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『クリーピー 偽りの隣人』 (2016/日本) ※物語の展開・ネタバレは本文末にあります。ご注意を

   ↑  2016/06/19 (日)  カテゴリー: サスペンス、ミステリー
映画『クリーピー 偽りの隣人』公式サイト





クリーピー (光文社文庫)


●原作:前川 裕「クリーピー」 (光文社文庫)
●監督、脚本:黒沢清
●出演:西島秀俊、竹内結子 、川口春奈、東出昌大、香川照之、藤野涼子、戸田昌宏、馬場徹、最所美咲、笹野高史 他
●大学で犯罪心理学を教える元刑事の高倉。郊外の一軒家に引っ越し、妻・康子と2人で穏やかな新生活をスタートさせる。ある日彼は、刑事の野上から6年前に起きた未解決の一家失踪事件の分析を依頼される。事件の鍵を握るのはひとりだけ残された一家の長女・早紀。しかし彼女の当時の記憶は曖昧で、事件の核心にはなかなか近づくことができない。そんな中、高倉と康子は、謎めいた隣人・西野の不可解な言動に次第に振り回され始めるのだったが・・・。





・・・・あのですね、

ちょっと余計なお世話かもしれませんけどね・・・・


この映画、予告編で93%ほど出し切ってますよ!
これって一体どういうこと~(涙)



わたくし、【おうちで試写会】で鑑賞させていただいたのですが、予告編以上のことはほぼ起こらないので、こりゃ全然ミステリーでもないしサスペンスでもスリラーでもないということに一人悶絶しまくった次第です。


一体どこでエンジンがかかるのかなー?と思いながら観ていたんですけど、結局最後までクリープ現象で進むAT車みたいな走りで、アクセル不要のまま終わってしまいました。あら、映画『Creepy』で「Creep現象」ですって!プププ







「・・・ここには確かに犯罪のニオイがする!」なんて何の根拠もなく突然言わせる脚本もスゴイと思うし、事件現場に行ってみたら重要参考人が偶然訪れていた!とか、ナンダソリャ展開がテンコ盛りで、色々と不思議ちゃんな映画でした。




香川さんなんて「なんだかちょっとヘンな人かな・・・」とかいうレベルじゃなくて「あなた本当にヘンですよね!」と断定できるアカラサマぶりなので、彼のこと怖がりようもないし何の疑念も浮かばない。

↑このシーンで、香川さんは電柱に貼ってあるチラシをベリベリ剥がしてポケットに入れたりとかするんですが、これがまた「ザ・変人演技とはかくあるべし!!」にしか見えなくて、こんなベタな演技ってアリなのかしら・・・と逆に心配になってしまいました。


庭木がざわざわ揺れて、何とも言えない恐怖心を生み出します
風でカーテンが揺れて、なんだか気味が悪いです
画面が斜めにカットされて、不安感を煽りまーす


こういう描写、ミステリーものの教科書に書いてあるのかな?






ただね、この映画。

色々なことが(予告編も含めて)色々とアカラサマすぎで何の捻りもなく、全体的な作りもヘンなのですが(あら言ってしまった!)、よく考えてみれば出てくる人たちが皆どこかヘンなんです。


↑しょっちゅう出てくる大学のシーン。学生たちがよく笑い、よく遊び、よく喋っているのが研究室のガラス越しに見えるんですけれど・・・・

エキストラとして演技指導もあったんでしょうが、これがまた「ザ・コミュニケーション」のお手本!みたいな戯れ方で。閉塞感や秘密たっぷりの主演側との対比なのかもしれませんが、これがもう、わざとらしさ全開

その中の学生役さんで主演側に目線を向ける人もいたりして、えーっコレっていいんですかね!?「カメラ目線ラをしてはいけない」ってエキストラの基本中の基本ですよね。も、もしやコイツが影の犯人か!?とか思って、フラグが立ったのかと思ったくらい。私の心が捻じ曲がっているのか!?


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ヘンだといえば、この夫婦もかなりヘンですよ。

私ね、この映画で一番creepyに思えたのは竹内さんでした(個人的に、です)。

飼い犬マックスくんの【脱走&飛び掛かり事件】だって「あーらら、すいませんね~」程度で終わらせている竹内さん、コワイです(私なら平謝りする!)。それから自分で持って行ったチョコレートを、帰って来てからいきなりゴミ箱にブン投げてしまうとか。この豹変ぶりに「実は竹内さんが影の犯・・・・」というか、ここまでくるとワタシの心はどん曇りですね(笑)。

ま、でも、あんな風に「これ余ったので・・・アレ、これじゃ中に入れないなぁ?」とか言いながらシチューを大量に持って突撃されたら、私、絶対ご近所付き合い控えさせていただきたい

香川さんは物理的な距離感覚がヘンでしたけど、竹内さんは人間関係における距離感がちょっと奇妙だなぁと思いました。竹内さん、じゃなくて康子さん、ヘンテコな旦那さんと生活していて相当お疲れだったんでしょうね。




※というわけで、以下は『クリーピー 偽りの隣人』のネタバレ(と言っても、予告編でほとんど出尽くされているので残り7%くらいのネタバレなんですが笑)、ラストの展開内容に深く関わります。

未見の方やこれからこの映画を観よう!と思われる方はお控えいただくことを強くオススメいたします。




     ↓ ネタバレ注意 ↓




     ↓ ネタバレ注意 ↓



高倉という人は、お婆さんに対して「ここにすっこんでろ!」とか言って圧し込めちゃったり、自信満々に犯罪心理学をご披露したかと思えば周りを皆散々な目に遭わせちゃったり、残忍な犯行を「さすがアメリカはスケールが大きいですねぇ!」と平然と笑ったり「それは面白い!」なんて興奮を抑え切れず口に出しちゃったり。

この映画は「高倉には心がない」ということで全てが決着しちゃうんでしょうね。

その結果、遣ること為すこと全部、周囲の人たちを巻き込んで悪い方向へと向かわせてしまうんだけれど、"心"がないから西野に自身を持って行かれることもないのでコントロールもされず、最後は"収束"も可能でした!ということで。奥さんラストでワーワー言ってましたけど、これって我に返って"崩壊"したんじゃなくて自分の旦那さんが怖くて泣いていたりして(笑)。

ラストに向けて、映像も含め、話がどんどん現実離れしていく気がしたのですが、これってこの映画の"持ち味"なんでしょうかね・・・。ファンタジー入っていましたもんね。


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隣人は静かに笑う [DVD]


"隣人"系の映画といえば、普通の家族に見えたのに実は・・・!という『隣人は静かに笑う』。この映画には、本当に気落ちさせられた思い出が・・・

この『クリーピー』のように、怪しさやる気満々キャラだと怖さもサスペンス度も緊張感も下がってしまいますね。本当に怖いのは、一見"普通"に見えて、どこかおかしい、何かがアンバランスだ、という人。あ、これって正しく高倉さんじゃないですか!こういう演技を、香川さんにも見せてもらいたかったなぁ。



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