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『ザ・ウォーク』 (2015/アメリカ) ※試写会レビュー 第1弾

   ↑  2016/01/22 (金)  カテゴリー: アクション、パニック
 
●原題:THE WALK
●監督:ロバート・ゼメキス
●出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン、ジェームズ・バッジ・デール 他
●少年時代に綱渡りに魅せられ、以来、独学でその技術を磨いてきた青年、フィリップ・プティ。彼にとって綱渡りとはアートであり、自己表現の方法だった。そんな自らの欲求を満たしてくれる舞台を求めていた彼は、エッフェル塔を抜いて世界一の高さになるというニューヨークのツインタワー建設の記事を目にする。その瞬間、この地上110階、高さ411mのワールドトレードセンターで綱渡りをしたいとの欲望に取り憑かれたプティ。さっそく大道芸人仲間のアニーをはじめ、この壮大な夢を共有してくれる仲間を集め、入念な準備に取りかかるプティだったが・・・。




試写会で【3D上映】というのは初めての体験になりました。


シアター入口で≪おしぼり≫を頂いたんですけどね、「えー、こんなのいらないわい」ってすぐにバッグにポイっと入れちゃいました。・・・・・が。

イヤイヤイヤイヤイヤ!! 絶対いるわコレ!


↑「手汗が大量に出る」って本当でした。ごめんなさい。
この映画、高所恐怖症の人や心臓の悪い方は、絶対に観ない方がいいです。人間って本当に手の平から"滝汗"が出るんですよ。スキーのリフトで足をブラブラさせて乗るだけでも私ダメなのに、なんでよりによってこの映画の試写会に行ったんだろう。もうバカバカ。観る側も体力勝負を試されます!







この『ザ・ウォーク』という映画は、主人公フィリップ・プティの心の内を掘り下げて描写することなど目もくれず、「フィリップたちはワールドトレードセンターに潜入できるのか!?」「誰にも見つかることなくワイヤーを張れるのか!?」そして「高所でのワイヤーウォークはうまくいくのか!?」という、このスリルを存分に味わえ~!のアトラクション的要素に重きを置いた疑似体験ものといったところ。

この潔さ、爽快です。

常に最先端のVFXを活かしたビジュアル重視の作品を得意とするゼメキス監督作品らしさでもありますね。
情熱を持った登場人物が出てくるストーリーと映画的なスペクタクルがそろうと、とてもエンタテインメント性にあふれた映画のレシピとなるんだ。(中略)最初に思いついたイメージは、フィリップがワイヤーに1歩目を踏み出し、眼下にニューヨークの街が広がっている映像。映画らしいイメージだと思った。
地上411mで空中闊歩 ロバート・ゼメキス監督が語る『ザ・ウォーク』【MTV JAPAN】


「マン・オン・ワイヤー」スペシャル・エディション


我が儘で身勝手な子どものようでもあり、また一方でその純粋さが周囲の人々の心も虜にしてしまうプティの人間的魅力については、2008年度のアカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作品『マン・オン・ワイヤー』で観れば十分、ということなのでしょう。






ただ、今回ちょっと残念に思ったこと、改めて気になったことがありました。
それは、どうしてもコンピューター処理に頼らざるを得ないゲーム画面のような映像の"軽さ"です。

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個性的な演技派俳優であるレヴィット独特の温もりや鬼気迫る"狂気"など、生身の人間の肉体から発せられる熱や重みといった存在感があまり感じられず、彼の息遣いさえもどこか削ぎ落とされているように感じました。

Q.フィリップを演じる上で、監督はジョセフにどのようなことをリクエストしましたか?
ゼメキス監督:面白いことに、僕はジョセフにワイヤーウォークをマスターすることは求めなかったんだよ。彼自身が学びたいと主張したんだ。僕はワイヤーウォークのシーンを、デジタルで描こうと思っていたんだけどね。でも彼はワイヤーウォークを学びたがった。もちろん、その意見はすぐに採用したよ。
地上411mで空中闊歩 ロバート・ゼメキス監督が語る『ザ・ウォーク』【MTV JAPAN】



