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『COMET/コメット』 (2014/アメリカ)

   ↑  2015/12/24 (木)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ

 
●原題:COMET
●監督:サム・エスメイル
●出演:ジャスティン・ロング、エミー・ロッサム、エリック・ウィンター、ケイラ・セルヴィ
●一組のカップルの6年間にわたる愛の軌跡を【パラレルワールド】を交差させた独創的な語り口と技巧を凝らした映像表現で描き出す異色のロマンティック・ストーリー。悲観主義者の青年デルとキンバリーは彗星の降る夜、運命的な出会いを果たす。イケメン男性との初デートだったにもかかわらず、キンバリーは変わり者のデルの言動から目が離せなくなってしまう。一旦それぞれ別の場所に向かうものの再び顔を合わせ・・・。




映画館へ映画を観に行くのは、唯一独りで自由に過ごせる時間なので基本一人で行くのが好きなのですが、今回は例外ということで。先日、ヒューマントラストにて友人と鑑賞。

観終わった後、二人とも感想が真っ二つに分かれましたねぇ。

でも両者ともに一致したのは、この映画は「別れの予感がする二人が一緒に観たら危険だな~」というもの。老婆心ながら申し上げますと、【デートムービー】には向いていないような気がします。一見、ポスターとか宣伝の仕方はロマンティックに見えますけどね。







不思議な映画なんですよねぇ・・・

『Comet/コメット』って、中2病をこじらせたみたいな二人が意味ありげな会話をベラベラと喋り続けるんですが、そのほとんどはよくある恋人同士の無駄話ばかり。

で、そんな二人の時系列をただ入れ替えて、いくつかの"時"や"場面"をランダムに見せているだけなのかなーと思っていたのですが、次第に「これは誰の記憶で、誰の世界なんだろう」と、まるで頭の片隅に眠っていた曖昧な記憶を辿っていくような、不思議な感覚に陥っていくのです。

どこまでが現実で、どこからが夢なんだろう。
起こったことをどんな風に記憶していたんだろう。
自分が望んだ世界はどれなのか。
今、この瞬間は現実なのか、夢なのか。



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友人は「"恋の始まり"を思い出すことで"後悔だけは絶対しないよう力を尽くすべきだ"と言っていると思った」と言っていたけれど、私は「愛が終わるのが現実。奇跡が起きるのは夢の中だけで、物事は"後悔先に立たず"だと思った」と言ってしまった(笑)。

お互いの人生観のあまりの違いに笑いましたが、観る人によって受け取り方がまったく変わってくる面白い作品だと思います。

あの時こう言っていれば。
あんなことをしなければ。
もし、違う選択をしていたら。







私ね、このパリのホテルでのシーンが一番グサグサ刺さりました。

信頼と不満と愛憎が目まぐるしく入れ替わり、すれ違い、往ったり来たりする感情の揺れに傷つき、翻弄され、どんどんどんどん疲弊していく様があまりにリアルで。

そして、これほどハッキリと人の心が離れた瞬間を見せ付けられたことにもギクリとさせられました。ほんの僅かに、今にも切れそうな細い糸で繋がっていたキンバリーの感情が「あ、今、終わった」と手に取るようにわかるシーン。・・・・凍りました。

自分以外の人間との溝を理解せずに、言葉だけを過信して放っていると取り返しのつかないことになる。・・・これからプロポーズを考えている男性は、ぜひ一度観るべきかも!








二人の出会いは墓場。割れる鏡。飛び込む鳩。
古来より不吉な出来事の予兆として考えられてきた彗星。

そして唯一無二の存在であるはずの太陽が2つ現れ、「君と結ばれない世界にはいたくない」と口にするデル。









よく映画では「恋人は別れたら終わり」とか「違う人と結婚するから二人はお終い」というストーリーになりがちだけれど、現実ってそんなに簡単な"お話"ではないと思うんですよね。

もちろん一度失ったら二度とこの手に返ってこないものもあるけれど、20年、30年後に再会して新たな関係を築く人達だっているかもしれないし、12年も経って"友人"としての穏やかな関係が戻ることだってあるかもしれない。って、この場合のソースは私なんですが!(ま、もともと私は結婚には向いていないタイプだったからこれでよかった笑)アハハ。

「出会えてよかった」と、二人だけの6年間の軌跡を共有し、振り返ることができるなんてデルとキンバリーは十分幸せだと思うんだけどなぁ。





ま、さすがにここまでくると、私もちょっと達観し過ぎかな?とも思ったのですが、エスメイル監督がインタビューでこんなことを言っているのを見つけたので、私の考えもあながち間違いではなかったかも!


サム・エスメイル監督のインタビューより ※ややネタバレしています
パラレルワールドでは、ある一方の世界では物事は事実となるけれど、他方の世界では嘘になります。ですから、すべては観客に委ねようと思っています。登場人物たちの行く末を観る人たちが選べるわけです。この考え方は、最終的にデルとキンバリーに起こる出来事が複数バージョン存在するということでもあります。ですから、全ては受け取り手次第ということになるのです。
どんなエンディングがあってもいいと思っています。が、この映画のラストをどうなって欲しいと望んだか?ということはあまり問題ではないのです。なぜかというと、「愛は本物なんだ」という真実をデルが最終的に受け入れたことが、この旅の終着点となるわけですから。この物語のラストは、正にここだと私は思っています。
In one parallel universe things are true, and in another, they`re a lie. To me, everything is up to the audience. You can choose which path you want the characters to go on. The idea of parallel worlds means there are multiple versions of what ends up happening to Dell and Kimberly, so it really is up to you depending on what view you want to take. But all those different endings I believe do happen, and I think that by the end of the film it doesn’t matter which way you want to go, because the journey ends with Dell finally accepting the fact that love is real. That for me is where the story ends.
“The good times and the bad” – Interview with Comet Director Sam Esmail 【Vulturehound Magazine】



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