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【エリック・ロメール映画】久々の2本目 『パリのランデブー』 (1994/フランス)

   ↑  2014/09/05 (金)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ

エリック・ロメール コレクション パリのランデブー [DVD]



●原題:LES RENDEZ-VOUS DE PARIS
●脚本、監督:エリック・ロメール
●パリの男女の恋愛をテーマにロメール監督が描いた3話からなるオムニバス形式の短編集。




NHK-BSの懐かしき「衛星映画劇場」にて10年以上前に鑑賞したフランス映画。
私にとってロメール監督との出会いとなった記念すべき作品でもあります。

生まれて初めて触れた、いわゆるフランス人の超身勝手で我がままで、自由気ままで、熱烈な恋愛観というものに慄きまして「恋愛において自分の思いをこんなに相手にぶつけまくる人間がこの地球上にはいるんだ!!」という驚きで固まったものでした。私も若かったな・・・・(笑)。


【エリック・ロメール映画】1本目 『飛行士の妻』 (1980/フランス)

『飛行士の妻』の時にも書いたのですが、これは「映画を観た!」というよりも、どこかパリの街並みを本当にぶらっと歩いてきたような・・・そして「これは映画なのかな、ドキュメンタリーなのかな?」と感じるほど、実際にそこに生活している人たちの行動観察について回っているような不思議な感覚におちいります。バカだなー、だめだなー、ほ~らやっぱりねー、なんて勝手な感想を抱きながら。




「午後7時のランデブー」

●出演:クララ・ベラール、アントワーヌ・バスレール、マティアス・メガール、ジュディット・シャンセル、マルコルム・コンラート、セシル・パレス、オリビエ・プジョル
●恋人に他の女がいるのを知って困惑する女子大生の姿を描いた「7時のランデブー」


まったく気取ったところのない若者のさり気ない日常を切り取って「こんなすれ違いもあるよねー」と思わず相槌を打ちたくなるようなシンプルな恋愛小話。

ロメール作品を観ていていつも本当に不思議に思うのが、映画に出てくる人たちのあまりに自然な表情や台詞回し。甘えたり落ち込んだりカチンときたり、そういった若者のわかりやすい反応がとてもリアルで、親近感も倍増。まるで学生時代に友達の話を聞いているみたい。

それと、主人公の女の子のファッションがすごーく可愛い点も見逃せません。お金をかけていない(んだと思う)ワンピースをさらっと着た上から何気に色を変えたカーディガンでシルエットに変化をつけたり、学生風・プライベート風でヘアスタイルもガラリと雰囲気を変えてまったく別人のようなファッションを楽しんでいたり。市場やカフェなど実際にゲリラ撮影したであろうリアルな街並みや、観光客も含めたパリという街の活気が背景となっていることで、そこに暮らす若者の姿が更に生き生きと映し出されていています。20年も前の映画なのにまったく古さを感じさせないのは、こういった作品ならではのエッセンスが詰まっているからなんだろうなぁ。




「パリのベンチ」

●出演:オロール・ロシェ、セルジュ・レンコ
●文学講師と他に同棲中の恋人がいる女性との恋を描いた「パリのベンチ」


これは鑑賞当時、最もインパクトのあった一編。
ラストの相手の男性の途方に暮れた表情に対して、最大限の同情を寄せざるを得ないんですよ。あまりに悲惨な結末で本当にお可哀想に・・・・。

フランス映画って、時々「地雷を踏んでしまったか!?」と思うような、なんだかすごい拘りを持って自己主張して激しい感情をぶつけまくって、周囲の人間をブンブンに振り回しまくる、それでもやっぱりお美しい女性というのに出くわすことがありますよね。昔はこの主人公の女性を宇宙人みたいに思ったものでしたが、今観ると、何か自分の中にある懸命に守りたい砦のようなもの、絶対譲れない自分だけのプライドみたいなものを感じて、ちょっといじらしくも感じたりしました。ま、実際自分の周りにこんな人いたら、ただの我が儘なので厄介極まりないですが(笑)。

また、この一編で最も目を引くのは、9月から11月という秋のパリが見せてくれる様々な景色たち。主人公である男女二人は、地元の小さな路地裏であったりお墓であたり公園であったりと、ユニークな場所でデートを重ねます。セーヌ河岸、リュクサンブール公園、サン・ヴァンサン墓地、ベルヴィル公園、ヴィレット公園、モンスリ公園、トロカデロ庭園、オートゥイユ庭園、そして観光客ごっこ。ロメール監督の映し出す公園は、いつも最高の舞台。パリ好きの人にはたまらない一編かも。




「母と子 1907年」

●出演:ミカエル・クラフト、ベネディクト・ロワイヤン、ベロニカ・ヨハンソン
●友達の紹介によりスウェーデンの娘を案内することになった画家の話を描いた「母と子 1907年」。


これですよ、コレ!今回観直してみた中で、一番感想が違った作品は。
当時は「ふーん」とあっさり気味に感じたストーリーでしたが、今回ばかりは思いましたよ、このオンナにだけは関わるな!

シンプルに結った髪がはらりはらりと揺れ動き、近づく彼の傍からするりするりと離れていくたびに「あの娘だけはイカン!」と、思わず村の婆さまが若い衆に言って回りたいような衝動に駆られました。地味で大人しそうな見た目とは裏腹に、ザ・オンナという生々しい感情が見え隠れして私は怖かった~。

「私のせいで、ごめんなさいね・・・」とか「彼女、バカではないわね」とか、ツレない素振りをしながら壁から顔だけ出して恥ずかしそうに微笑むところとか、やること為すこと全て「私ってばもう、うふふ~!」と思っているのがありありと伝わってきます。もう絶対お友達にはなりたくない、合コンなんか絶対一緒に行きたくないという女性です。行かないですけどね。「届きそうで掴めないイチゴがどうの~」と歌っていた華原朋ちゃんの歌のように、こんな掴みどころのない女性に振り回されたい男性もいるってことなんだなーとも思いました。追いかけたくなる男性の本能なんでしょうかね。魔性の女、ファム・ファタールを見てしまった!と思いましたね。






合間に挿入される、うまいのかヘタなのか何となく調子っぱずれの「パリの歌」に気が抜けて、人が恋愛でイタイ思いをしている物語が余計に客観視できてちょっと楽しくなったりします。エンディング、歌い終わった後に車がブゥゥゥ~!っと通り過ぎていく騒音に「あちゃー」という苦笑いをする二人。きっとアクシデントだったんでしょうが、ほんと上手くいかない感じがすごく自然で、この映画全体のトーンを見事に表していて素敵なフィナーレだなと思いました。






最近映画を観る気力・体力に欠けていましたが、久々に観たこの映画、オムニバス形式の短編集で、しかも自分にとって懐かしい一作品でしたので本当に楽しい時間を過ごせました。あー、またこうやって映画を観ていこう!良いリハビリになりました。



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