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『第十七捕虜収容所』 (1953/アメリカ)

   ↑  2011/12/02 (金)  カテゴリー: アクション、パニック




【DVD】第十七捕虜収容所ウィリアム・ホールデン [PPB-102501]


●原題:STALAG 17
●監督:ビリー・ワイルダー
●出演:ウィリアム・ホールデン、ドン・テイラー ダンバー、オットー・プレミンジャー、ロバート・ストラウス、ハーヴェイ・レンベック、ネヴィル・ブランド、ピーター・グレイヴス、シグ・ルーマン、リチャード・アードマン 他
●第二次大戦中のドイツの第17捕虜収容所。その第4キャンプでは米空軍の軍曹ばかりが集められていたが、中でも曲者なのが悲観論者のセフトン。キャンプ内に独軍に通じるスパイがいると囁かれた時に、彼は真っ先に嫌疑をかけられ、仲間から次第に除け者にされていった。孤立状態の中で、セフトンはひとり黙々とスパイ探しを続けるのだが・・・。ブロードウェイでヒットしたドナルド・ビーヴァンとエドモンド・トルチンスキーによる舞台劇を基にした異色の戦争ドラマ。





1943年の『熱砂の秘密』以降、2度目のビリー・ワイルダー×戦争モノというちょっと異色な組み合わせ。

でもそこはワイルダー監督の見事な技あり!
ハーヴェイ・レンベックとロバート・ストラウスのおとぼけコンビのコミカルタッチから、ドイツ軍と通じているスパイを探し出すというスリリングなストーリーまで、様々なジャンルをまとめて全部楽しめるという気前の良い一本です。

しかも、この作品でアカデミー主演男優賞を受賞した骨太タフガイのウィリアム・ホールデンの"渋カッコ良すぎる"演技や、あの元祖「スパイ大作戦」のリーダージム・フェルプスことピーター・グレイブスの若かりし頃(しかもこの役がまた・・・!)や、ハリウッドの天才&暴れん坊で本当はユダヤ人なのにナチスの捕虜収容所所長を演じるオットー・プレミンジャー監督の姿まで堪能できるという、この上ない贅沢さ。こういう気持ちで昔の映画を楽しめるワクワク感。本当にやめられないものです。



映画の冒頭で「戦争映画は数多くあれど、収容所ものがない」とナレーションが入るのですが、そうか当時としては新しいジャンル、斬新な設定だったのだなぁとハッとさせられました。戦争脱走ものとしてすぐに思い浮かぶ『大脱走』(1963年/アメリカ)など、今でこそ当たり前のように娯楽大作として映画史に君臨していますが、今作はそういった「収容所」もののハシリとなった映画のようです。ドイツ軍を徹底的にコケにしているところも、ワイラー監督らしいユーモアの一つかもしれません。







なんとなく物悲しい感じのするテーマ曲「ジョニーが凱旋するとき」。『風と共に去りぬ』や『ダイ・ハード3』など新旧問わずアメリカ映画で耳にすることの多い曲ですね。

南北戦争時に北軍の帰還兵を迎えるために歌われた(もとはアイルランドの古い反戦歌)ということもあり、映画で描かれている同じ米国人捕虜の中に「スパイ」がいるかもしれない、仲間を疑わざるを得ないという嘆かわしさ、悔しさといった思いが、南北戦争のような内戦の悲愴さとどこか共通するものを思い起こさせる曲なのかもしれないなぁと思って観ていました。


ところで、主演のウィリアム・ホールデンは、この役でアカデミー賞主演男優賞を受賞したのですが、チャールトン・ヘストンやカーク・ダグラスといった名優たちもこのキャスティング候補にあったといいます。但し、あまりに利己的でシニカルな役だったためホールデンはあまり気が進まなかったとか・・・・。だからなのか、彼はアカデミー賞受賞式でのスピーチの際「Thank you」の一言しか言わず、当時のスピーチ最短記録となったそうです(ただし、この記録は1968年にヒッチコックが特別名誉賞受賞で「Thanks」と言って更新されたそうですが笑)。

エピソードを次々に繋いでは物語へと惹き込む技が素晴らしいワイラー監督。この映画も、思わずその"話術"につられて一気に観てしまいました。ラストのセフトンの台詞・・・・カッコよすぎます!





■追記(2012.12.31)
この後鑑賞したジャン・ルノワール監督の1937年のフランス映画作品『大いなる幻影』は、この『第十七捕虜収容所』の原型だったのだとわかりました。
    『大いなる幻影』 (1937/フランス)
 コチラもどうぞ:『大いなる幻影』 (1937/フランス)




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