『トイ・ストーリー3』 (2010/アメリカ)

はなまるこ

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トイ・ストーリー3


●原題:TOY STORY 3
●監督:リー・アンクリッチ
●声の出演:トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック、ネッド・ビーティ、ドン・リックルズ、マイケル・キートン、ティモシー・ダルトン 他
●カウボーイ人形のウッディは、ご主人様のアンディの一番のお気に入りだった。だが、ア ンディはオモチャを卒業し、もうすぐ大学に進学するためにこの家を出ていってしまう。ご主人様を失ったおもちゃたちの運命は、ゴミとして廃棄されるか、どこかの施設に寄付されるか。そんなある日、おもちゃたちはひょんな手違いで<サニーサイド保育園>に寄付されてしまう。「子供と遊べる!」と はしゃぐバズやおもちゃ仲間たちに、ウッディは「アンディを信じろ」と説得するが、誰も聞く耳を持たない。だがそこは、おもちゃを破壊しまくる凶暴な幼児たちが集まる、おもちゃにとっての地獄だったのだ・・・!





トイ・ストーリー自体を本当に久し振りに観てみたら、『1』の頃に比べてあまりに滑らかで美しい画の動きに、もうそれだけで感動してしまいました!


●『トイ・ストーリー』(1995)
●『トイ・ストーリー2』(1999)
●『トイ・ストーリー3』(2010)



・・・これだけ月日は流れているわけで、世界トップの技術を持つピクサー集団のレベルだって格段に向上したっていうことなんでしょう。そしてまぁ、私も同じだけ年を取ってしまったわけでして。シリーズ通しての大ファンだったので、これでウッディやバズたちとお別れになってしまうんだなぁと思ったら、鑑賞しようとする踏ん切りがなかなかつきませんでした。これを観てしまったら、本当に「さよなら」をしてしまうような気がしたんです。

私は、幼い頃から親の仕事の都合で「引っ越しが当たり前」という生活でした。2,3年で次の土地へ移ってしまうのが予め分かっているので「荷物は増やさない」「余計なものは買わない」というクセが沁み込んでいるんですね。そのため、片付けなんかをしてみればバンバン物を捨てていく"思い切りの良さ"はあるのですが、見方を変えてみると、物への執着を感じないよう育ったのかもしれません。だから、アンディが子どもの頃から遊んでいたオモチャたちを大切にとっている気持ちに、私は余計に胸がアツクなってしまうんですよね・・・。一方で、妹のモリーが思い切りよくバービーを捨ててしまうのもスゴク分かります。女の子は、意外とこういうところがクールだったりするんでしょうか(笑)。



それにしても、サニーサイド保育園のイモムシ組の真の姿には大いに笑わせてもらいました。いやー、我が子のオモチャたちもきっと毎日戦々恐々だったんだろうなぁと。

そうです、まだ何が何だか分からない小さな子どもの遊び方というのは、人間の大人にとっても脅威であります。いつ何をブン投げるか分かりませんし、ブンブンベチョベチョのバリバリで、我が家でも幾つのオモチャを破壊されたか・・・。まさにオモチャの世界は日々是サバイバル!そんなオチビさんたちが集まる阿鼻叫喚の保育園のオモチャ世界は、実は厳しいタテ社会。しかも、一見カワイイオモチャのボスが皆を牛耳っているという裏の顔が。牢獄のごとく監視も厳重。ウッディたちはここから無事逃げ出すことができるのか!?シリーズ最大の絶体絶命を迎えてしまう壮大なアクションシーンの連続に、本気で手に汗握ってのドキドキ&涙涙の最終章でした。



今回の『トイ・ストーリー3』は、2006年の『リトル・ミス・サンシャイン』でアカデミー賞脚本賞を受賞したマイケル・アーントが脚本家として大きな役割を果たしてくれたように思います。これまでは主役であるウッディやバズたちオモチャの世界からの目線中心で描かれてきましたが、『3』では成長したアンディによるオモチャとの蜜月時代=子ども時代との別れという、人間目線を織り込んだ繊細なサブストーリーが「オモチャの冒険物語」に奥行きを与えてくれたんですね。

大切なものは、成長や時代、環境の変化などによってその時々に変わったりもします。逆にずっと変わらない、手の中にある温もりのように守っていきたいものもあったりします。確かに物は、いつか壊れてしまったり失くしてしまったり、あるいは必要ではなくなる時が来てしまうかもしれません。物は物であって、永遠はないのですよね。ずっと一緒にいられたらいいのに・・・。

それでもそんな物にまつわる想い出は、いつかひょっこり顔を出したり、ずっとずっと語り継がれることがあるかもしれません。だから、オモチャをずっと大事にしてきたアンディが、ウッディたちと遊んだ思い出を物がなくなるように消し去ってしまうことはないでしょう。アンディにとってウッディやバズたちは、子ども時代を共に過ごしてきた相棒として永遠の存在なのですから。「モノ」をすべて捨ててきてしまった私にとっては本当に泣きたくなる物語でした。ですから我が家にあるオモチャたちは、我が子にとって大切な思い出になるよう私がバックアップしていってあげなきゃいけませんね!



バービーとケンの「おばかコンビ」大好き!

ところで、エンディングに流れるスタッフロールにArt Director Daisuke "Dice" Tsutsumiという字を見つけました。調べてみたら堤大介さんという、ピクサーの日本人スタッフさんだったのですね。しかも、美術部門のトップでプロダクション・デザイナーの直属というアート・ディレクター!「カラー・スクリプト」・・・つまり、色彩で表現された映画の台本を担当されていたとのことですが、色彩担当だなんてアニメーションも命のようなものではないですか。スゴイですねぇ!最近では、米国在住のクリエイター向け東日本大震災に対する義援金ファンド>「Artists Help Japan – Earthquake & Tsunami 2011」を設置されたというニュースも目にしました。アートの世界が、震災で傷ついた方々を救ってくださる力となることにも心動かされました。堤氏のこれからの活躍にも是非注目していきたいですね!





卒業、入学、出会いや別れの季節にピッタリの映画でした。『トイ・ストーリー』シリーズはこれで完結してしまいますが、アンディと同様、私もウッディたちとの思い出に終わりはありません。もう少ししたら今度は我が子と一緒に観るつもりです。何度でも!
ウッディ、バズ、それまでもう少し待っていてね。


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