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『007 スペクター』 (2015/イギリス、アメリカ)

   ↑  2015/12/21 (月)  カテゴリー: アクション、パニック
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●原題:SPECTRE
●監督:サム・メンデス
●出演:ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、アンドリュー・スコット、イェスパー・クリステンセン、モニカ・ベルッチ、レイフ・ファインズ 他
●“死者の日”の祭りでにぎわうメキシコシティで、凶悪犯スキアラと大立ち回りを演じたジェームズ・ボンド。後日、MI6の本部に呼び出され、Mから職務停止を言い渡されてしまう。折しもロンドンでは、スパイ不要論を掲げるマックス・デンビが国家安全保障局の新トップとなり、MI6をMI5に吸収しようと画策していた。表立って活動することができなくなったボンドだったが、マネーペニーやQの協力でローマへと飛び、そこでスキアラの未亡人ルチアと接触、強大な悪の組織の存在を突き止めるが・・・。





ダニエル・クレイグ、公開前のインタビューでなんだかスゴイこと言ってましたね。

Q. また新たなボンド映画に出演するということは考えられますか。
「今かい?それなら僕はこのグラスを壊して自分の手首を切るだろうね。いや、今は出演したいと思わない。まったくね。もうたくさんだ。現状では、ボンド映画を卒業したと思っている。僕たちはやりきったんだ。僕が望んでいるのは、前に進むことだけだ」
Can you imagine doing another Bond movie? ‘Now? I’d rather break this glass and slash my wrists. No, not at the moment. Not at all. That’s fine. I’m over it at the moment. We’re done. All I want to do is move on.’
ジェームズ・ボンドの新作を撮り終えたダニエル・クレイグにインタビュー



ま、インタビューの全文を読むとわかるのですが、「思いついたすべてのアイデアをボンド映画に注ぎ込んできた。この映画に捉われてきた。”ボンド・バンク”は空っぽだよ」(‘Every idea I’ve had for a Bond movie, I’ve stuck into this one. It’s gone in. The Bond bank is dry. )と吐き出すほど、この重圧の続くボンド映画に10年近くも自分を追い込んできたのだそう。

だから、次のことなんて今わかるワケねーだろ!知るかよ!!って、疲れちゃった気持ちを正直にブチマケたんでしょうね、アハハ正直な人。





007/カジノ・ロワイヤル

007/慰めの報酬

007/スカイフォール


ダニエル・クレイグっていつも目が死んでいるところがステキです。

そこから放たれる独特の魅力からは、冷徹さ・凶暴さ、それに繊細さなんかも感じらて、いわゆる余裕や茶目っ気、粋な雰囲気を楽しむ「007のジェームズ・ボンド」とは全く違うシリアスなボンド象を築き上げてきた気がします。突飛なスパイグッズは使わないぞ、定番のベッドシーンだってやらないぞ!という。哀愁とセクシーさを漂わせた現代版の007ですね。

そこで、今回の『スペクター』ですけれど。

うーん、旧007シリーズへのオマージュ満載だ!原点回帰だ!とか言われても正直セルフパロディの"造り感"が強すぎて、007ってこんなだよね!?こんな風だよね!ね、ね、ね!!みたいな制作側の声が聴こえてくるようで、なんかねホント途中で何度かブハーッ!!て吹きそうになりました。だってオープニングの壮大なるタコ踊りとかね、わかるんだけど!わかるんだけど、でも笑いたくなってしまった・・・

007シリーズとしてみればまぁ許される演出であっても、1つの映画作品として観ると「脱ぎゃいいんだろ」「走ればいいんだろ」「ボンドカーもボタン押しときゃいいだろ」「アジトも爆破しちゃえばいいだろ」的な大雑把感も否めず。これではちょっとクレイグも可哀想だなと思った148分でした。←長いんだコレがまた!







オープニングのメキシコシティでの「死者の祭」
バレルロール(螺旋状の飛行)とフリーダイブ専用に造られた軽量双発ヘリを、レッドブル曲芸飛行士がエキストラの頭上わずか9mの高さで飛ばすというド迫力のアクションシーン。

冒頭から一気に惹き込まれる大スペクタクルでしたが、でもアレなんでヘリの操縦士をバンバン蹴って落とそうとするんですかね。本来なら隠密に作戦を遂行すべきスパイなんだから、武器で脅して言うこときかせるとかいうやり方ではダメなんでしょうか。ヤンチャなんだぜ、ってことなんですかね。標的蹴ったり、操縦士の頭をゴツンゴツンやったり、でまたキックキックして、頭をゴツンゴツンして。ボンド、一人ですごく忙しそうでしたね。




『マトリックス・リローデッド』並みによくわからなかったモニカ・ベルッチの登場
私は50歳なのにジェームズ・ボンド映画で何をしたらいいのかと(サム・メンデス監督に)聞いたの。すると「彼(ボンド)が大人の女性と関係を持つというのは良いと思う」と言われたわ。「それは今までなかったことだから、僕はスクリーン上で実現させたい」とね。そこで私は「それは良いアイディアだと思う」と言ったの。(『007 スペクター』プログラムより)

