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『ソイレント・グリーン』 (1973/アメリカ)

   ↑  2012/09/14 (金)  カテゴリー: サスペンス、ミステリー



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●原題:SOYLENT GREEN
●監督:リチャード・フライシャー
●出演:チャールトン・ヘストン、エドワード・G・ロビンソン、リー・テイラー=ヤング、チャック・コナーズ、ジョセフ・コットン、ブロック・ピータース、ポーラ・ケリー、スティーヴン・ヤング 他
●2022年ニューヨーク。爆発的な人口の増加と環境汚染により、食料問題は深刻を極めていた。同年、ソイレント社は合成食品≪ソイレント・グリーン≫を発表。問題は解決に向かうかと思われたとき、同社の社長が自宅で殺害されているのが発見される。殺人課のソーンが捜査に乗り出すが、その背後には食糧危機打開のための政府の陰謀が渦巻いていた・・・。



やっと観られた~。初めて観ました。
しかしながら、SF映画といってもかれこれ40年前の作品になるので、流石に現代の感覚で見てしまうと当時は直球できたであろう驚愕の事実に衝撃!!というよりも、正直に言って、あらゆる"衝撃"になれてしまった制作から40年後のこの世界と、それを冷静に観てしまう自分が怖かったりしました。ディストピアとして描いた世界が、実は現代に追いついてしまって目の前にあるからなのかもしれません。

映画って時代性や"鮮度"もあるでしょうから、こういった映画はやはりリアルタイムで鑑賞できるのが一番幸せなんだろうな、と改めて実感した次第です。


とは言ってみたものの。
工業化まっしぐらの近代化を表したオープニングからそのセンスは光っていて、多くのエキストラを投入して閉塞的・絶望的な世界を映像で見せ、自然破壊や過剰な物質文明に対して警鐘を鳴らした名作として、そのメッセージ性は現代にも十分通用するものがあります。

若く美しい女性は「家具(Furniture)」と呼ばれ、ほとんど人間性を無視した"接待用"で置かれていたり(しかも「建物用」か「個人用」かにも分かれている!!)、知識のある高齢者たちは貴重になった紙や本の代わりに「本(Book)」と呼ばれるなど、それはそれは異常な世界。美貌を失った"Furniture"はどうなってしまうんだろう・・・コワイヨゥ~



鎮圧部隊を「Scoops」と呼んだ時もドキリとしました。「The SCOOPS on their way!」だもの。私は本当に、一切ネタバレを知ることもなくこの映画を観たのでこれが一番の衝撃だったかも(ま、映像はチープなんですけれど)。音楽が流れることもなく淡々と描かれているのもまるで冷静なドキュメンタリーのようで、一層異常な雰囲気がしました。

・・・因みに、映画『ソイレント・グリーン』の原作であるハリー・ハリソンのSF小説『人間がいっぱい』では、人口爆発で足の踏み場もなくなるほどに過密した生活の息苦しさが十分に描かれています。この小説の原題は「MAKE ROOM! MAKE ROOM!」・・・日本語で言うなら「場所を空けて!」。映画版では"人口過密"の深刻さよりも食糧難の方に重点が置かれているので、この「Make Room!」という言葉の意味はさほど大きく扱われてはいません。・・・が、実は神父様が「鎮魂ミサをしたい」と言った時のセリフに「Should I make room?」が当てられているんですね。ドキっとしました。生きるために場所を空けるのではなく、この映画では死者のために場所を空けたいだなんて。皮肉なセリフです。




肉や野菜、本物の食材があること、水とせっけんで手が洗えること、熱い湯でシャワーを浴びられること。老人ソルが涙を流して喜び、かつて美しい自然がこの地球にもあったことをソーンに語る姿を観ていると、当然のように享受している現代生活の有難さが身に染みます。


このチャールトン・ヘストンとエドワード・G・ロビンソンの固い絆は『ソイレント・グリーン』という映画の中で唯一人間性の通った温かなもの。実際には癌の進行のため耳がほとんど聞こえないまま演技していたロビンソンは、これが彼の最後の映画になるだろうとわかって撮影に臨んでいたといいます。ロビンソン最後の出演シーンでヘストンが泣いていたのは本物の感情でしょう。最期の最期まで役者として演じ、撮影10日後に亡くなったロビンソンの姿は、『ソイレント・グリーン』のラストにも尚一層の大きな重みを持たせている気がします。

アクションシーンであってもほとんど音楽がかからないこの映画ですが、ロビンソン最後の出演シーンである"ホーム"では、それまでとは正反対に高らかに音楽が響き渡ります。チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」、ベートーベンの交響曲第6番「田園」、そしてグリーグの「ペール・ギュント」の朝へ。遣り切れない重い悲しみと、気高く荘厳な美しさと。忘れられない名シーンがまた一つ増えました。




【おまけ】
Soylent Green/Parallax Corporation【Amazon.com】
で、検索してみたら、やっぱり「ソイレント・グリーン」クラッカーが発売されていました。やるだろうなーこういうの絶対やるだろうなぁと思った~!・・・でも生産ラインを見るのは、やっぱりちょっと怖いかな(笑)。

ソイレント・グリーン@映画生活



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 2013/07/15