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『落下の王国』 (2006/インド、イギリス、アメリカ)

   ↑  2012/01/15 (日)  カテゴリー: ロマンス、ドラマ





ザ・フォール 落下の王国【Blu-ray】 [ リー・ペイス ]


●原題:THE FALL 邦ソフトタイトル:ザ・フォール/落下の王国
●監督:ターセム
●出演:リー・ペイス、カティンカ・ウンタルー、ジャスティン・ワデル、ダニエル・カルタジローン、レオ・ビル、ショーン・ギルダー、ジュリアン・ブリーチ、マーカス・ウェズリー、ロビン・スミス、ジットゥ・ヴェルマ 他
●『ザ・セル』で世界に衝撃を与えたターセム監督による、構想26年、撮影4年の歳月を費やして創りあげた圧倒的な映像世界。20カ国でロケーションを敢行し、多数の世界遺産が登場、CGを使用せず創りあげた映像美は観るものを魅了する。映画の撮影中に怪我を負い病院のベッドで寝たきりのスタントマン、ロイは、重なる不運に自暴自棄になっていた。そんな彼の前に現れたのは、同じ病院に入院していた5才の少女アレクサンドリア。ロイは自殺しようと薬を手に入れるために、アレクサンドリアを利用することを思いつく。そして、彼女の気を引こうと、6人の勇者が世界を駆け巡り、悪に立ち向かうという、世界にたったひとつしかない冒険物語を聞かせ始める。(Amazon[内容紹介]より一部抜粋)





アカデミー賞受賞デザイナーの石岡瑛子が衣装デザインを担当。しかも"デビット・フィンチャー&スパイク・ジョーンズ present"という豪華さ。予告編を目にした時から絶対に観よう!と決めていた作品でした。

映画というものはイマジネーションの世界を変幻自在に映し出してくれるリアルな夢のようなもの。そこに見えるのは、宇宙さえも駆け巡る壮大な物語から、日常に見える影や陽の中に舞う小さな埃まで。この束縛も限界もない究極の映像美の世界を心ゆくまで堪能させてくれたのが、インド出身でアメリカ在住のターセム・シン監督。個人的には映画監督というよりも、アメリカを代表する大企業やミュージシャンのCMやPVを創り上げる「映像ディレクター」というイメージが強いのですが、昨年は『インモータルズ―神々の戦い』も公開され、今後益々幅広い活躍が期待されている監督さんの一人なのでしょう。




この映画、映像美もスゴイんですが「子役」もスゴイのです。歯抜けでポッチャリ5歳のアレクサンドリアちゃん。彼女を演じたカティンカ・ウンタルーの存在感から目を離すことができませんでした。

突然、何のことやら分からないまったく違う話を始めてみたり、興味のない話や内容をよく分かっていないのにウンウンと知っているフリをして見せたり、適当に相槌を打って話を聞き流していたり・・・・と、このくらいの年齢の子どもとして実にリアルな演技をするのです。「リアルすぎる!!」と思っていたら、
彼女は、当初この映画が単なるドキュメンタリーだと思っていて「実際に障がいを持つ大人が子供に物語を話すので、ただそれを聞いてればいい」と勘違いしていた。結局は撮影が始まって、これがドキュメンタリー映画ではないことはカティンカも分かったものの、相手役のリー(ロイ役の俳優の名前)は本物の障がい者だと最後まで思い込んでいた。
【YOMIURI ONLINE】ターセム監督インタビュー記事より(現在はリンク切れのため参照できず)

とのこと。あぁやっぱり!あの会話の間合いが演技だとしたら、オスメント君もビックリでしょう。






で、映画の感想はと言いいますと・・・この作品はちょっと私には合わないものがありました。ザンネン。

映像屋さんであることは、よーく分かりました。目も眩むようなゴージャスな映像美と想像を超えて放たれるイマジネーションの無限の広がりは、その瞬間の心を捕えはするものの、それから先のお話が重厚な映像に比べるとやや薄いのでは・・・という感じがしました(完璧で隙のない映像美という点では、この映画を観ている間、黒澤明監督『夢』を思い出していました)。


≪以下、ほんの少しだけこの映画の内容に触れています≫



私が引っかかってしまったのは、映像のことよりももっと基本的な「おはなし」の部分なのです。個人的な感想で申し訳ないのですが、私は子供(子役)をワンワン泣かせて観る者の感情を揺さぶらせようとする話にはイヤーな気持ちしか湧き起こらないのです。

ほんの五歳の子供に対して物語を聞かせるのに、あれだけ泣かせて(しかもルーマニア移民なので英語も一生懸命話しているというのに!)「死なないで・・・」と頼ませるシーンなんてもう。いい年した大人であるロイは、自分が大怪我をして失恋もして人生に失望して死にたくなったという理由で、ほんの子どもでしかないアレクサンドリアに◯◯をさせ、しかも◯◯させてしまったというのに!私がその場にいたら「そんなに子供を泣かせるんじゃありません、このバカタレが!」と怒鳴り込んでいるかも。それまでのアレクサンドリアの演技があまりにもナチュラルだったことが余計にこの気持ちに拍車をかけているのですが、泣いている子どもの前では大人の未熟さが際立つだけで、本当は多くの観客がこのシーンで泣かされるという「映画最大の山場」にもかかわらず、私は勝手にここですっかりトーンダウンしてしまいました。すっかりアレクサンドリアちゃんの親の気持ち・・・



ただ言い訳のようですが、この映画、最後だけはとても素敵なんです。
こどもの優しい視線や、「映画」というものへの情熱、愛情がジーンとか感じられるグランドフィナーレは本当に素晴らしいなと。こういった"細やかさ"が、物語の下地にずっと続いていればよかったのになと思います。ターセム映画。パーフェクトな映像の美しさだけは、本当に圧巻!でした。

落下の王国@映画生活




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