『ハイジ』 (2005/イギリス)

はなまるこ

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ハイジ ファミリー・エディション


●原題:HEIDI
●監督:ポール・マーカス
●出演:エマ・ボルジャー、マックス・フォン・シドー、ジェラルディン・チャップリン、ダイアナ・リグ、ポーリン・マクリン、ジェシカ・クラリッジ、サム・フレンド 他
●両親を亡くし、叔母に育てられたハイジは、山奥に住むおじいさんに預けられる。人を殺したなどという物騒な噂のあるおじいさんだったが、ハイジはすぐになつき、おじいさんも明るく元気なハイジと仲良くなっていく。ヤギ飼いのペーターとその家族とも仲良くなったハイジ。しかし、ある日、突然デーテ叔母さんが現れ、フランクフルトのお金持ちのお嬢様クララの遊び相手にさせるため、アルプスから勝手に連れ出してしまう。世界的に有名な児童文学を完全映画化。



この↑日本版DVDジャケット、かなり偽ってますよ~
アルプスの高山を"天候の変わりやすい薄曇りや凍てつく雪景色"として、またクララの住むフランクフルトは"グレーがかった薄暗いトーン"で当時の生活感をリアルに映し出しています。

それをいかにも「アルプスの少女☆ハイジ♪」という雰囲気満でキュートピンクに彩るという"あざとさを"を全面に打ち出したジャケットデザイン・・・・・

ヨハンナ・スピリ原作の名作児童文学「アルプスの少女ハイジ」を忠実に映画化したということに、もっとどっかりとした誇りを持ってデザインして欲しかったです。山でのチーズ作りや質素な食事風景など、地味だけれど生活感のある描写は映画ならではの温かみがあって、それがとても良かったのになぁ。






むかし人を殺したという噂のある"おんじ"が、あの『エクソシスト』のメリン神父ことマックス・フォン・シドーだという、もし子どもが知ってしまったら大泣きして逃げ出しそうな配役や、ジェラルディン・チャップリン演じる「ロッテンマイヤーさん」(出た!!)が躾には異常に厳しいのに食べ方がとても汚いという、その人の持つ本質・人間性のようなものを生々しく見せてくれるキャラクター像が炸裂している点など「こども映画」とはいえども見応えがあり、かなり好きでした。

人間の捻じ曲がった深層心理描写に程よく毒があり、大人の目線で観る分にも十分楽しめるものだと思います。



そしてなんといっても『ハイジ』を観るにあたって、もう一つ期待していたのは最大の山場である「立ったわ!クララが立ったわ!」がいつやってくるのか!?ということ。

・・・ところが映画の展開自体がかなりの駆け足なので、これが「あっ」という間に終わってしまうんです。ナンダツマンナイ

おまけにですよ、「クララ、今立っていたじゃない!」と興奮するハイジとおじいさんが「さぁ、こっちにきてごらん、さぁ!!!」と、あんな岩ゴツゴツの山の斜面でいきなりクララを歩かせようとするんです。アブナイじゃないのよー!今歩いたばっかりの子になにするんですか!スっ転びますよ。お母さんそれを見て自分がうぉーと立ち上がりそうになるくらいちょっと怖かったです。実写ならではのサスペンスでしょう!(笑)





というわけで、原作をダダダァーっとなぞったという意味では、かなりスピード感のある『ハイジ』ではありました。我が家の子どもはまだちょっと小さすぎて、ソリで雪山を滑降するシーンにしか興味が向きませんでしたね。

アルプスの大自然を観られてよかったなぁ、なんて呑気に思いながらエンドロールを眺めていたのですが、最後の方にVFXチームの名前がバンバン並んで出てきたんですよね。あぁ、今の時代はこんな古典でナチュラルな映画でもVFXは欠かせなくて、きっとあの大自然の景色も消したり加えたりされていたんでしょうねぇ・・・。なんだか「おしえて~アルムのもみの木よ~♪」がちょっと懐かしくなってしまいました。


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