤独な孫のシャンピオンを元気づけようとおばあちゃんはいろいろな物を買い与えたが、シャンピオンはどれにも興味を示そうとしなかった。そんなある日、おばあちゃんはシャンピオンが自転車に強い興味を抱いていることを知る。やがて、シャンピオンは一流の自転車選手になるため、おばあちゃんと二人三脚で厳しいトレーニングに励むようになる。そしてついにシャンピオンは自転車レースの頂点“ツール・ド・フランス”に出場するまでに成長した。ところがレースの途中、シャンピオンは何者かによって誘拐されてしまう・・・。孫の行方を追うおばあちゃんは、愛犬のブルーノを連れ、海を越えてはるばる摩天楼そびえる大都会“ベルヴィル”までやって来る。





オープニングからいきなり目を見張るほどビッグなお尻のギラギラ女、裸のダンサーに群がる猿みたいな男たち、タップ靴に食べられてしまうアステアなどなど・・・もう夢に出そうなくらいインパクトのある、デフォルメされまくったたアニメーションに圧倒されてしまった。

というかですね、本当にその晩はラストのカーチェイスに出てきた坂の夢を見たんですよ。むかし夢の中で見たような気がする光景で、今思い出してもとても奇妙な感じ。『ベルヴィル・ランデブー』ってそんな映画でした。







どぎついようで気が抜けていて、グロテスクだけれど愛嬌もある、そんな独特の風味にのまれてしまうのです。アニメーションに見慣れていない私など、もうクラクラ。シャンピオンが誘拐されていく船のあのフォルムに、私はすっかり惚れてしまった・・・・・

"感情移入"なんて生易しい瞬間が出てこないくらいこの映画のセンスはパワフルで。

おばあちゃんが「ピッピ!!」って笛を吹きながらシャンピオンと二人三脚で自転車のトレーニングをしているところなんか、セリフがほとんどないせいもあってか、最初はシャンピオンが無言で虐待されているのかと思ったくらい(笑)。体重増加防止のためなんだろうけど、ゴハンの不味そうなことまずそうなこと!でもそのうち、おばあちゃんとシャンピオン(そして犬のブルーノ)の"絆"がどれだけ強いかってことが次第に分かってくるこの冒険談に、私もすっかり夢中になってしまいました。



欲望の赴くままひたすら食べてブヨブヨと太っている子どもから大人まで、みーんな肥満の巨体ばかり。大都会"ベルヴィル"は明らかにアメリカ合衆国という奇抜な世界であって、途中【Hollyfood】と一瞬だけ映るシーンにはブーっと吹き出してしまった!マフィアの手下なんかミッキーマウスみたいな顔をしているし。ウェイターが土下座するシーンとか、正直もう気持ち悪くて仕方ないんだけど(笑)。中毒性のある映画でした。うーんクセになりそう。





それでは最後に、あのラストシーンについて。
以下は『ベルヴィル・ランデブー』の内容に深く関わりますので、未見の方やこれからこの映画を観よう!と思われる方はお控えいただくことを強くオススメいたします。

 ↓     ↓     ↓




 ↓     ↓     ↓
無慈悲なマフィアたちから無事にシャンピオンを奪還し、銃撃戦にも大勝利したおばあちゃんたちは、海を渡って懐かしのフランスの故郷までキコキコと帰ってくるのですが・・・このシーンの被さるようにして、どこか遠いところから"おばあちゃんの声"が響いてくるんですよね。


Les Triplettes de Belleville - Last Scene
Madame Souza: Is the movie over?
         Don't you want to tell grandma? Is the movie over?
Grandson: It's finished grandma.
(Sentence: 'For my parents')



このラストカット、よく見てみると(画像クリックで拡大します)、犬のブルーノと寄り添うおばあちゃんの写真が壁に飾られている部屋で、おじいちゃんになったシャンピオンがTVを観ています。そしてその画面には、これまで私たちが観ていた『ベルヴィル・ランデブー』のラストシーンが映っているんですよね。 オシリをボリボリかいてからちょっとコチラを振り返って「これでお終いだよ、おばあちゃん」と答えるシャンピオン。

たぶん、観る人の数だけ色々な解釈のできる素敵なラストシーンだと思うのです。どれが正しいとか、どんな解説が正しい!というわけではなく。きっと観た人の中で生まれた思いがしっくりくれば、それでいいのだと思います。

驚くような映像表現で釘付けにしてくれた『ベルヴィル・ランデブー』。
それは夢であり、映画であり、変幻自在な物語であるということ・・・このうっとりするような不思議な感覚を久しぶりに思い起こさせてくれる映画でもありました。グロ可愛い奇抜なセンスも、最後にはちょっとウットリ。エンドロール後に現れるレンタルボート屋さんの、途方に暮れた顔もかなりナイスです。

・・・あぁ、また今夜も夢に見そうな予感がしてきましたよ。。。ソレデハミナサン オヤスミナサイ・・・・




関連記事

■この記事に関連する映画制作国、地域 : フランス映画 

FC2共有テーマ : フランス映画 (ジャンル : 映画

  2013/09/06 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ | edit

Comment


印象的な作品ですよね。

わたしもけっこう前に一度観ていて、とても個性的で不思議な世界に引き込まれました。
そうそう、今にも倒れそうな超バランスの船がステキ!
この世界はどこもかしこも不自然なくらいデフォルメされているのに、見せ方が上手くて、不思議と魅力的に思えてしまうんですよね。

>夢であり、映画であり、変幻自在な物語であるということ

そういえばそういうラストでした。この作品らしい掴みどころのない不思議なラスト。
フランスらしいテイストと相まって、センスが光ってました!

宵乃 |  2013/09/07 (土) 11:09 [ 編集 ] No.169


はなまるこより

宵乃さん、こんばんは!コメントをありがとうございましたi-179
宵乃さんもご覧になっていたのですねー!

アクが強くて個性的で、でも不思議な魅力のある映画でしたねぇ。
私は本当に"夢"を見ているような、見た後のような、まるでデジャブのようなフシギな気持ちになってしまいました。あの船とか、シャンピオンの脚とか「イヤイヤもうあり得ないから(笑)!」という画なのに、なんだかあとを引いてしまうような魅力があるんですよねぇ。マイリマシタi-237

本当に、掴みどころのないラストシーンでしたね!
正直、ちょっと胸焼けするような(笑)画のインパクトでしたが、それと反比例するような、静かで素敵なエンディングを見られて幸せでした♪・・・でも、この映画の話をすると、本当に眠っている時に夢に出そうなんです。ちょっと悪夢スレスレです(笑)

宵乃さんへ★ |  2013/09/07 (土) 21:54 [ 編集 ] No.170

コメントを投稿する 記事: 『ベルヴィル・ランデブー』 (2002/フランス、ベルギー、カナダ) ※ネタバレにご注意を ラストシーンに触れています


  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメントとして投稿する。(管理人にのみ公開)
 

Trackback