はなまるこ

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プリデスティネーション[Blu-ray]


●原題:PREDESTINATION
●監督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ(ザ・スピエリッグ・ブラザーズ)
●出演:イーサン・ホーク、セーラ・スヌーク、ノア・テイラー、クリストファー・カービイ、クリス・ソマーズ 他
●SFの巨匠ロバート・A・ハインラインの短編『輪廻の蛇』を映画化したタイムパラドックス・サスペンス。凶悪犯罪を未然に食い止めるべく、過去に戻って犯罪者と対峙するエージェントだったが、神出鬼没の連続爆弾魔フィルズ・ボマーとの時を超えた因縁の対決にも終止符が打たれようとしていた。壮大なタイムトラベルの最中に次々と明らかになる信じがたい因果関係、そして彼が知ることになる自らの"宿命"とは・・・。





私の好きな【タイムトラベル】【タイムパラドックス】もの。

※今日はネタバレなしでいきます。
言葉で書いても、グルグルと回り続ける物語には追いつけないですからね。



"過去"に手を加えると"未来"に変化が生じて矛盾が生まれる「タイムパラドックス」を扱った映画といえば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ターミネーター』『バタフライ・エフェクト』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、そうそう、夏に観た『シュタインズ・ゲート』などが思い浮かびますが、この『プリデスティネーション』ほど過去に手を加えまくっている物語は他に観たことがないかも!

プロデューサーのパディ・マクドナルドが説明する。
「観る人によって違う映画になるだろう。学術、哲学、神学の要素を取り入れ、それらにさらなる遊びを加えているからね。これまでにない語り口のタイムトラベル映画だ」。
※『プリデスティネーション』公式サイト







いやもう、とにかく映画の前半は、場末のバーに現われた青年がバーテンダーに自らの数奇な身の上を語って聞かせるというタイムトラベルに至るまでの助走が長いの長くないのっていやホント長いのね←でも後から考えると、この構成で合っているんだけど。。。

しかも、この作品は"映画慣れ"している人ほど、冒頭から違和感やらカラクリやらに色々と気づいてしまうかも。カメラワークや、ショット、俳優の使い方などに「あれ?」「これって・・・」「もしかしたら」「やっぱりね!」と。そういった"分かりやすさ"があからさま過ぎて、全体的にチープな雰囲気を漂わせている点は否めないんです。


、2度目に観て気が付いたんですよねー。
この『プリデスティネーション』という映画は、「タイムパラドックス」の構造そのものをクローズアップしているのではなく、そのカラクリを知った上で登場人物たちの立ち位置をもう一度再確認しつつ、彼ら/彼女らの行動が「自由意志」なのか?「運命」なのか?それを見極めていくのが一番の醍醐味なんじゃないかと。






映画の原題「Predestination」の意味は、運命予定説・宿命論
→「この世のすべての事は神の予定による」とする考えで→つまり「運命は生まれる前から既に決められていて、人間の努力では変えられない」というものです。

※因みに、これってキリスト教だけの考え方でなくて、よく考えたらイスラームの世界でも常日頃から何かと口にする「إن شاء الل」('in šā' allāh=インシャーアッラー)という言葉がそうなんだなーと思いました。「神の望みであるなら」という、個人の力ではどうにもならないことを運命に委ねている、という感じ。宗教や哲学のフィールドに入ると込み入ってくるので、ここはサラッといきましょう(笑)。




どんなに過去を改変しようと思っても、それすら既に宿命として定められていることなのか?
"それ"を決定付けているのは、本人の意思なのか?逃れられない運命なのか?


"All You Zombies―": Five Classic Stories by Robert A. Heinlein (English Edition)

輪廻の蛇 (ハヤカワ文庫SF)



ロバート・A・ハインラインの原作小説のタイトルは「All You Zombies—」。
ラスト間際に、映画の中でもこの「ゾンビ」という言葉が使われます。

"I know where I come from, but where did all you zombies come from?"

死者であるのにズルズルと地を這いずり回るゾンビ。
または運命に引き回され、生きることも死ぬこともできないでいるゾンビ。


この映画は、ぜひ2回観ることをオススメいたします。

一度目の時は"嫌悪感"もあって「まぁこんなものか」と思いましたが、二度目に観た時はなんだか切なくなってしまった。"愛する人"を想う限り、"彼"はメビウスの輪から抜け出すことはできないのかな・・・



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  •  プリデスティネーション
  • 【PREDESTINATION】 制作国: オーストラリア  制作年:2014年 1970年、ニューヨークの酒場に現れた青年ジョン(サラ・スヌーク)が バーテンダー(イーサン・ホーク)に奇妙な身の上を語り始めるー。 女の子<ジェーン>として生まれ、孤児院で育った"彼"は、18歳の時に恋に 落ちた流れ者との子を妊娠。しかし、その男はある日"忽然"と姿を消し、 赤ん坊も何者かに誘...
  • 2016.01.31 (Sun) 19:52 | miaのmovie★DIARY