『我が美しき壊れた脳』 (2014/イギリス) NETFLIX映画

はなまるこ

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●原題:My Beautiful Broken Brain
●監督:ソフィー・ロビンソン、ロッチェ・ソッダーランド
●製作総指揮:デヴィッド・リンチ
●出演:ソフィー・ロビンソン、ロッチェ・ソッダーランド、デヴィッド・リンチ 他
●34歳の若さで脳出血を発症。回復するも、重い後遺症を負った女性の日々をカメラが追う。なんとか会話や読み書きを学び直し、彼女は新しい世界を発見していく。





このドキュメンタリー映画の何が凄いかといえば、若くして脳卒中で倒れたにも関わらず、意識の回復から僅か数日で弱い自分も含めて全てをカメラで記録していこうと思える、主人公ロッチェのこのメンタルの強さ。まずここからして並大抵のことではないと思うのです。


言葉や感覚、記憶力が著しく低下したとはいえ、自分に起きている事実を客観的かつ冷静に言語化でき、本来なら悲観的になったり混乱状態に陥るような不安定な感情をセルフ・コントロールし、やらなければならない事に集中するパワーもあり、そしてユーモアと微笑みを忘れない主人公。

元々向上心があり、情熱的で勤勉で聡明な女性だったからなのかな。



それでも。
脳機能損傷後は脳内での信号の受け取り方や処理の仕方が違うため、順序立てて話す事や要点を掴む事が苦手になり、誰に話しているのか解らない等の混乱も生じてくるようになってくるのも事実。脳卒中による後遺症の言語障害のせいで、本人も周囲も"元の彼女"に戻れないという悔しさやもどかしさを抱えてしまうのです。


が、ロッチェは脳の損傷から視界に変化が起きて、色や音の感じ方が人とは異なるようにもなっていたんですね。そしてそれは、デヴィッド・リンチ監督の映像世界に似ている という・・・・。"普通の人の世界"に戻るための治療やハビリが、「"自分の人生"を乗っ取られるように感じる」と語るロッチェ。


人間は、肉体や脳が傷付いたら"自分"ではなくなってしまうのだろうか?彼女の懸命な姿から考えさせられました。

ロチェは重い後遺症を負い、リンチ監督に出会い、結婚相手に出会うという、彼女自身が切り開いた人生を歩んでいくのです。 剥ぎ取られた物がたとえ多くとも、人生は自分次第。本当に大切な物は自身の内面にあるんだ・・・なんて、この映画は決して声高に言うことなどないけれど、脳の複雑さ、不思議さ、そして人間は本当に無限の可能性を秘めているのだなぁとロッチェが見せる笑顔から優しく強い気持ちが湧いてきます。

良い作品を観られて本当によかった!

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Posted byはなまるこ

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