クリストファ・ノーラン監督作品『インセプション』より

『インセプション』での無重力アクションシーン。
このメイキング映像で見せたレヴィットの動きの美しさといったらもう!実物大の巨大なセットを建造してそれを回転させるという、デジタル技術を出来るだけ使わない実写志向のノーラン監督らしさが存分に発揮されたシーンでしたが、レヴィットの身体能力の高さは『プレミアム・ラッシュ』でも折り紙つき。

NYに在住しているフィリップ・プティ本人から特訓を受けたというレヴィットは、ほぼスタントなしでワイヤーウォークを行ったのだそう。だからなのでしょう、大道芸のシーンや田舎町での沼の上での綱渡りなど、VFX満載とは言えない場所での地味なワイヤーウォークはどれも美しくて楽しげでした。

実際に411mの高さでやってくれ!とは言いませんが(トム・クルーズならやりかねない・・・)、あまりに分かり易いコンピューター処理による特殊視覚効果は逆にこの実話をファンタジーのようにしてしまい、「落ちる?」「おちない!?」「落ちそう!!ギャー」という"高所アトラクション映画"という枠に圧し込めてしまったような気がします。魅力的なレヴィットの良さをもっともっと活かしてほしかったなぁ。



さて、ここで突然ですがレヴィットファンの皆さんに嬉しいニュースです

『ザ・ウォーク』では、ファンなら悶絶死しかねない素敵なサービスショットがあります。
私の隣で観ていた女性は堪らず「・・・ブー!!」って吹いてました(笑)。一見華奢でキュートな笑顔を見せる彼ですが、実は脱いだらスゴイ系の細マッチョ。彼の魅力に参ってしまった女性ファンは必見です。これは絶対お見逃しなく!
↑大事な事なので2回言いました。









それからもう一点。この映画の他にはない特色を。


『ザ・ウォーク』という映画は、今はなきワールドトレードセンターをとてつもなく巨大で美しい存在として描くことに意味を持たせているような気がしました。

資本主義経済のシンボルだった世界貿易センター。
建設当初は、近未来的で四角い無機質なデザインが「味気ない」「個性がない」と好意的に受け取られていなかったと言われています。

また、映画の中で多くは語られませんが、この頃のアメリカは71年に発生した急激なインフレと失業に対処しきれぬまま経済力が衰退。これに伴い、米国主導下で構築されてきた戦後世界の構造も足元から崩壊しつつある時期でした。ビジネスマンの中にヒッピーがいたり、フィリップ・プティの綱渡り成功(逮捕)を伝える新聞の脇には「ニクソン大統領辞任」の文字が見られるなど、当時の社会的背景は僅かに描かれています。

“なんと、無謀な!”思わず、息を飲んだ ―『マン・オン・ワイヤー』クロスレビュー【Web Dice】
※フィリップ・プティが渡る実際の映像

人々の権力に対する猜疑心。自由への憧れ。価値観が崩れ始め「何かが狂っている」と感じ始めた空気の中、常識に囚われず何も恐れず「なぜそんなことをするのか?」の問いに「理由なんてない」と真っ直ぐに答えたフランス人、フィリップ・プティによる史上最も美しき犯罪

2001年9月11日。多くの人々の命が失われ、崩壊し、アメリカ人の心に衝撃と哀しみをもたらした場所。2つのビルの間を一本のワイヤーで繋ぎ、命綱なしで一歩ずつ渡っていく彼の姿は、今だからこそ「前へ進んでいくんだ」という"希望"の象徴のようにも感じられました。

観るなら絶対、映画館がオススメの作品です。



仲間が集まってくる過程がちーっとも解せませんでしたが、若かりし頃のウィノナ・ライダーをもっとスウィートにした感じのシャルロット・ルボンが可愛すぎるのでそんなのなかったことにしちゃおう!「Les Carottes sont cuites」(=人参は煮えた)というフランス語らしい諺が印象的でした。
2016年1月23日(土)より全国ロードショー




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