いや別に、ここでボンドのストライクゾーンを教えて頂かなくてもいいんですけど・・・
その後"何も続きがない"という衝撃度はホント凄まじかったです。ボンドレディとか言われてもネ・・・

ただひとつだけ。ペイル・キングの話が出た際に、ベルッチの大きな瞳からつーっとひとすじの涙が頬を伝うシーンにはドキリとさせられました。今にも崩れ落ちそうな成熟した女性の色気。イタリアの至宝と呼ばれる女優ですもん、キッチリ見せ場を作りました。いや作るしかないよね。




今回のナンジャコリャ→「列車バトルのシークエンス」
『ゴールドフィンガー』の初代ボンドばりの白タキシード&蝶ネクタイ、赤いカーネーション付きでボンドを登場させ、お決まりの「Vodka Martini, Shaken, not stirred.(かき混ぜず、シェイクしろ)」でドライマティーニ。『ロシアより愛をこめて』風に悪役プロレスラーと卓袱台返しの取っ組み合いをして、その後ボンドガールが「それでアタシたち、次はどうなるの!?」→「ハイ出ましたベッドシーン!ドーン!!」という「007あるある」展開テンコ盛り。

"オマージュ"と言われれば正しくそうなんでしょうけど、やり過ぎ感が強すぎて「笑うところ?違う?違うの?」と映画館でコッソリ周りの人たちを見渡したんですけど、誰も笑ってませんでした。演じているクレイグもレア・セドゥも真面目そのものだし、笑うところではないんだよね。きっとね。そうか、そうなのか・・・と、スクリーンを見つめたまま暗闇の中で挙動不審になっていた私でした。



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ゃあ、そんなに言うんだったら『スペクター』って全然面白くないのか?と聞かれたら、イヤイヤ映画館で観るには最高に面白かった!と胸を張って堂々と答えたいと思います(手の平返し)。


アクションシーンはどこを切り取ってもクライマックス並みのド迫力ですし、強大な悪の大ボスであるスペクターが「どうしてボンドに意地悪をしてきたのたか!?」の真相なんてちょっといじらしくも思えるし、それでラストの大仕掛けを一生懸命作ったのかと思うと、何だかその努力さえも涙ぐましいじゃないですか。

ボスのMを演じたレイフ・ファインズだって「おっとっと」のシーンで初めて間抜けにも思えたし、なんだか盛り上がってるのか下がってるのかよく分らない地鳴り&地響き全開(映画史上最大2100ガロン級)の大爆破シーンも「爆破だ、爆破しとけ!」並みに2つも用意されていてコレで終わったれ!!というヤケクソ感で胸いっぱいです。

最後はこれ違う映画なんじゃないか?と思うようないきなりのチーム結束感に「えぇぇ!」と思いましたが、Qが着ていたミッソーニのニット男子っぷりが飛び抜けて可愛かったので【星5つ!!】で完全に許してしまおうと思います。

というわけで、何だか色々と楽しませていただいた映画でした。
映画って"楽しんだもの勝ち"ですもん!これで結構けっこう。

・・・ま、朝の8:50開映というのがねぇ、お母さん的にちょっとツラかったですけどね
前日から洗濯だ掃除だと全部片づけておかないと7:30登校の子どもを見送ってから家を出られないですもん。次の回だと子どもが学校から帰ってくるのに間に合わないしさ・・・でもやっぱりレディースデイの水曜に行っておきたいしさ、グチグチ・・・





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は、ここまで小姑のようにイジイジと書いてきたので、物のついでです。
今回『スペクター』で個人的に最も気になったオーストリアの雪山でのボンドファッションのことも書き残しておこうと思います。



雪上でボンドが全身黒でキメて登場した時、彼の足元を見たらパンツの裾が何か違う・・・
これはなに?ロールアップ?あったかファー?

ハイファッションのボンドもこうやってヌケ感を出すのかしら~と、そこだけ妙に気になりまして、その後のアクションシーンで脚が映る度、私は彼の裾に釘付け。見るのはパンツの裾ばっかり。

で、家に帰ってからもこの"雪山ファッション"が気になって気になって・・・・・
それでね、いつもの勢いでちょっと調べてみたんですよ!(ドヤ顔)

Danner Mountain Light II
そうしたらこれ、ジャケットと同じトム・フォ-ドのスターラップパンツ(いわゆる足に引っ掻けて穿くパンツですね)に、ダナーのMountain Light IIのブラックブーツを履いていて、この折り返しは靴下なんじゃないかな!と。
(※但し独自の調査によるものですので、公式発表では靴下アイテムの公表はありません)

そうよ、きっとそうよ!ボンドだって雪上は寒いから、なるべく厚手の靴下を履くんだよ。
自分で靴下をクルっとしたのかと妄想すると、クレイグボンドもちょっと可愛いかもと思いました。・・・ホント、どうでもいいことなんですけどね でも、黒ずくめで色合い的に面白みに欠ける中、アクセントにもなる上手い着こなしですよね。ね!


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