『モンテーニュ通りのカフェ』 (2006/フランス)

はなまるこ

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モンテーニュ通りのカフェ


●原題:FAUTEUILS D'ORCHESTRE / 英題:AVENUE MONTAIGNE
●監督、脚本:ダニエル・トンプソン
●出演:セシル・ドゥ・フランス、ヴァレリー・ルメルシェ、アルベール・デュポンテル、クロード・ブラッスール、クリストファー・トンプソン、ダニ、ラウラ・モランテ、シュザンヌ・フロン、シドニー・ポラック、ギョーム・ガリエンヌ、アネリーズ・エスム、フランソワ・ロラン、ミシェル・ヴュイエルモーズ 他
●パリ8区、モンテーニュ通り。この通りからは美しく聳え立つエッフェル塔が見える、パリきっての豪奢な地区。劇場、オークションハウス、有名メゾン、由緒あるカフェ、そして出会いと別れ。そのカフェに集うのは、演奏を控える著名ピアニスト、自分の生涯のコレクションを競売にかけようとしている美術収集家、舞台の初日を迎えようとする女優など。様々な思いを持った人々の人生が、実在する“カフェ・ド・テアトル” で交差していく・・・。





フランスの名女優シュザンヌ・フロンの遺作。
そして彼女の孫役は、生命力いっぱいに溢れるセシル・ドゥ・フランス。演劇にも音楽にも美術にも先入観を持ったず知ったかぶりもしない、真っ白な心で向き合う彼女の清涼感のある快活さは、シュザンヌ・フロンの映画人生のフィナーレを美しく飾ってくれました。

これだけでもう、ステキなキャスティングだなぁと、オープニングだけでこの映画が好きになってしまった!

含蓄のある言葉が風が吹くようにさり気なーく流れていくという、フランス映画によく感じられるあの独特の空気を感じるたび、私はいつも「フランス映画には何かマジックがあるんじゃないか!?」と思ってしまう。今回もそんな映画でした。

ただ、観ていて「これはきっと女性が描いた世界観だろうなぁ~??」なんて思っていたら、やっぱり女性監督作品だったんですね。だって、話があまりに乙女チックなので・・・(笑)。しかも監督、ご自慢の"イケメン息子"と共同脚本を手掛けた上に、オイシイ役で出演もさせています。あぁ、ママン強し。






優しい孫に愛されるおばあちゃまや、パニックで涙目だけれど一発逆転の愛すべき女優、周りからの信頼が厚くアートに囲まれた仕事を立派に勤めあげる劇場管理人、名ピアニストの全てを支え彼から強く愛されている妻、文句なく裕福なリッチマンの後妻さんなど。

様々な女性達の人生模様が映し出されるけれど、誰をとってみても皆本当に素敵。

この映画の場合、申し訳ないけれど男性たちは(どんなに苦悩に満ちた人生にあがこうと)皆女性陣の人生の脇役でしかないようにも感じてしまいました。自分の人生のステージととことん向き合う、そのしなやかさが羨ましいほど素敵な【フランス女の人生】。「アラサー女子」とか言っていつまでも可愛さを気取ってオンナノコしている場合じゃないです。因みに私は「女子」とか「女子会」という言葉が恥ずかしい。堂々と「婦人会」でいいじゃないか(笑)!

私の知らない世界・・・フランスの特別セレブな人達のお話なのに、ふわりと心が温かくなって優しい気持ちになれるのは、どんな人であれ人生について回る孤独や苦悩、失望、情熱、豊かさ、痛み、安らぎなどを正直に見せてくれる映画だからかも。「フランス人は孤独を尊び、人生を愛する」とも言うけれど、そんな懐の深さや心の豊かさ、私も欲しいところです。

音楽を愛する人、演劇を愛する人、芸術を愛する人、そして人生を愛する人の心に真っ直ぐ軽やかに届く、甘い夢のような映画でした。フランス映画って、出会うたびに何故かいつもドキドキします。

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