『ホワイトアウト フローズン・リベンジ』 (2010/ロシア、ドイツ、イギリス)

はなまるこ

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ホワイトアウト ~フローズン・リベンジ~


●原題:PRYACHSYA(ПРЯЧЬСЯ!) / 英題:THE WEATHER STATION
●監督:ジョニー・オライリー
●出演:ピョートル・ロガチェフ、ウラジーミル・グーセフ、セルゲイ・ガルマッシュ、アレクセイ・グシュコフ、アントン・シャギン 他
●雪山に孤立する測候所で暮らす気象学者のイワノフとドロゾフ、そして雑用係のロマシュ。ある日、日が暮れるので泊めて欲しいと一組のカップルが測候所を訪れる。しかしその後、測候所から発信されたSOSを最後に、5人の姿はこつ然と消えてしまう。一体何が起き、5人は何処へ消えてしまったのか?事件を担当することとなった刑事のスラバは現場検証を進めるうち、いくつもの壁に描かれた木のような絵を見つけるのだった・・・。外部から遮断された建物、残された多くの謎。サスペンスの王道とも言われる"クローズド・サークル"で起きた事件を現在と過去を並行して描きながら紐解いて行くロシア発のサスペンス・スリラー。



日本未公開、2013年12月4日からセル&レンタル開始!ということで、Gyao!にて1週間だけの事前限定配信されたこの作品。「無料で観られた♪」という心理効果もあるかもしれませんが、それを差し引いたとしてもこのロシア映画、なかなか高得点。良質なサスペンスもので、久々に真剣になって映画を観てしまいました(いや、いつも真剣なつもりですが・・・)






いわゆるヒッチコックやアガサ・クリスティの作品を思い起こすような、周囲から閉ざされ孤立した環境。限られたごく僅かな登場人物たちの隠された過去、思惑、欲望、裏切り・・・・そして殺人。あ、さらにはUMAである"イエティ"も!?

時系列が何の前触れもなく突然行き来するので、最初はそれに少し混乱させられたものの、ひとたびそのスタイルに慣れてしまえば、二つの物語が並行して走りながらそれらが見事に近づいていく緊張感が非常に心地よかったですねぇ!シンプルだけれど、よく練られた構成で、思わずあのシーンでは「うわぁっ」と声が出てしまいました(笑)。たまにこんなオリジナルの面白さのある作品に出会えるので、映画ってホントやめられません。

ただ、ロシアのどこなのかはわかりませんが、意外と雪山生活をシャツ一枚でウロウロしていたりするので、"極寒体感満足度"はちょっと低いです。「もうだめだぁぁぁ」的な寒さをそれほど感じません。また、邦題にある「ホワイトアウト」もこれまた物語とはまったく関係がないので、織田裕二さんの映画とも違います(因みに原題の意味は「隠れろ!」)。






常に冷静沈着なベテランのアンドレイ刑事と「まるでホームズとワトソンみたいですね!」なんて嬉しそうに言っていた若い刑事スラバ。この二人、すごく好きでした。

オーケストラ!

そうそう!この渋いアンドレイ刑事を演じるアレクセイ・グシュコフ(Aleksey Guskov)、>絶対にどこかで見た顔だ!!と思っていたらフランス映画『オーケストラ!』のソ連時代のあの元天才指揮者だったとは。

ものすごく安定感のある俳優さんで、いつも何か考え込んでいるような地味なお顔立ちではあるのですが、観るたびにその燻銀的存在感に惹き込まれてしまいます。因みに本作品のジョニー・オライリー監督(Johnny O'Reilly)はアイルランド出身でロシア語が堪能。現在はモスクワを拠点に活動している、ハリウッドも注目の映画監督さんです。



ラストを知ってしまった上で最初からもう一度観ても、その面白さは薄れることのない映画だと思います。

私は2回目に観た時に「・・・◯◯は一体どうやって来たんだろう??」と、本当はちょっと疑問にも思ったのですが、えぇぇいそんなことはロシア人ならきっと分かるんだろう!!と、心を広く持ってシメといたしました。こんな風に、何の前情報もなくレビューを目にすることもなく突然飛び込みで観てみる映画体験って、ほんと楽しいものです。またこんな瞬間に出会いたいなぁ。

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